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双璧の門番! 古代の守護者と開かれる禁断の扉


1.祭壇の双璧、その圧倒的な威圧と鉄壁の連携

影の祭壇の巨大な石門の前に立ちはだかった二体の蟲型騎士――「祭壇の双璧」。一体は黒曜石のような重厚な鎧を纏い、巨大な戦斧を携えた「黒曜のガーディアン」。もう一体は、深淵の闇を思わせる細身の甲殻に身を包み、鋭利な長槍を構えた「深淵のランサー」。その体には、祭壇の石碑と同じ、禍々しい光を放つ古代文字の紋様がびっしりと刻まれており、見る者を圧倒するような威圧感を放っていた。

「「この先は、我ら『祭壇の双璧』が、決して通すことはない!」」

二体の騎士は、まるで一つの意思を共有しているかのように同時に動き出し、息の合った連携でアントたちに襲いかかってきた。

黒曜のガーディアンが、戦斧を大地に叩きつけると同時に地割れが発生し、そこから穢れの力が凝縮されたかのような鋭い岩槍が突き出す。アントとオルカが前衛でそれを防ごうとするが、その一撃はあまりにも重く、後退を余儀なくされる。

間髪入れず、深淵のランサーがその巨体からは想像もつかないほどの俊敏な動きでアントたちの側面に回り込み、リーチの長い槍で後衛のラーネやビバムを正確に狙ってくる。ホークが矢を放って牽制するが、ランサーは槍を巧みに回転させてそれを弾き飛ばす。

「こいつら…ただの番人じゃない! 古代からこの祭壇を守護するために生み出された、戦闘に特化した存在だ!」銀狐が叫ぶ。その声には、かつてないほどの焦りが滲んでいた。「そして、あの体の紋様…あれが彼らの力の源であり、穢れと繋がる呪いの印でもあるのかもしれない…!」

モーガンとディグビーが作り出す土の壁も、ガーディアンの戦斧の一撃でまるでクッキーのように砕け散り、ラーネの糸もランサーの槍によって容易く切り裂かれてしまう。アントたち7人の連携をもってしても、双璧の鉄壁の守りを崩す糸口さえ見出せない。

2.七色の絆と閃光の反撃! 弱点を見極めろ!

「くっ…このままではジリ貧だ!二体を同時に相手にするのはあまりにも不利すぎる!」ビバムが苦悶の表情で叫ぶ。「まず一体を集中攻撃し、確実に仕留めるぞ!銀狐、あなたの森の力で、あのガーディアンの動きを少しでも止められないか!?」

「承知した!森の精霊たちよ、我に力を!」

銀狐が古の呪文を唱えると、周囲の枯れ木や蔓が生きているかのように動き出し、黒曜のガーディアンの巨体に絡みつき、その動きを一時的にではあるが鈍らせた。

「今だ!アント、ラーネ、オルカはあのランサーを!ホーク、お前は両方の隙を正確に狙え!モーガン、ディグビー、攪乱と足止め、そして私と共に奴らの攻撃パターンを読むぞ!」

ビバムの的確な指示が飛ぶ。

アントは【真・女王の勅命】の黄金のオーラを最大限に高め、ラーネが「ヌシ・オドロの涙」の浄化の力を込めた糸でランサーの動きを予測し、その進路を塞ぐ。オルカが【深海の盟約】で生み出した強力な水圧の渦でランサーの体勢を大きく崩した。

「きゅあああああっ!」

アントの浄化の拳が、体勢を崩したランサーの脇腹に深々と叩き込まれる!ランサーの甲殻にヒビが入り、黒い瘴気がわずかに噴き出した。

一方、ホークは【絶対空域】で戦場全体を俯瞰し、ガーディアンの動きを封じている銀狐を援護しつつ、二体の騎士の攻撃パターンと、その体に刻まれた古代文字の紋様の僅かな違いに気づいていた。

「ビバム!あのガーディアン、右肩の紋様だけ、他と輝きが違う!そこが弱点かもしれない!」

「よし、アント!ランサーを仕留めたら、次はガーディアンの右肩を狙え!」

モーガンとディグビーは、地下からガーディアンの足元を崩し、その巨体をさらに不安定にさせると同時に、アントがガーディアンに接近するための土の足場を瞬時に作り上げる。

「兄貴、今だぜ!」

「任せろ!」

3.守護者の解放と、禁断の扉の先にあるもの

アントたちの怒涛の連携攻撃の前に、まず深淵のランサーが苦悶の声を上げながら膝をつき、その体から黒い瘴気が霧のように霧散し始める。そして、銀狐とモーガン兄弟によって動きを封じられ、ホークの指摘通り右肩の紋様に集中攻撃を受けた黒曜のガーディアンも、ついにその戦斧を取り落とし、巨体を大地に沈めた。

「「我ラノ…役目モ…ココ迄カ……」」

倒れる寸前、双璧は苦しげながらも、どこか安堵したような声で呟いた。

「「ドウカ…コノ森ニ…ソシテ…アノ御方ニ…真ノ安ラギヲ……」」

その言葉を最後に、二体の騎士はまばゆい光の粒子となって消えていき、後には、彼らの体の紋様が凝縮されたかのような、二つの黒曜石の欠片が静かに残されていた。彼らは穢れの力に利用されながらも、その魂の奥底では、森の解放と、祭壇に眠る「何か」の安寧を願っていたのかもしれない。

「…彼らもまた、この穢れの犠牲者だったのかもしれないな」銀狐が静かに呟く。

アントたちは、双璧が残した黒曜石の欠片を手に取った。それは、固く閉ざされていた祭壇の巨大な石の扉に設けられた二つの窪みに、まるで吸い込まれるようにぴったりとはまった。

ゴゴゴゴゴゴ……

地響きと共に、重々しい音を立てて、禁断の祭壇への扉がゆっくりと、数百年、あるいは数千年ぶりにその内側を露わにしようと開き始めた。

扉の奥から吹き出してきたのは、これまでとは比較にならないほど濃密で邪悪な瘴気と、魂そのものを凍てつかせるような、底知れぬ冷気だった。そして、その奥には、広大で薄暗いドーム状の空間が広がり、その中央には、おびただしい数の蟲の卵のようなものに囲まれた、禍々しいオーラを放つ巨大な黒水晶の祭壇が鎮座しているのが見えた。そして、その祭壇の上で、何か巨大な影が、まるで永い眠りから覚めようとするかのように、ゆっくりと蠢いているのが分かった。

「ついに来たか…穢れの根源…全ての元凶が、あそこにいる…!」銀狐が息を呑み、その全身の毛を逆立てる。

アントは、目の前に広がる光景と、そこから放たれる圧倒的な邪気に、ゴクリと唾を飲み込んだ。

「ハチミツの匂いは全然しないけど…今までで一番、とんでもなくまずそうなやつがいる気がする…!」

仲間たちを見回すと、全員が緊張と、そしてこの森を救うという強い決意をその瞳に宿らせて頷く。

彼らは、影の沼の最後の戦い、そして目覚めの森の運命を賭けた最終決戦に、今まさに足を踏み入れようとしていた。


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