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復興完了!

◆◇◇◇


 その後、傷だらけになった各族長たちが音頭を取り、五日で復興を成し遂げた。


 なお、魔王様とオフィーリアはスターフィード殿に乗って王宮に戻っていった。


 帰る前にサリアと一緒に水着を数点買っていったようだが……。



 ナニニツカウノダロウネェ。


 ボクニハサッパリワカラナイヤ、ハッハッハ。


 

 サリアは初日はオフィーリアと買い物に回ったが、二日目以降わたしと共に怪我人の治療や木材の輸送等に魔術を使って復興に協力していた。


 流石にわたしが合コンした事がないことを把握しているからか、各族長たちの事を呆れることはあってもわたしをウジ虫並みに忌避することはなかった。


 個人的には、久しぶりに仕事の合間にデートっぽいことをして喜んでくれていたのが印象的だった。


 ……空き時間少ないからなぁ。

 

 ……普段も家と執務室の往復だし。



「さて、これで一通りの復興作業は完了とします!」


「「「「Year!!!」」」」



 わたしの宣言で皆ジョッキを打ち付け乾杯をする。


 やっとわたしたちも王宮に帰れると言うものだ。


 まぁ、スターフィード殿には明後日来てもらうように調整しているので、明日が丸一日お休みなんだがね。



「マルコさん、お疲れさまっす!」


「ヤリー、君たちも良く働いたな」



 ヤリーが声かけてくる。


 ちょっと、提案しておくか。


「ヤリー、一つ合コンについて提案なんだが……」


「お、なんすか、いいネタっすか?」


 なぜ、ネタとして考える?


 

「ネタじゃないんだがなぁ。まず、この辺りで合コンする場合、もっと沖の方でやりなさい。最低でも数十キロは離れて!」


「まぁ、それはわかるっす。今回のような迷惑は流石にかけたくないっすし」


「で、合コンでカップル成立した者たちだけ、産卵場所や浅瀬などのアクティビティに向かうことを許されるようにしたらどうだ?」


 つまり、カップル限定のアクティビティ。


 相手が見つからなかった負け犬はさっさとおうちに帰れ!


 

 これなら、今回のように奪い合いは沖で発生するのでこの辺りへの被害は軽微。


 成立した面々からしてみれば、被害の無いアクティビティを楽しめる。



「理解はできるっす。個人的にはアリと思うっす。ですが、全員このルールを守れと言って守らせられるか……」


「やらねば魔王国への宣戦布告と理解するが?」


 今回の被害を分かって言ってるんだろうな?


「絶対守らせるっす!!」


 理解が早くなってよろしい。



 さて、宴会が終わり次の日。


 スターフィード殿は明日迎えに来る。


 なら、どうするか?


 決まっているじゃない!


 サリアとイチャイチャするんだよ!



 と言うわけで、サリアと海で楽しむことになりました。


 先日の曇りが嘘のような雲一つない青空。


 砂浜にシートを用意し事前に用意しておいた水着に着替えます。


 わたしは砂浜で着替え、サリアは流石に恥ずかしいと言うことで更衣室を借りに。


 

 青系のピチピチブーメランな水着を身に着けサリアを待つのですが、妙に時間がかかってますね?


 女性用水着って着付け難しいのでしょうか?


 

 ……


 …………

 


「お待たせ♡」


 我慢し続けた甲斐あり、サリアが更衣室から戻ってきました。


 ……って、なぜパーカーを着てらっしゃるので?



「だって、恥ずかしい……」


「そんなこと言わず、わたしだけに見せてほしいな。この辺りは人もあまり来ないんだ。誰にも見られないよ」


 サリアに告白した時並にイロイロ説得してみたところ、どうにか折れてくれました。


 さて、パーカーを脱ぐと、そこに現れたのは……。


 

 白 ビ キ ニ

 

 胸 は フ リ ル で

 

 青 パ レ オ



 ……確か水着は夏の季語だったはずだが……


 ……ビキニは夏の季語として受け入れられるのか?……


 

 白ビキニと言ったが、正確に言うとホルターネック(幅のある布を服の前から首の後ろに回して結んだもの)で完全に真っ白ではなく小さな青い花の模様がちりばめられている。

 

 フリルはトップスの上部とその少し下の二段についており、こちらもビキニと同じ模様となっている。


 パレオは青単色ではなく、白ベースに大き目の青い花模様が広がっている。


 ちらっと見えるビキニのボトムもトップスと同様の模様となっているようだ。


 推測だが、こちらにもフリルついているのかもしれない。


 

 うん。


 すばらしい!


 このまま君だけを奪い去りたい!


 

 んで、サリアよ、君はどこを見ているのかな。


「あ、いや、その……」


 モッコリ?


「……」


 顔真っ赤にしてポカポカ叩いてきました。


 うーん、可愛い。



 なお、この後滅茶苦茶海で(全年齢的な意味で)遊んだ。


 いや、淫気ばら撒くのがNGなのは理解してるので、それは帰ってからですよ?


 魔王様達と違って他者に被害を与える気はありませんから。

 

 

 さて、海でイチャイチャして、夜はあんなことやこんなことをしたい欲望を全力で抑え込み、スターフィード殿に乗って王宮に戻った。

 

 

 ケインに報告の為に執務室に入ると、何故か魔王様とオフィーリアが青い顔して書類仕事をしておりました、って書類仕事ぉ?

  

 ……魔王様も、オフィーリアも書類仕事なんてほとんどやったことがないはずなんですが?



 事態が良くわからず、ケインを見るとヤバい目をして乗馬鞭を片手にお二人を監視しておりました。


 ……ボンテージファッションじゃないんですね。


 まぁ、ケインが着るよりチェリーさんが着た方がお似合いかと思いますが。

 


 妙に魔王様&オフィーリアが泣きつきそうな目でこちらを見ているので


「で、これはどうしたんです?」


 と、念の為ケインに確認したところ


「国民に淫気ぶちまけそうになったごどに対するオシオキだすよ」


 と、冷え冷えとした声で説明してくれた。

 

 


 あ~、夫婦そろって納得してしまいました。


「あー魔王様にオフィーリア。これは無理だ、フォローできん」


 二人とも、この世の終わりのような表情でわたしたちを見る。


「というか、わたしもバルタキリヤで叱った時に珍しく立場を無視して『おまえら』呼びしたのを考えれば、これくらい軽いと思わんか?」


 いや、ガン見してもどうしようもないからな?


 国民の精神をを壊しかけたと考えれば、生ぬるいくらいのオシオキじゃないの?


 

「ケイン殿、とりあえず報告だが……」


 事態の報告をさっさと行うと、流石にケインも呆れてしまった。


 まぁ、そうだよなぁ。


 合コンで周囲破壊するなんて誰が想定するってんだよ。


 というか、ケインって合コン知ってたんだ。

 

 ん? 経験無いが言葉くらいは流石に知っている?



「個人的に、クラーケン以外の海洋種族で同様なことを起こさせないように周知すべきではないかと思う」


「はぁ……正直内容が馬鹿馬鹿しすぎるが、だからと言ってそんたくだらねごどで生活環境を壊滅させられるのは勘弁してほしぇな。内容の詳細を伝え、反面教師どしてほしぇど各海洋種族に展開するべ」


 これで、若者でバカモノな者たちの暴走が少しでも減ればいいのだが。


 若者の性的な暴発は多々あるし、難しい気がする。


 

「さで、報告終わりなら、さっさと帰って休暇取ってくれ。いづも通り『二泊三日』だろ?」


「ええ、その予定です」


「その間、仕事はやらせでおぐがら安心して暴走してぐれ」


「いや、暴走って……」


 反論しようとしたところ、ケインだけでなく、魔王様やオフィーリア、そして最愛のサリアからも呆れた視線を送られてしまった。



「子作り中の記憶が無くなるのを暴走と言わないの?」


「サリアさんが気絶しても子作りを止めないって、一般的に見て暴走ですよぉ?」


「ていうが、淫気垂れ流すって時点で既に暴走かと」


「たっぷり愛してくれることはとてもうれしいですが、制御できない情動は暴走としか言えませんわね」


 魔王様、オフィーリア、ケイン、サリアの順で責められてしまった。


 制御か……なんと難しい依頼だろう。


 それに淫気は……サリアへの大量の愛が少し漏れてしまっただけなんだが。



「少し漏れるだけならこごまで言われんだべ? だだ漏れ状態だんて淫気と認識されでらのでは?」


 ……ケイン、喧嘩売ってんの?



「賢者化してんじゃねぇよ、童貞宰相が」


「制御不能に陥ってんじゃねぇよ、インキュバス超えた怪しい存在が」


「あ゛ぁ゛?」


「お゛ぉ゛?」



 童貞宰相と一触即発の事態になったところで、


 むぎゅっ


 という音と一緒にサリアが割り込んで来た。


 左腕がサリアの胸に挟まれた音のようだ。


「ケイン様、『二泊三日』の為、帰らせていただきます」


 ……こちらからサリアの表情が見えなかったが、ケインが妙に引きつっていたように見えた……気がする。


 ……うん、何もみなかった。


「さあ、あなた。行きますわよ」


 イエス、マム!

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