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第二話:事件発生!!!

ジリリリリリ!!!


「んんっ!!」

6時半、隣の家のでっかい目覚ましの音で空が起きる。


「向こうの部屋か…」

自分の部屋の窓を開けるとすぐのところにあるその部屋から、音は聞こえて来た。

ジリリリリリ!!

音は絶えず鳴っている。


こんだけ鳴ってんのに起きないのかよ!!



コンコン!!

窓を叩く。

「あの…目覚まし止めてもらっていいですか?」


返事はない。

寝てんのか?


「あの…失礼します。」


隣の窓を開ける。



ドキッ!!

その部屋は二見かえでの部屋だった。

二見の寝顔は、今までのイメージをぶち壊すほどかわいい顔をしていた。


「黙って寝てる時はかわいい顔なのに、起きるとあれだもんな…」



ジリリリリリ!!!


目覚まし止めないと…


空は時計に手を伸ばす。



パチッ!!

目覚ましを止めた瞬間、二見が目を覚ました。




・・・・・。


目が合ったまま、二人とも固まっている。



(この状況は…まずい。)


「きゃあーーー!!」


「違う…誤解だ!!」


「来ないで変態!!

寝込みを襲うなんて最低!!!」


「目覚まし止めただけだって…!!」


「止めて!!いや!!」

二見が枕を振り回す。


「うわっ…あぶね!!

ここ二階だって…

落ちたら怪我する…」


バシッ!!

枕が顔面にヒットする。


「がっ!!」

手が離れる。


全てがスローモーションで見えた。




ガラララ…ガッシャーン!!!

勢いよく物置小屋に落下。


「なんだ!!雷か!?」

「今のすごい音は何?」

家族が一斉に起き出す。



この日1番の目覚まし音が鳴った瞬間だった。





「いてっ!!もっと丁寧に…」

家族に消毒液を塗ってもらっている。

幸い、当たり所はよく、打撲と切り傷だけで済んだ。


二見の父さんと俺の父さんが謝り合っている。


二見は…?


知らん顔している。

でも、時折こっちを見ているので心配はしてくれてる………はず!!




俺はこの出来事を一生忘れないだろう。





キーンコーンカーンコーン

ざわざわ…

クラスはざわついている。

俺の頭の包帯とあちこちに貼った絆創膏が原因のようだ。

「空…その怪我どうした?」

響が心配してやってきた。


ビクッ!!

二見が反応したのがわかった。


「突き落とされた。」


「はっ!?」

響はまたしても?マークをつける。


「二階から突き落とされたんだ。」


「違うでしょ!!」

二見が会話に入ってきた。


「あんたが私の寝込みを襲おうとするから。

私は正当防衛よ…」


「寝込みを襲った?」

響が一言。


「だからあれはおまえのうるさい目覚ましを止めただけだっての!!」


「目覚ましって、一緒に寝たのか!?」

響が一言。


「だったら私に言えば良いじゃない。目覚まし止めてって。」


「二人で寝たのか?」

響が一言。


「おまえ起きなかったじゃん。」


「一緒に寝たのか…」

響が一言。



「さっきから何言ってんだよ!?」

「さっきから何言ってんの!?」

二人一緒に言った。



その時から俺たちは、普通に会話くらいはできるようになっていた。


喧嘩ばかりだけど…



「二見さん…」

クラスメイトの女の子が二見を呼ぶ。


「何?どしたの?」


「あそこにいる先輩が呼んでたよ。」


3年の森本先輩…


二見に用事?

空はぼけーっとその様子を見ていた。


「ありゃ、告白だな…」

響が前に座る。


「さすが二見さん。

もう何人目だろう…」


「そんなにきてんのか?」


「俺のデータだと、森本先輩で8人目だ。」

「へぇ…あいつモテてるなぁ!!」



「あっ帰ってきた。」

空の隣に座る。


「ふぅ…」


「告られた?」

空が聞いてみた。


「まぁね…」


(余裕そうな顔がいらつく!!)


「おまえかなりモテてるなぁ?」


「そう?普通じゃない?」

(我慢だ…我慢だ俺…)


「おまえのどこがいいんだろうな!?」

皮肉を込めて言い放つ。


「あんたには一生わかんないわよ!!」




「まぁまぁ!!」

始まりそうだったので響が止めに入る。




放課後

「空、部活行くぞ!!」

響が呼ぶ。


「今行く。」


「ちょっと待って!!」

二見に呼び止められる。


「なんだよ?」


「部室行くんでしょ?

私も行くから待って!!」


「なんでおまえを待たないと行けないんだよ…」


「私一人で歩いてると、男子に捕まって告白されんの…

だからあんたたちといればすんなり行けると思って。」


「なんかイラッとするけどしかたねぇ…行くぞ!」

二見を連れて歩く…

男子の視線が恐ろしいものだった…






「なぁ…空?」

部活姿になり、体育館でバッシュを履いてるとき、響が呼んだ。


「なんだ?」


「最近、バスケ部見に来る奴多いよな…?」


たしかに現時点で数名見学に来ている。

「目的は部活じゃなくて、あいつだろ!!」

指差す先には二見…


「やっぱりか…

バスケやってるときの二見さんかわいいもんな!!」


「おまえ、マジに美月に殺されるぞ!!」


「おまえはかわいいと思ったことねぇの?」


「……ねぇよ。」

そのとき、二見の無邪気な寝顔が頭を過ぎる。


「誰が彼女を射止めんのかな?」


「知るか!!部活やんぞ!!」


女バスに注目が集まる隣のコートで、練習に励む空たちだった。



部活終了後、空は一人で遅くまでシュート練習をし、終わった時、辺りは真っ暗だった。



「あぁ疲れた…

とっとと帰ろう。」




同時刻、体育館裏


「こんな時間に何の用ですか…先輩?」

そこにいたのは二見と森本先輩。


「二見ちゃん、やっぱり俺君が好きなんだ。

付き合ってくれないか?」

「その話はお断りしたはずです。ごめんなさい。」

二見は帰ろうとする。


ガシッ!

森本先輩に腕を掴まれる。


「そう言わずに、付き合ってくれよ!!」


「放してください!!」

手を振り払う。


「ひどいなぁ…二見ちゃん。そんな態度だと、傷つくなぁ。」

森本先輩が不気味にニヤつく。


「いや、来ないでよ!!」

壁に挟まれ二見は逃げられない。


「逃げらんないよ!!」

森本先輩はじりじり追い込む。


「いや、誰か助けて!!」


「エヘヘヘ!!」

森本が二見に触れようとしたときだった。



ガシッ!!


誰かが森本の肩を掴む。


「何してんだよ!!」


「お、おまえは!!」


二見はそこで意識を失った。




ジリリリリリ!!


ガバッ!

二見が目を覚ますと、部屋のベットにいた。


「あれ?私昨日、先輩に襲われそうになって…

思い出せない。」


ガラッ!!


「おっ!今日は珍しく起きたのか?」

向こうから空が顔を出す。



「芹沢…昨日私どうしたの?」

なぜか芹沢に聞いてしまった。

「はっ?何の話してんだ?」


そうよね…

芹沢が知ってる訳無いか。

何考えてんのよ、私。


「なんでもない。」





キーンコーンカーンコーン


「おはよー!!」

二見が登校。


「おはよー二見さん。

ねぇ…昨日の話聞いた?」

クラスの女子が話している。

「話って?」


「森本先輩のこと。

昨日の夜、後輩の女子に襲い掛かろうとして失敗したらしいよ。」


「その話…」


「なんでも襲い掛かる直前に誰かに捕まったんだって…」


!!!

二見が反応する。

「誰?誰が捕まえたの?」

「それがわかんないんだって。

あんな遅い時間に学校にいた人いるのかなあ?」


二見は急いで響のところに走った。

「ねぇ響君!

昨日部活の後、残ってた人いる?」


「部活後…?

それなら空だろ。あいつ遅くまでシューティングしてたらしいし…」


「えっ!?芹沢…」


朝は何も言ってなかったのに。




ガラッ

「おはよー!!」

空が元気に登校。



ドキッ!!

二見は空を見た瞬間、緊張が走る。


何…今の?

胸がドキドキしてる。

ありえない!!





空の平凡な日々。

二つの事件を経て、なにかが変わり始めていた。

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