光る研究
瘴気が漂う館。響き渡る悲鳴。放たれる稲妻。その館では人体実験が行われていました。それは光を宿す人間の探求。そこに住む博士は光を求めています。博士は昔。暗い夜。ある男にナイフで刺されました。そこで博士は思います。『闇には絶望が蔓延る。光こそ希望。』そのナイフは今も胸に刺さっています。そして博士は自らの体に電球や蓄電池を組み込み、体に稲妻を走らせる。いつか体が光ることを信じて。しかし、全く成功の兆しはありません。ある日。博士は気晴らしに山へ向かいました。するとそこには1匹のトナカイ。池で水を飲んでいます。久しぶりの生き物に笑みを溢す博士。博士もその水をひとすくい。その瞬間。博士の体に残る電気は池に流れました。不運にも感電するトナカイ。水に付けたその鼻は焼かれ痙攣しています。博士は慌てました。すぐに館に運びます。博士は今ある全ての技術をそのトナカイに注ぎ込みます。そして稲妻発生装置を焼けた鼻に繋ぎ電源を入れました。すると鼻は青白く光ります。しかし命は戻りません。「実験の成功は絶望と共に。」博士は胸のナイフを引き抜きました。その血はトナカイの鼻にかかり、トナカイの鼻は赤く光るのでした。