青年の決意
血に染まる赤い服。その青年は今日も美女の血を吸います。白髪の髪。鼻の高い整った顔。細みな体つき。その青年は不老不死の吸血鬼。人目を離れた山奥の城に住んでいました。肌寒いある夜。青年は血を求めて街にやって来ました。すると真夜中なのに子供が外で遊んでいます。その子供は青年に話しかける。「お兄さんも遊ぼー!」青年は困りました。子供に騒がれては美女の血は吸えません。青年は考えます。そして『少し遊べば疲れて帰るだろう。』と遊んでやることにしました。子供と遊ぶなんて何年ぶりか。青年はとても楽しい時間を過ごしました。その子供は言いました。「楽しかったー!ありがとうお兄さん。僕はママの元に帰るねー!」するとその子供は嬉しそうにスーッと夜空に消えてゆきます。血の気が引く青年。「まさか!幽霊!?」さらにその嬉しそうな顔を見た瞬間。頭の中に稲妻が走る。『あの子供が死んだのは僕の性だ。』青年は美女の血を啜る時に見ていました。隣で眠るその子供の顔を。『幼く死に、遊び足りなかったのか…』青年は心に決めました。そして、この街には噂が広がります。それは血のおもちゃの噂。血を失う美女の子供にはおもちゃが届くという噂。