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どこに戻れば  作者: 祥子
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学生時代の憂鬱なことはいくつかあるが、そのうちの一つはテストだ…。

早く帰れることは嬉しいが、早く帰っても勉強する気にならずお昼寝をしてしまい夜になり後悔するパターンをよく繰り返したものだ。テスト期間を乗り越えたときの開放感は好きだった。テスト最終日は早く帰れるし、次の日のテスト勉強もしなくていいので嬉しい限りだ。

三学期の期末試験の時、えりちゃんから「テスト終わったらみんなでカラオケ行かへん?クラス替えもあるし、一応みんなに声かけよう思ってんねん」と誘われた。私は「もちろん!」と答えた。

私は歌を歌うことが大好きだった。父親が家でよくギターを弾いていたので、私も小さい頃から見よう見まねでギターをよく弾いていた。流行りの歌や好きな歌などコピーしてよく歌っていた。


なんとかテスト期間を乗り越えみんなでカラオケへと向かった。みんなと言ってもクラスの 半分くらいは予備校や部活、カラオケが苦手という人もいて参加しなかった。

いざカラオケの部屋へと入る。そこそこ人数も多かったので、「適当に歌入れていくからマイク回して歌っていってな」とリモコンの近くに座っていた子が言い出し、今流行りの歌やメドレーなどが入力されていった。適当にキリがいいとこまで歌って次の人にマイクを回す流れになっていた。


もうすぐ私の番だ…


歌うことは好きだが初めて一緒にカラオケに来たみんなの前で歌うことに急に緊張し始めたのである。


来た、マイク!!


最初は無駄に緊張したが歌い出しやらやっぱり楽しくなった。サビに入る手前まで歌い隣の人にマイクを渡した。


「歌、めっちゃうまいね。聞いてて気持ちよかったわ」と私にマイクを渡してくれた友達がほめてくれた。それを聞いてた周りの友達も「うんうん、めっちゃうまかった」と言ってくれた。

「えっ、ありがとう。好きなんだ、歌うことが」と思わず笑みがこぼれた。

カラオケはこの後もみんなで盛り上がり楽しい時間を過ごした。

あの時、えりちゃんからのカラオケへの誘いを断っていたらまた何か違ったんだろうか。

断っていたらこんな悲しいことは起こらなかったんだろうか。

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