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どこに戻れば  作者: 祥子
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孤独だった入学式から数ヶ月もたつとだいぶクラスにも馴染めるようになった。

そして、数ヶ月経って思ったこと。

さすが関西。ノリとツッコミがすごい。

友達同士の普通の会話はもちろんのこと授業中でも先生に普通に突っ込んでいるのには驚いた。

「先生、さすがに今の間違えはあかんわ。さぶいぼたったわ」

「そうやで、先生ちゃんとせな」

と笑いが起きる。

さぶいぼって何?!先生につっこんでる!

「先生も人間やから間違えくらいするわ」と普通に受け入れている。

そして関西人としての誇りと東京に対する敵対心がすごいということ。

もちろん全員が全員そういうわけではないが大概の子が「そもそも東京弁を標準語っていうのが気にくわんわ。東京の人は冷たいしな。ノリも悪いわ」と言う。最初はその東京に対する敵対心のようなものを感じて傷つくこともあったし、何か話すといちいち突っかかられていたので嫌気もさしていた。

ある日、えりちゃんと席が近くて仲良くなったゆうちゃんと流行りのドラマの話で盛り上がっていた。私はなった何も気にすることなく「あの、ドラマいいよね!」と興奮気味に話した。ドラマとイントネーションをあげて話したがそれを聞いていた別の子が「ドラマやって。ドラマやろ。東京の人はなんでもイントネーションあげてしゃべりはるわ」とすかさずつっこんできた。楽しく話していたのに一気に場が冷めてしまった。

「ゆきちゃんのツッコミは厳しいな。祥ちゃん、つっこんでもらったんやで。ごめんなっ、でも仕方ないねんって流しといたらいいわ」とえりちゃんの助け舟。

私は動揺してしまって言われるがまま「ごめんなっ、仕方ないねん」と答えるしかなかった。

あまりのかたことな関西弁にその会話を聞いていたみんなが笑ってくれた。

「祥ちゃんが関西弁喋った。下手すぎるわ。これから関西弁教えてあげるわ」とみんなが盛り上がってくれた。それからしばらくコテコテの関西弁講座が流行った。

関西弁講座のおかげかどうかはわからないが、私も徐々に関西弁につられ始め東京弁と関西弁が混じるようになり自分自身でもよくわからなくなっていた。私がつられて関西弁が出るたびにみんなニヤニヤした。

「これやから東京の人は」とか「東京弁は冷たく感じるわ」と言われることも多々あったがツッコミとして流せるようになった。

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