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どこに戻れば  作者: 祥子
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引っ越して来て数日経った。

母は毎日片付けに追われて忙しそう。

父は毎日とても嬉しそうだった。

私も自分の荷物を片付けている時に、新しい高校のパンフレットを発見した。

「あの時、見もしなかったな」と何気なく開いた。

ダサい、制服がダサすぎる。

このスカートの丈の長さは何なんだ?!

はー、せめて制服だけでも調べればよかった、かわいい制服の学校がよかったと後悔した。


数日後、母と制服の採寸に行った。

やっぱりパンフレット通りダサい。スカートの丈もかなり長かった。

校則でスカートの長さは長く指定されているのだろう。でもみんな従ってるわけではないだろう。

中学の時もスカートの丈は膝下と決められていたが誰も守っていなかった。ミニスカートにルーズソックソが流行っていた時代。どうせみんな学校に慣れて来たら徐々にスカート短くしていくんだろうなと軽く流していた。


「新しい学校に寄っていく?春休みも部活で上の学年の子が登校してるかもよ。雰囲気だけでも見に行こうよ」と母が言い出した。

特に用事もなかったので私はそれに同意した。

新しい高校の最寄駅に着いた。

新しい高校の制服を着ている人が数人いた。先輩にあたる人達だろう。

その姿を見て更に驚いた。

みんなスカートが長いのだ!!足首近くまで長い人もいる。そしてみんなファミリアのカバンを持っている。幼稚園児が持つような布のバックだ。

「なにこれ。この人たちだけ?」

と思っていたが学校までの道のりで出会う先輩、みんな同じスタイルなのだ。

「なんでこんなみんなあんなにスカートが長いのだろうか。そしてあのバッグは流行っているのだろうか」と思わず母に問いただした。

母も「わからないけど、そうなのかもね。神戸のお友達に聞いて見てあげるね。でもみんなあのバッグ持っているんだったら祥子にも用意してあげなきゃね。帰りにファミリアに寄って帰りましょう」と特に気にもとめていなかった。

憧れだった高校時代、何これ、もう異世界にいるようだった。

母はファミリアに寄ろうと何度も誘ってくれたが私は寄る気にもなれずその日はそのまま帰った。

その日の夜、母は母の神戸のお友達に制服のことを聞いてくれた。

どうやら神戸っ子という言葉があり、神戸っ子は大人っぽいのがいいのだそう。

スカートもより長い方が大人っぽく、冬は黒のストッキングを履くのがいい、髪の毛は巻いて大人っぽく見せる、これが神戸スタイルのようだ。

更に私が通う学校だけでなく私立の女子校の子はほとんどの子がファミリアのカバンを持っているとの情報だった。

確かに母と神戸の街を1日歩いたが、東京ではコギャルが溢れていた時代にコギャルに全くもって会わなかった。

かなり衝撃を受けた。

そして次の日ファミリアのカバンを急いで買いに行った。

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