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ステータスマイスター  作者: なめこ汁
第一章
86/145

第85話 ヴェルム

 翌朝、目が覚めるとモフモフは無く、ランを抱き枕にして寝ていたはずが、抱き枕になっているのはファラだった。

 俺が寝ている間に何があったんだ……。


 まぁ良いか。モフモフがプニプニになっただけだし。

 ふぅ、それにしても、良く寝たな。


 次第に頭が覚醒してくると、良い匂いがすることに気が付いた。

 ミリアにファラ、ランはここに居るし、マルカか女の子達の誰かが朝食の準備でもしてくれているのか?


 皆を起こさないよう、ゆっくりとベッドから起き上がり、部屋を出てリビングの方へ移動する。


「あ、タカシ様! おはようごじゃいます!」

「おはようマルカ。早いな。もう朝食の準備をしているのか?」

「はい! 人数が多いですので! 食材は、昨日の夜ミリア様よりお預かりしておりましたから!」


 時間を確認すると、まだ5時前だ。

 まぁ、十人以上の飯だから時間は掛かるのは仕方ないか。


「そうか。準備ありがとうな」

「はい! あ、お食事はいつでもご用意可能です!」

「じゃあ、皆を起こしてくるよ。そうだ、女の子達はまだ寝かせておいてあげてくれ。俺達の分だけ用意してくれるか?」

「畏まりました!」


 そのまま部屋に戻り、悪戯しながら皆を起こす。


 まずは、ランのパンツを下ろし、全裸にした後、空間魔法でベッドから浮かせておく。

 ファラは既に全裸なので、そのまま浮かせておく。

 最後にミリアのパンツに手を掛け、下ろそうとしたところ、少しだけ下ろしたところで起こしてしまった。


「んぅっ、あぁ、おはようござ、はっ!? タカシさん!?」


 残念だ……ついでに浮かせておいた二人をベッドの上に落とす。


「んぁ!?」

「んなああぁぁ!?」


 ランはがばっと起き上がって戦闘の構えをとり、ファラは転がりベッドの下に移動した後、召喚獣を出す。


「皆おはよう、朝だぞ」

「今、何か揺れなかった!?」

「タカシ、危ない!」


 揺れてないし、何が危ないんだよ。寝惚けてるな。


「おい、朝飯だぞ。ラン、いつまで全裸になっているんだ? ほら、ファラも出て来い」

「えぇ!? あれ!? いつの間に!?」

「タカシ、敵は?」

「居ないよ。ほら、寝惚けてないで、朝飯出来たから、行くぞ」

「分かりましたから、手を離してください」

「え? あぁ、ごめん」


 ミリアのパンツに手を掛けたままだった。惜しい。


「それじゃ先に行ってるから」

「もう!」


 先に椅子に座っていると、すぐに三人も現れたので朝食を摂る。

 ついでなので、マルカも一緒に朝食を摂るよう勧める。


 食事中に、今日はシュスルスの森に行って盗賊狩りをする、と皆に説明しておく。


 マルカも聞き耳を立てていたが、別に隠すような内容ではなかいので、そのまま説明を続ける。

 皆には、昨日一度話していたので、特に何も言われなかった。


 説明をしている間に朝食が終わったので、茶で一息つきながら、マルカには屋敷の掃除をお願いする。


「マルカ、今日は屋敷内の掃除をしておいてくれないか?」

「は、はい! わかりましゅた!」


 噛み噛みの台詞を聞いて安心したので、後は全てマルカに任せてスフラに飛び、マリーと合流した後、村長宅に行く。

 かなり早朝ではあるが、どうやら起きていたようだ。


「おはようございます」

「おぉ、勇者様! おはようございます! 昨日は何から何まで、本当にありがとうございました。只今お礼の品をお持ちし……」

「いえ、それは遠慮しておきます。村の復興にでも使って下さい」

「そんな! 村の為にここまでしていただいたのに、何もしないというのは! 是非、何かお礼を!」

「んー……じゃあ、今後俺達がこの村に来た時は、美味しい食事を提供してください」


 一度断っておきながら、じゃあ金をくれ。とは流石に言えないので、無難なところを要求しておく。


「そ、その程度でよろしいのですか……? 流石勇者様です……」

「はい。楽しみにしていますね」

「は、はい! ご期待ください!」


 やっと落ち着いて本題に入れるな。


「それで、昨日、報告を忘れていたんですが、スワルトの騎士団にスフラ村の人員派遣と物資提供をお願いしています。暫くは人の出入りが激しくなるかもなので、村の管理、頑張ってください」

「おおお、なんと、何ということだ。そんなことまで……うぅ……本当に、本当にありがとうございます」

「いえ、ウチのマリーの故郷ですからね。何か困ったことがあったら言ってください。面倒なことは全部この子達にやらせますから」

「はい、任せ……いや、違うっ! 違うでしょ、タカシさんっ! そこは、タカシさんがやるって言うところじゃないんですか!?」

「やだよ。面倒なこと嫌いだもん」


 ナイスツッコミだミリア。

 感動して半泣きだった村長も、ポカンとしている。これで、面倒事は回ってこないだろう。


「まぁ、そんなわけです。それじゃ、俺達はもう行きますね」

「は、はい。本当にありがとうございました! マリー、良い主人に巡り合えて良かったな。しっかり尽くすんだぞ? 何か困った事があれば村を頼ってくれ」

「はい。分かりました! 子どもが出来た時はお願いします!」


 何か不穏な会話が聞こえるが、無視して歩き出し、村長宅から少し離れたところで、ザクゼルに飛ぶ。


――シュンッ!


「さて、シュスルスの森はあっちだよな?」

「はい」


 ミリアに確認をとりながらマップを見て北東の方に歩き出す。


 移動中に、皆が魔法の練習を始めようとした。もう癖になってしまっているのだろう。良いことだ。

 でも、止めておく。


「今日は奴等の本拠地だ。昨日よりキツイ戦いになるかもしれないから、精神力を温存しておこう」

「そ、そうですよね」

「昨日はお前達やられちゃったからなぁ」

「あ、あれは! うぅ……ごめんなさい」


 言い訳しないんだな。しおらしいミリアも良い。


「ミリアは周り見えてなかったし、ファラは矢を受けた。マリーは周り見てたけど、庇って斬られたし、ランは攻撃もらいすぎ」

「だって攻撃届かなかったんだもーん」

「面目ないです……」

「いたかった」

「ごめんなさい……」


 反省はしているみたいだけど、どうしようかな。今日はもっと強いと思うんだよな。

 初めから俺一人、全力で壊滅させても良いんだけど、実戦経験を積ませておきたいしな。頑張ってもらおう。


「まず、お前達。相手を格下として見ていたよね? 障壁とか全然張ってなかったし。ナメてると死ぬよ?」

「うぅ、何も言えないです。ごめんなさい」

「忘れてた」


 ミリアとファラは全力で注意さえしていれば、一切傷を受けないで済むほどの力は持っているはずだ。

 ただ、ランとマリーに関しては、上位盗賊相手は、正直キツイ。


「ミリアとファラは、ランとマリーを守っても傷なんて受けない程度の強さを持っているんだから。もうちょっと周りを見て戦おう」

「はい! がんばります!」

「ん、わかった」


「タカシくん、ラン達はどうすれば良いの?」

「ランは全力で戦え。必ず俺が守ってやるから」

「えへへ。さっすがタカシくん! 惚れちゃいそうだよ!」


「あの、私はどうすれば……?」

「マリーも精霊を使って全力で戦え。俺が守ってやるから」

「は、はい!」


「そんなわけで、さっさと終わらせて、ゆっくりしよう」

「はい! 今度は全力でやります!」

「ん。ゆっくりおやつ食べる」

「ランはまだ本気じゃないからね! やるよー!」

「タカシ様! この戦いが終わったら子どもを作りましょう!」


 ……死亡フラグ立ててんじゃねーよ。


 そんな会話をしていると、森に到着した。意外に速かった。

 森に入ってからは、ファラの偵察は障害物が多すぎてあまり役に立たないが念の為、飛行型を出させて、森の上から見てもらう。

 それとは別に、魔眼などを使い警戒しながら進む。


 道中のモンスター等は、植物系の木や草のタイプや、岩などの見た事がないタイプが多かった。

 ミリアが言うには、魔族の国――魔族領が近いので、そちらから流れてきたタイプなのだそうだ。

 実際に今までのモンスターよりは強かったが、張り切っているランとマリーの精霊に全て任せる。


 モンスターを倒しながら奥に進んでいると、三時間ほど進んだ所でファラが鎧をつついてきた。


「どうした、ファラ?」

「何か、小さな煙が上がってる」

「ん、何か燃えているのか?」

「前、ダンジョンでタカシが木を集めて燃やしたみたいなやつ」


 ダンジョンで木を燃やした――狼煙か!?


「どっちの方角だ!?」

「あっち」

「急ぐぞ。皆付いてこい」


 ファラが指差した方に魔眼を使いながら、全力で走る。

 狼煙だと、まずいな。偵察に出ていた奴が――居た! 前方の木の上に隠れているのだろうが、魔眼で見えている。あいつか。

 ジョブが盗賊だったので、土魔法で岩を飛ばして、叩き落とす。


――ドサッ!


ザザ・ハント Lv.16 盗賊


 こいつが盗賊で、これがただの焚き火ではなく狼煙だとすると、やっぱり偵察と考えるのが自然だよな。


「こいつのせいで俺達の事が既にバレた。先を急ごう」

「は、はい!」


 盗賊を空間魔法で浮かせて運びながら、いつでも戦闘が開始できるようマナポーションを飲んでおく。


「ミリア、アジトに着いたら、昨日俺がやったように火と風の合成魔法で一気に仕留めろ」

「分かりました!」

「ファラとランは昨日と同じく、全力で敵を排除してくれ」

「わかった」

「はーい」

「マリーはファラの後ろで精霊を使って敵をかく乱させてくれ」

「はいです!」


 ミリアとファラには障壁を張らせ、マナポーションを飲ませる。

 マリーには精霊を出してもらい、先行させる。


 走りながらも準備が整ったところで、前方に建物が見えてきた。

 どうやら昨日と同じく、丘を削ってアジトを作っているらしい。


 先行させていた精霊に向かって矢が飛んでいたので、既に待ち構えられていたのだろう。

 精霊を下がらせ、ミリアと目で合図を行い、火柱を作り、建物を順に蹂躙していく。


「よし、ファラ、ラン、マリー、行け!」

「ん!」

「はーい!」

「はいです!」


 三人が駆け出した後、ミリアには右側を任せ、左側から攻める。


 左側の盗賊共を行動不能にして埋めつつ、三人の方もチラチラを確認しおく。

 精霊で先制した後、ファラが風魔法と土魔法で倒したり、ランが精霊の後ろからいきなり襲い掛かったりして倒している。


 ファラも昨日の痛みを覚えているのか、弓を持った奴から優先的に倒しているし、大丈夫そうだ。


 こちらもペースを上げて、盗賊を埋めていく。

 二十人近く埋めたところで、三人の方を見ると、そこら辺の盗賊とは漂ってくる空気の違う、白髪で白髭のじーさんが出てきた。


ヴァン・ヴェルム Lv.18 極賊


 名前やジョブからしてボスだよな。組織名がヴェルムだし。

 続いて強そうなおっさん共が出てきた。


ガイン・ヴェルム L.10 狂賊

ヴィル・ヴェルム L.6 狂賊


 やばい。あれはやばい。ジジイが一番やばいけど、ファラ達三人であいつらの相手はやばい。

 そんなことを考えている間にも、ジジイ共は歳を感じさせないほどの速さでファラ達に突撃する。


 ランがジジイ、ファラがガイン、マリーがヴィルという形で相対して、三人共一瞬で吹き飛ばされる。

 ランは吹き飛ばされながらも、くるりと回転して何とか着地したが、すぐ間合いを詰められザクザク斬られている。首から上を守るので精一杯。

 ファラは障壁のお陰で幾分かマシではあるが、ガンガン殴られて障壁で吸収できなかった分のダメージを受けている。

 マリーに至っては精霊を消されてしまい、防具を順に破壊され、後は肌着を脱がせて裸にされるのを待つだけの状態だ……完全に遊ばれている。


 一瞬でこれは、まずい。


 戦っていた盗賊に蹴りを入れて距離を取った後、マリーで遊んでいるヴィルの後ろに移動し、足をめった刺しにする。


「ぐああああぁぁっ」

「た、タカシ様!」

「く、くそがぁっ、死ね!」


 倒れながらも剣を振り回してきたので、鎧でガードしたが、思ったより攻撃が重く、少しダメージを受けてしまう。

 更にヴィルの後ろに回り込み、今度は両肩をブスブスッと刺す。


「がぁぁぁっ! なん、何だよお前はぁぁぁ!」

「お前に言う必要はない。大人しくしていろ」


 更に何度か刺した後、土の中に埋めておく。

 マリーの手当てをしてあげたいが、そんな時間は無いので、マリーに触れて、そのまま二人でファラの相手をしているガインの真後ろへと移動する。


 ファラは防具がボロボロになり、いくつもの傷を負っていた。


「タ、タカシ……ごめ、なさい……」


 ファラは俺が来たことに気が付いたようで、こちらと目が合った瞬間、安心したのか、謝ってその場に倒れた。

 ガインもファラがこちらを見ていることに気が付いたようで、倒れたファラを放置して、こちらに向かってくる。


「雑魚がぁ、調子に乗るなよ! 死ねやぁ!」


 一瞬で間合いを詰められそうになったので、真後ろに飛び、レイピアで後ろから突いてやる。


「がっ、がはっ! き、貴様ぁっ、ひ、卑怯だ、ぞっ!」

「あぁ? 盗賊相手に卑怯もクソもあるか、死ね」


 ついでに足と手も刺し、武器を奪って埋めておく。


「おい、マリー。ファラを頼むぞ」


 ファラのステータスを見ると、ただ気を失っているだけのようだったので、マリーに介抱を頼み、返事を待たず、すぐにランの方へ移動する。


「がふっ」


 ランは満身創痍の血まみれで、ちょうどジジイに吹き飛ばされたところだった。

 ランもステータスを見る限り、まだ死んではいないようだ。ただ、起き上がらないところを見ると、既に意識はないようだが。


 ヴァンは、すぐにこちらの気配に気が付いたようで、一瞬で間合いを詰めてきた。


「はぁっ! お前が、彼女等の親か! だぁっ! よくも、その程度の実力でっ! ふんっ! 攻めてきたもん、だぁっ!」


 速い速い! 痛い痛い!

 剣を受けるので精一杯だ。

 鎧が次々に剥がれたり、へこんだりして斬られる。このジジイ、どれだけ強いんだよ!


「息子達はやられてしまったようだがっ! どりゃあっ! ふんっ! ワシはぁっ! まだまだ戦……」

「バインド!」


――ビタンッ!


「ぬぁあっ!」

「スリープ!」

「……」


 とても剣術じゃ相手になるようなジジイではなかったので、咄嗟に神口を使って眠らせる。

 相手を眠らせる神口のショートカットを作っておいて良かった。


「はぁはぁ、つえーんだよ、くそがっ!」


 インベントリから布と縄を出し、強めに拘束しておく。

 更に土に埋めておく。


 ランの側まで移動し、回収して、更にファラの所に戻る。

 その場に小屋を作り、中に三人を入れつつ、治癒で回復させる。


「タカシ様、ファラさんとランさんは大丈夫でしょうか!?」

「あぁ、大丈夫だ。命に別状はない。ファラを起こして、皆を回復するように言っておいてくれ。俺はミリアの方へ行く」


 皆には実戦経験を積ませるつもりだったが、やはりまだ早かったのかもしれない。

 本来なら、訓練を重ねて得る力を突然得たので、使い方が分からないのだろう。

 俺のせいだが、仕方がない。こればかりは慣れてもらおう。


 そんな事を考えながら、まだ残っていた盗賊共を始末しながら、ミリアの方へ走りながら移動する。

 ジジイがやられたからだろうか、逃げ腰だ。


「た、タカシさん! こっちは大体片付きました!」

「お、偉いな。さすがミリアだ」

「えへへ、ありがとうございます!」


 ミリアと合流したら、周りに盗賊がゴロゴロ転がっていた。

 三人のように、強い相手が居なかったのもあるだろうが、魔力を調整して死なない程度にしているので、慣れてきたのだろう。

 うん、上出来だ。


 ミリアに周囲を警戒してもらいつつ、ミリアの倒した盗賊を一人ずつ並べて埋めていく。

 全て埋め終わったところで、周りを見ると、建物が燃えている音がするだけで、静かになっていた。


「終わったみたいだな」

「はい! がんばりました!」


 ミリアを撫でつつ、ふと思った。

 建物を全て吹き飛ばしてしまったけど、奴隷なんか居なかったのだろうか。一気に不安になってきたな。

 転がっている奴は全て盗賊だったけど、一応見て回るか。


「ミリアよくやってくれたな。ありがとう」

「いえ! このくらい、へっちゃらです! ふふん!」


 ドヤっているミリアを見るのは久し振りだな。これで自信が付いてくれれば良いが。


「一つ頼みがある。俺は、この組織のボスらしき奴を先に回収しておくから、奴隷が居ないか見てきてくれるか?」

「はい、あぁっ! そうですよね、奴隷になっている方が居たかもしれないんですよね。建物壊しちゃいましたけど……大丈夫かな」


 二手に分かれて、まずはマリー達のところに行く。


「タカシ様! 二人とも目を覚ましました!」

「タカシ、ごめん」

「うぅ、タカシくん、ごめんなさい」

「おう、助かって良かったよ。今な、ミリアに周辺に人が居ないか見てもらっている。お前達も見てきてくれないか」

「わかった」

「そのくらいなら、任せて!」

「畏まりましたです!」


 土の小屋を解体して、四人でミリアの方へ歩いて行きながら、三人にミリアを手伝うように伝える。


「俺は、お前達と戦った奴等を先に回収しておく。あいつらが幹部みたいだからな。その間に確認を済ませておいてくれ」

「ん」

「わかったよー」

「はいです!」


 ヴェルム親子三人をそれぞれ、土の中から出す。

 息子達の方は何ヶ所も刺したので、既に死んでいた。まぁ、幹部だし報酬は大丈夫だろう。

 未だに血が流れていたので、治療を施して止血する。


 そのまま三人を連れて屋敷に戻る。


「にゃああっ!?」

「きゃああっ!」


 ちょうど掃除をしていたようで、突然現れたことに驚かれる。これ、悲鳴を上げられるのでこっちもびっくりするんだよな。

 次からは人の居ない部屋に転移するようにしよう。


「チァカシ様! その方々は!?」

「こいつらは盗賊の幹部だ。明日までウチで拘束しておく。すまないが、何か拘束するもの――あぁ、布団を持ってきてくれないか」

「布団ですね! すぐにお持ちします!」


 マルカが女の子に指示して、布団を持って来させたので、盗賊を一人一人ぐるぐる巻きにして、更に布団の上から縄で縛っておく。


「えぇっと、この人達……死んでない、ですか?」

「あぁ、ファラとマリーを傷物にしやがったから殺した」

「っ……」


 マルカが、ゴクリ、と喉を鳴らしてこちらを見ている。

 引かれてしまったか……?


「ファラ様とマリー様を守ったのですね! 流石タカシ様です! 本当に素敵なご主人様なのですね! 感動しました!」


 何か的外れな解釈をされている気がするが、大丈夫か?

 でも、悪い気はしない。


「マルカも守るからな? 何かあったら必ず俺に言えよ?」

「ひゃい! ありがとうございましゅ!」


 けしからんボインを眺めつつ、くさいセリフを言っておく。

 この好感度、その内マルカのボインも楽しめそうだな。


 盗賊共は、個別にぐるぐる巻きにして、更に三人を繋げておいたので、大丈夫だろう。

 屋敷の地下室に投げ入れ、入口に鍵があったので、ついでにロックしておく。


「よし、ミリア達があっちで待機しているから迎えに行ってくる」

「はい! こちらはおまかしぇください!」


 マルカの頭を撫でてから、ミリア達の下に戻る。

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