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ステータスマイスター  作者: なめこ汁
第一章
71/145

第70話 予定は未定

 朝になり、起きてみるとまだ誰も起きていないようだった。

 周りを確認するとミリアと目が合う。起きてたのか……。


「おはよう、ミリア」

「は、はい。おはようございます」


 続いて左を確認すると、ファラも起きていたようで、こちらを見ていた。


「おはよう、ファラ」

「おはよ」


 三人、そのまま上半身を起こしたところで、マリーが目覚めた。


「ふぁぅ……おはようございますです」

「おう、おはよう」


 四人一緒にベッドから出るのは初めてかもしれない。たまにはこんな目覚めも良いな。


 順番に着替えて、身支度を済ませた者から順に食事の支度に取り掛かることになる。

 準備も四人なのですぐに終わり、朝食も勉強会などがなかった為、すぐに終わる。


 片付けは三人に任せて、昨日貰った報酬を数えることにする。

 袋から取り出して数えると、41金あった。うますぎだろう。


 これなら、盗賊のアジトに乗り込んで、皆殺しでも行えば一攫千金だろうな。

 でも、別に殺人が好きなわけではないので、本当にお金に困った時にでも考えよう。


 それより、今日はクドラングに向けて移動しないとな。


「皆、準備はどんな感じ?」

「いつでも行けますよ」

「いける」

「はい、私もいつでも大丈夫です!」


 片付けも終わって、三人で喋っていたので出発することにした。

 家は残しておいても良かったが、外には昨日の奴等の血痕などが残っていたので、崩して覆い被せる形で証拠隠滅しておく。

 処理後、地面の形が少し変わっていたが、大丈夫そうなのでそのまま移動を開始した。


「それにしても、昨日の奴等、何だったんだろうな」

「はい。人を相手に魔法を使うのは、緊張します……」

「ファラ何もしてない」

「私はこっそり見ていました! 皆さん恰好良かったです!」


 何が目的だったのか知っているが、石は俺が持っているし、マリー以外なら返り討ちにできるだろうから、とりあえず黙っておく。

 石の事も聞かないといけないな。あぁ、それとミリアが協会の人間に狙われる可能性があるから、釘を刺しておこう。


 はぁ……折角、名誉会員になれたというのに、そのせいで命を狙われるかもしれないって……現実は非常だな。


「ミリア、協会に顔を出す時は、必ず俺に声を掛けろよ?」

「え、あ、はい。……でも、何でですか?」

「ミリアが元奴隷と知っている奴が現れたら面倒だから、その時は俺が何とかする。そういう意味で、な」

「そうですね、ありがとうございます!」


 こんなもんか? 後は盗賊共を警戒するよう言っておくかな。


「あと、昨日の奴は大物だったらしいから、報復とかあるかもしれない。まだマリーは戦えないから、もし何かあった時はお前達二人が、マリーを守ってやってくれな?」

「わかった」

「はい、それは当然ですが……タカシさんは?」

「タカシ様……」


 そんな悲しい目で見るなよ。別に放置するわけじゃない。


「そんな状況になったら、俺は速攻で相手を殲滅する為に動くから、後ろは任せたぞって意味だからな? 別にどうでも良いって訳じゃないぞ?」

「はぅ……私のことは、もうどうでも良いのかと思いました。流石タカシ様です!」

「どうでも良いわけないだろう? 俺の大事な性奴隷なんだから」

「……複雑ですが、捨てられないようがんばります!」

「ファラも」


 そこで性奴隷としてファラがノッてくるのか。

 うん、色々と教えてあげよう。よしよし。


「あれ? こういう話になると、ミリアはだんまりだよな」

「もう! わざわざ私に話を振らないでください!」

「思うんだけどさ、お前達三人の中で、多分、ミリアの頭の中が、一番エロい事考えていると思うんだよな」

「な、なな、なんでぇすか! ちがっ! そんなわけ、ななない、あるわけけ、にゃじゃすか!」


 ものすごくテンパってる。少しは自覚あるのか?


「え、だって……俺とファラやマリーが色々楽しんでいるの、ちゃっかり見てるし、触ると既に準備万端だし、それで触ると感じ過ぎて失禁しちゃうし。……な?」

「な? って、全部タカシさんの、せいじゃん……もう……」

「そうか? 俺は、ファラやマリー達みたいに、ミリアとも楽しく気持ちよくなりたいんだけどなぁ……」

「た、たまに、その、し、してるじゃないですか」


 確かご奉仕してくれるようになったけど、もうちょっとこう、楽しみたいんだよ。スポーツとして、くんずほぐれつ!


「まぁ、いいや。ミリア以外にしてもらおう」

「またそうやって、私が悪いみたいに……」


 大きな溜息を吐いて、何か言おうとしていたが諦めたようだ。左右の手で魔法の練習をしながら、トボトボ前を歩きだした。

 慰めてあげようかと思ったが、小さいミリアが更に小さく見えることに興奮、いや、見入ってしまいタイミングを逃した。


 そんなセクハラトークばかりを行っている間に昼も過ぎ、おやつの時間に差し掛かろうとしていたので、休憩にする。


「そろそろプリンとクッキー以外に何か考えないとな。飽きるし」

「タカシ、考えて。タカシの作るお菓子美味しい」

「そうだなぁ。何があるかな……」


 そろそろ暑い時期みたいだし、冷たい物が良いよな。


 そうなると、アイスクリームくらいしか思いつかないな。あぁ、アイスといえば、かき氷も良いな。シロップさえ用意すれば……。

 いや、シロップはどうとでもなるか。問題は機械だよな。あのシャリシャリ感を出す機械を作らねば。


 とりあえず、作れるかどうか鍛冶屋に聞いてみよう。

 昔懐かしの、あの程度の機械なら俺でも作り方を指示できる。

 あ、これって商品化できるんじゃないか!? 今からシーズンだし。よし、今日の夜にでもエストルの武具屋を訪ねてみよう!


 あとは、そうだな……氷と果物を混ぜて簡易アイスクリーム的なデザートとか簡単に作れそうだな。

 果物なら、街に行けばいくらでも売っているだろうし。

 そうなると、攪拌機が欲しいところだな、攪拌……かくはん……って、そうだ。電気がないじゃないか! 無理じゃん!


 あぁ、でもハンドルを付けて自分で回せば良いのか。って、無理無理。あんなに高速に回せるわけがねぇし。

 空間魔術と風刃でどうにか……難しいだろうな。生成した刃が、容器自体も切り裂いてしまいそうだ。


 神口だったら何とかなるか?

 氷を粉々にして……かき氷なら何とかなりそうだが、アイスクリームとかスムージーなんかは混ざらないと無理だな。


 あぁ、難しい。

 夜の寝る前にでも実験してみよう。

 失敗してもファラが食べてくれるだろうし。


「今日の夜にでも考えてみるよ」

「わかった。ファラも手伝う」

「そうか。ありがとうな」

「わ、私も! お手伝いさせてくださいです!」


 ファラが食い付いてくるのは予想していたことだけど、まさかマリーまで釣れるとは。


「よし、皆で何か考えるか。あ、今日はその事でちょっとエストルに行きたいから、クドラングに着いたらエストルな」

「わかった」

「承知しました!」

「ミリア、久し振りにミーアさんにも会いに行こうか」

「……はい!」


 さっきの一見で少し落ち込んでいたミリアだが、ミーアの名前を出したら元気になった。

 何度かエストルには行ったけど、結局会えてないしな。たまには良いだろう。


 今日の予定も決まったことで、おやつタイムも終わり、片付けてから再度クドラングに向けて出発する。


「そういえば、アバンさんが俺達に会いに来るかもしれないみたいな事言ってたけど、行き違いになってなければ良いな」

「そんな事言ってましたね。大丈夫でしょうか?」

「まぁ、あんなことがあったのに、またすぐ旅に出るって言いだすほどバカじゃないだろう。あの狸も」

「またそんなひどい事を……」


 かなり落ち込んでいたしな。

 それに、俺達も街に留まっていたわけではないし、あれからそんなに日にちが経過したわけでもない、大丈夫だろう。


 ランの事は良いして、獣人の国かぁ。

 獣耳、尻尾。ふさふさ。モフモフ……。


 街に着いて賢者を発動した時に、前屈みにならなくて良いよう、色々と準備しておく必要があるな。

 あぁ、夢が広がる。楽しみだな。


 そうだ。カッシュの嫁さん候補を探すのもアリだ。エストルに行った時は、カッシュの女性の好みを聞くことにしよう。

 やっぱり人族が良いのかな。正義感の強い奴だから、なんかこう、清楚な感じの女性とか好きそうだな。

 でも、こいつらが居ると恥ずかしくて喋らないかもしれないから、こいつらはミーアさんのところに置いてから行こう。


 協会の奴等に気を付ける必要があるけど、エストルはオスルムから南に数日のところだ。まだ大丈夫だろう。

 しばらくは、北方面に近付かないようにしないといけないな。


 獣人の国の後は、エルフの国に行くのも良いだろう。

 マリーの住んでいたところに行って、弟探しの手伝いをするって約束もしたし。

 よし、次は東だな!


 ふふふ、一気に予定が増えたぞ……これから楽しくなりそうだ!


 そんな想像、妄想を繰り広げているとファラから声がかかる。


「タカシ、前に街がある」

「おお!? モフモフか!」

「うん? 違う。クドラング」


 そう。モフモフでありモフモフではない。


「あぁ、すまん。それで、後どのくらいだ?」

「もうすぐ。ほら、見えてきた」

「おぉ、あれがクドラングか。広いな。てっきり獣人だから、国は森の中にあるのかと思ってたぞ」

「どんな偏見ですか。周囲は森ですが、ちゃんとした平地ですよ」


 ミリアに突っ込まれる。

 仕方ないじゃないか。俺の知っている獣人の国のイメージでは、山の中だったり、森の中だったり、そういう人があまり行かないところにあるんだからさ。


「それじゃあとりあえず、中に入るのは明日にして、外壁の外からエストルに向かうぞ」

「分かりました」

「わかった」

「はい!」


 今回はモンスターに遭遇することもなく、クドラングに到着。

 毎回これであれば良いんだがな……。


 そして、中には入らず三人を抱きしめてエストルに飛んだ。

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