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ステータスマイスター  作者: なめこ汁
第一章
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第69話 賞金稼ぎ

 エストルの森の方へ移動し、神脚で小屋まで戻る。


「ただいま」

「あ、タカシさん、おかえりなさい」

「おかえり」

「にゃん!」


 既に夕飯の準備は出来ており、三人椅子に座って話をしていたようだ。どんな話をしていたのか気になるが、たまには良いだろう。

 そのまま開いている席に座り、いただきますをして、夕飯を食べながら、盗賊共をカッシュに預けてきた旨報告する。


「それで、後から行かないといけないんだ」

「そうですね。懸賞金が掛かっていたのなら、報酬が貰えますし、私達を襲おうとした理由も知りたいですし……」

「そういえばミリア。先日倒した精霊モドキから出たアイテム持ってたよな。あれ売るかもしれないし、もらっていいか?」

「え? あぁ、ごめんなさい。持ったままでした。はいどうぞ」


 いきなり話を変えたので、一瞬キョトンとした表情になった。アイテム自体の事を本気で忘れていたようだ。

 ミリアから赤い玉を貰い受ける。……これが召喚石なのか?


「ありがと。それで、盗賊ってどこに行けば、そいつの名前とか懸賞額とか分かるんだ?」

「街には領主の雇っている治安を守る部隊や、自警団などがあって、そこに貼り出されていますよ」

「そうなのか。そういう所に行かないから知らなかったな」

「討伐者の人なんかは、その掲示板と、ギルドの掲示板を毎日チェックしているそうです」


 討伐者……? 聞かない名前だな。


「盗賊を狩ってお金を稼ぐ人達なら、賞金稼ぎとか、バウンティーハンターとかじゃないのか?」

「そうですね。一般的には賞金稼ぎとか言われていますけど、犯罪者だけを狩っているわけじゃなくて、珍しいモンスターなども狩るので、討伐者ってジョブです」

「その上位は?」

「何でしょう? 聞いたことがないです……すみません」


 賞金稼ぎかと思ったんだが、討伐者なのか。面白いな。


JOB:M魔術士Lv.28 SアンノウンLv.34 僧侶Lv.30 冒険者Lv.9 剣士Lv.8 聖職者Lv.1 討伐者Lv.1 村人Lv.1 闘士Lv.1 戦士Lv.1 射士Lv.1 神官Lv.1


 盗賊を倒して、詰所に連れて行ったのでまさかと思い確認したら、案の定ジョブを習得していた。

 スキルはサーチというものらしい。名前からして魅力を感じないスキルだな。神口があるし。

 もう神口の便利さに慣れてしまったら、他のジョブはいらない気がしてきたな。


 討伐者のスキルや性能などに関して考え事をしている間に、皆食事を終えたようだった。


「タカシさん、また考え事ですね? 今度は何の実験ですか?」

「え、あぁ、すまない。討伐者について考えてた。もう自己解決したから大丈夫だよ。さーて、それじゃあ行くか!」

「もう……」

「ん」

「にゃん!」


 後片付けをして、エストルへ向かう。風呂は帰ってきてからだ。

 森の方から歩いて来た風を装い、門番に盗賊の件で来たとカッシュに伝言を頼み、しばらく待った後、建物の中に案内してもらう。


「お? きたか。思っていたより早かったな。あいつらはまだ、地下で色々と尋ねているところだ」

「尋ねるって? その、拷問とかですか……?」

「ん、まぁ、そうなるな」

「それで、何か分かりました?」


 やっぱり拷問などになるのか。まぁ、犯罪者だしな。この世界に人権団体なんてありそうにないし。そんなもんか。


「うむ。名前から、属している組織は分かった。それで、結構大物なんだが……お前達、どうやって返り討ちにしたのだ?」

「えっと、後をつけられていたのは分かっていたので、不意打ちをしただけですよ?」

「お前達が、か……? それと、お前達はオスルムから移動中に襲われたのであろう? どうやってここまで来たのだ?」

「エストルに近いところで襲われたんですよ。だから、ちょうど台車があったので、それに乗せて運んできました」

「あぁ、先日お前達が棺を乗せて引いていた荷車か。なるほどな」


 台車はランにあげたから、もう無い。

 咄嗟に嘘吐いてしまったけど、まぁいいか。


 それにしても納得してくれるもんなんだな。

 あいつらから話を聞いたら、嘘だってバレるかもしれないけど、俺達の方を信じてくれることを祈ろう。


「それで、組織って?」

「あぁ、ヴェルムという組織だ。金になることなら、何でもする盗賊団だな。中には今回のように魔術士も居るから面倒なのだ」

「なるほど」


 全く知らないが相槌をうっておく。ミリアも首を傾げているし、知らないようだ。盗賊関係には詳しくないのだろう。


「まさかお前達がそんな輩に狙われるとはな。他に仲間などは居なかったのか? 居たのなら厄介だぞ?」

「いえ、仲間は居なかったです。あいつらだけでした」

「そうか……だが、安心するなよ。もしかしたら、今回の一件で今後もまた狙われるかもしれん」

「それは面倒ですね……まぁ、でも大丈夫です。今から向かうのは西の方なので」


 西側に居ないとは限らないが、行先は別にオスルムに居る奴等には知られていないはずだし、しばらくは大丈夫だろう。


「大物って話でしたけど、懸賞金とかあるんですか?」

「そうだな。手配されていたから、出るぞ。今用意させているから、少し待ってろ」

「はい」


 待てということなので、壁に並んでいた椅子に腰を掛ける。

 すると、ファラが上に座ってきたので、ミリアとマリーにも座るよう指示しておく。


「その、何というか、お前達はあんな奴等に襲われたのに、平然としているのだな。それに、奴隷とは思えん接し方だ……」

「タカシは強い」

「にゃん! にゃんにゃん! にゃん!」

「ふふっ……」


 マリーをにゃんにゃんにしておいて良かった……。

 ミリアはカッシュとマリーの温度差にツボったのか、笑いを堪えきれなかったようだ。


「そういえば、その子は初めて見るな。言葉を喋れんのか……?」

「えぇ。少し、その、理由がありまして……」

「そ、そうか……すまん」


 何か不幸があったような態度で俯き加減に答えると、勝手に想像してくれたらしい。

 良かったな、マリー。頭のおかしな子だと思われなくて。


「そうしているのを見ると、お前達は親子みたいだな」

「そうでしょう、そうでしょう。可愛いでしょう?」

「あ、う、あぁ。正直、俺も子どもが欲しくなってきた」

「結婚とかされていないんですか?」

「そんな時間などない。俺には街を守るという仕事があるからな」


 仕事……この人、本当にすごいな。俺には絶対に出来ないことだから、素直に尊敬できる。

 正義感の強い男が好きな美人さんでも見つけたら、カッシュを紹介してあげよう。


 そんなカッシュの嫁候補を妄想していると、若くて明らかに下っ端のような騎士風の男が部屋に入ってきた。


「カッシュさん、お待たせしました!」

「おう、戻ったか。それを、そいつに渡してやってくれ」

「どうぞ!」


 下っ端から布袋を貰い、中身を確認する。


キラキラ


 金貨! めっちゃ金貨入ってる!

 見るだけで40枚以上はあるじゃないか!?


「え、こんなに!?」

「あぁ、メキという奴は幹部でな。ナンバー2の側近だ。あとの奴等はメキの部下共だな」

「これモンスター狩るより稼ぎ良いですね!」

「おい、だからといって賞金稼ぎみたいな危険な事はするなよ? お前にも、その子達という守る者達が居るのだろう?」

「分かってますよ。ご心配どうもです」

「なら、良い」


 それにしてもやばいな。討伐者の方が冒険者より儲かりそうだ。

 カッシュには心配されたけど、魔術士のレベルを上げたら、次は剣士、戦士以外に討伐者も候補入りだな。


「もし、また襲われた時なんですが、殺してしまっても良いんですか? 連れてくるのに生死不問だとか、ルールってあります?」

「懸賞額の小さい者共は、死亡させてしまうと感謝はされど賞金は出ないが、今回のメキのように重要人物であれば、殺して連れてきても問題はない。逃げられると、また被害が増えるからな」

「分かりました。じゃあ、次からは基本、殺しますね」

「おい! お前は馬鹿か!? さっき注意したことが分かってないのか!? 首を突っ込むな、と言っているのだ!」

「分かってますよ。もし次盗賊に襲われたら、殺ろしても良いという免罪符が欲しかっただけですから」

「そ、そうか。なら、良い」


 言い方が悪かったな。俺も別に殺人が好きなわけではない。

 ただ、さっき戦った時、ミリアが加減を分からなかったので、もし殺してしまった時はどうしようかと思ってのことだ。


「それじゃあ、もう日も落ちてしまったことだし、俺達は帰っても大丈夫ですか?」

「あぁ、そうだな。後は俺達の仕事だ。くれぐれもさっき言ったことは忘れるなよ?」

「分かりました。それでは、また近い内に会いに来ますね」

「おう。がんばれよ」


 カッシュ達に別れを告げて、建物を出る。

 ミーアに会いに行こうかとも考えたが、時間も遅いし門を出てすぐ、家に戻ることにした。


「ふぅ。ただいまっと。さぁ、風呂に入って、練習して寝ようか」

「はい」

「ん」

「にゃん!」


 風呂では何故かマリーが積極的に体を洗ってくれた。盗賊共を捕まえたので、俺の評価が上がったのだろうか?

 折角なのでお返しに、こちらからも隅々まで洗ってあげたので、少し長風呂になってしまった。


「さっぱりしたな」

「さっぱり」

「のぼせました……」

「にゃん……」


 ミリアはまだ上下を隠しながら入浴してくるが、少しは風呂に入ることへの抵抗が薄れてきているようで嬉しい。

 水分補給をしたり、涼んだりし終えたので、魔法の練習を開始。


「魔法の練習始めー」


 ミリアは今日の一件がトラウマにならないように、各系統の強と弱のイメージを練習させる。

 ファラは召喚したモノとの間隔を共有させる練習。

 マリーは火魔法の練習をさせる。


 神口の練習は、ファラの召喚獣とマリーの精霊を実験体にして、相手を拘束する言葉を模索。


「足が動かなくなる」


 足の無いモンスターなどには効かないだろう。


「倒れろ」


 浮いている精霊モドキには効いたが、効果が短かった。


「地面に張り付け」


 こんなもんか。地面に張り付く効果をバインドと名付けよう。

 あぁ、神口で思い出した。そろそろマリーのにゃんにゃんを解除しておいてやるか……。


 全員の魔法の練習が終わったところで、寝る為にベッドへ入る。

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