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ステータスマイスター  作者: なめこ汁
第一章
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第29話 ブラウン&オレンジ

 目を覚ましたミリアは、まだ寝惚けているのか、ひどい言葉を口走っている。


「うぅん……こうかいせっ……」

「お、ミリアおはよう。いやらしい夢を見ていたみたいだね」

「あぁ、おはようございま……じゃないです! タカシさんのせいで、こんなになったんですからね!」


 完全に目を覚ましたようだ。ガバっと起き上がって、腕をぶんぶん振りながら、私怒っていますアピールをしている。


「それじゃあ残りのユニークを狩りに行こうか」

「もう! まだ話は終わってません! 何でいつもそうなんですか!」

「ミリアがムッツリなのは分かったから、もう夕方も近いし、早く次に行こう? 俺、夕方から用事があるんだよ」

「もおおおおおおおおおお!」


 俺が立ち上がり歩き出すと、ミリアが今から倒す牛のモノマネだろうか。もおもお言っている。面白くないので放置しておこう。


「次は何処に行けばいい?」

「勝手にしてください! もう知らないです!」

「あーあ、早く終わらせて、ミリアに新しい魔法を教えてあげようと思ってたのになぁ。残念だ」

「……あたらしい……まほう……?」


 プンプンしながら腕を組んで背を向けていたミリアだったが、気になるのかチラチラとこちらを見ている。


「いや、もういいよ。俺一人でやってくるから。ミリアは先に宿に戻っておいて。それじゃ」


 そう言って再度歩き出す。


「まほう……教えてくれるんですか……?」


 食い付いてきた。チョロい。


「俺はミリアを魔法が使えるようにしたし、魔力のコントロールも教えた。ある意味師匠だと思って、これからも教えていこうと思ってたんだけど、ミリアは俺と一緒に居たくないようだし、もう解消。無し無し」

「タカシさんは私の師匠です! でも、だって、変なこと、ばかり言うから……うぅ」


 あ、泣きそうだ。


「それはミリアがかわいいから、イジっているだけ。ごめんよ」

「イジメないでくださいよぉ……」

「この話は、魔法の件も含め、時間も掛かる。今夜にしよう」

「……くすん……分かりました」


 納得はしてくれていないようだが、怒りは収まったようだ。

 ミリアが落ち着くまで少しだけ待ち、再度場所を聞いてみる。


「それで、何処に行けばいい? さっきも言ったように、もうちょっとしたら用事があるからさ」

「……用事って? あ、いや、何でもないです。えっと、あっちの平野の方にシープとオックスが居ます」


 ミリアが指している方向を見ると、確かにその平野で動いている何かが居る。恐らくあれのことだろう。


「じゃあ、さっさと行って、さくっと終わらせよう」

「作戦とかどうしますか?」

「さっきの戦闘で思ったけど、この程度のモンスターだったらミリアさえ気を付けていれば、適当で良いと思う。だからミリアは、身を守りながら、近いモンスターを倒していく感じでよろしく。後は俺がやるから」

「わかりました」


 平野の方では牛が大量に川辺に移動していた。どうやらちょうど水を飲みにきているらしい。

 その中に一匹だけデカい牛が居るので、それが群れのボス、いわゆるユニークなのだろう。


 更にオックスの奥の平原の方では草を食べている羊が居て、どれもクリームの様な、ちょっと濁った毛並だが、一匹だけ真っ白な毛並の奴が居る。こちらはそれがユニークだろう。


「それにしても、こうやって見ると、単に放牧しているようにしか見えないね」

「あの子達のお肉を食べるので、確かに放牧と言えないこともないですが、モンスターに変わりありません。増えると村などを襲い始めるので、討伐は必要です」

「でも皆殺しにしたら、街でオックス料理食べられなくなるよね?」

「オックスとシープは臆病な性格なので、攻撃したら逃げます。だからユニークと数匹だけ狩れば良いと思います」


 なるほど。それなら依頼分もユニークも狩れる。皆殺しせずに済むということか。


「じゃあ、この位置だとシープに逃げられるからマズイな。あっちに行こう」

「はい」

「今度は大声出さないでね? あの時のお仕置きもまだしてないし」

「もう! あの時は、その、ごめんなさい。あと、お仕置きは許してください」


 お仕置きを許す? そんなわけないじゃん。楽しみにしているのに、無しにするとかあり得ない。

 そんな会話をしながら、牛と羊両方を狙える位置に移動する。


「それじゃあ、いくよ? 準備は良い?」

「いつでも大丈夫です!」

「よし、ゴー!」


 どちらも仕留められるよう、牛と羊の間に向かって二人一緒に走り出すが、同時に向こうもこちらの敵意がある行動に勘付いたようで、あたふた走り出す。


 ひとまず先に、指先で尖った石を生成して射出。ユニーク牛とユニーク羊の頭を狙い、それぞれ一撃で仕留める。

 次に、近くに居る奴から順に、ユニークと同じように石を射出して仕留める。


 ミリアは俺のやっていることに驚いたのか、真似しようと土魔法で石を出しているが、ボトボトと魔法で作った石が地面に落ちている。

 やはり、ミリアにはまだ空間魔術と合成魔術が使えないらしい。


 何度か試した後、俺のマネは諦めたのか、いつも通り炎で燃やして倒している。

 それにしても大丈夫か、あれ? 肉とか上手に焼けました状態だけど、ちゃんと回収できるんだろうな。


 全体の四分の三程度倒したところで、射程内には牛も羊も居なくなっていた。


「ふう。これだけ倒せば大丈夫かな?」

「問題ないと思います。それより、さっきの魔法、どうやってるんですか!? 私にはできませんでした!」

「内緒。ミリアが良い子にしてたら、教えてあげるよ」

「えぇー……」


 まだだ。まだ教えるには早い。何か俺の欲を満たす行為をしてくれるまで、そう簡単に教えるわけにはいかない。ふふふ。

 倒したモンスターを回収し、話を切り替える。


「それじゃあ、さっきのところまで戻って少し休んだ後、街に戻ろうか」

「……はい……」


 ミリアは魔法を教えてくれなかったことに納得できないのか、さっきの件もあり少しイジけている。だが、まぁ仕方ないことだ。

 慰め程度に頭を撫でてあげ、ひとまず川辺まで着いたので少し休憩することにした。


 ここから街までは戻るだけでなので、モンスターが出る心配もないだろう。だから普段着に着替えて……いや、もう街から出ないだろうし風呂にでも入ろうかな。

 川辺に土魔法で四角の小屋を作る。そして外から中が見えないように加工した後、その中に釜などを出して風呂の準備をする。


「えっと、まさかとは思うんですが、また……お風呂ですか?」

「そうだよ? もうユニークも狩り終わったし、後は街に帰って用事を済ませたら寝るだけだからね」

「確かにそうですけど、お風呂はちょっと……」


 恥ずかしいです……とミリアが言っているが、無視だ無視。

 そういえばお仕置きがまだだったな。一緒に風呂に入るのがお仕置きだと、これから先お仕置きの時しか一緒に入ってくれなくなるだろうし、それは無しだ。


「ミリアのお仕置きがまだだったね。まず、昨日今日の戦いで俺とミリアの装備が汚れたから、その整備と洗濯をしてもらおうかな」

「お仕置き忘れてなかったんですね……それは慣れているので、元からやるつもりでしたし、大丈夫です」


 おおう、元から洗濯するつもりだったのか。もう俺の嫁だな。


「次に、今日は風呂を一人で沸かしてもらう」

「それも魔法の練習が出来るので、やります」


 それもそうか。確かに魔法の練習になるしな。魔法を使うとレベルが上がるというのも分かったし、当然の結果だろう。

 そうなるとお仕置きになりそうなことがないな……。


「あと、今日一日、俺が言うことには必ずハイと答えること」

「何ですかそれ? お仕置きなんですか?」

「そうだよ。それより、返事は?」

「はい」


 準備はこんなもので良いだろう。

 ミリアはお風呂を沸かせる為、既に釜に水魔法で水を溜め始めているし、そろそろ言っておくか。


「沸いたら、当然一緒に入るよね?」

「えっ!?」

「これから先ずっと、お風呂は必ず一緒に入るよね?」

「えぇっ!?」

「あれ? 返事は?」

「えぇぇ!? あぁ……はい……。これが狙いだったんですね……」


 そうやっている内に風呂が沸いたので、ミリアと一緒に入る。

 物凄く恥ずかしがっており、何度かショートしそうだった。


 抱き寄せて体を洗ってあげている間、失神を我慢してプルプル震えていたが、股の間を洗ってあげようと手を伸ばしたら「ふあぁ……」と声を出して逝……ショートしてしまった。

 でも、これから毎日こんな状態では俺の一部が困るので、全身洗ってあげたあと、ペチペチと頬に刺激を与えて起こす。


「ミーリーアー! まだ風呂の途中だよ。おーきーてー!」

「……はぁはぁ……うぅ……あ、あれ……?」

「気が付いた? もう体洗い終わったよ。そろそろ上がろうか」

「え……あぁ、はい……ふぅ……」


 釜から出て、ミリアに「おいで」と声を掛け、呼び寄せてから体を丁寧に拭いてあげる。

 まだ意識が覚醒していないのか、なすがままだ。


 体を拭いている間、俺の下半身をチラチラ見ていたが、そこは言及しないでおこう。このムッツリさんめ。


 体を拭き、着替えも終わったので、釜などを片付けてから小屋を元の土に戻す。

 日差しはそんなにきつくない。これなら湯冷めもしないだろう。


「手を繋いで帰ろう」

「……はい」


 さっぱりしたので、風に当たりながら火照りを冷ましつつ、手を繋いで仲良く街へと帰る。

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