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ステータスマイスター  作者: なめこ汁
第一章
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第20話 新ジョブ習得

 森の入口には、ミリアのお尻を揉んでいる時に見つけたちょっとした丘がある。

 街を挟んで、丘の反対側に回り、街から見えない位置に移動する。そして、釜を出す。


「釜!?」

「今からやってみせるから、ちゃんと見ててね? ミリアを信頼してるから、大丈夫だと思うけど、これは絶対に秘密だからね?」


 インベントリから魔石を取り出し、握り締める。そして漫画で見たような、腕から魔石に力が流れるイメージをする。

 ダメか。イメージが違うのか?


 目を瞑り、手から魔石に電気が流れるイメージをする。

 これもダメか。


 今度は、血液が指先から魔石へ、魔石から掌へ流れるようなイメージをする。


――パァァン!


「なっ!? なな!?」


 ミリアは驚いているが、まだ作業は始まってもいない。

 魔力の使い方は血流をイメージすれば何とかなりそうだ。後はジョブを得ているかどうかだな。


JOB:M冒険者Lv.9 SアンノウンLv.7 村人Lv.1 魔術士Lv.1


 よし、ちゃんと習得している。予想通りだ。これでこの後の予定を組むことができる。

 そして魔術士をメインにする。


JOB:M魔術士Lv.1 SアンノウンLv.7 村人Lv.1 冒険者Lv.9

SKL:体力上昇小 魔力上昇小 初級魔術 神手


 まずは試しに魔法を使ってみよう。これがこの作業のメインだ。


 水をイメージする。掌から水が出るイメージ。水が釜に入るイメージ。水の量は釜の半分ほどになるイメージ。


――バシャアアアアアア!


 よし、いける。


 次に、炎をイメージする。両手から炎が出るイメージ。炎が釜の下半分を覆うイメージ。炎は持続して釜を熱するイメージ。


――ゴオオオオオオオオ!


「な、なな、何でぇ! で、で、マホー!」

「え? さっき、魔石に魔力を込めて壊したの見てなかったの?」

「見っ! ちが! じゃなくて! 違う! そうじゃなくて!?」

「落ち着いて、ね? まずは深呼吸しよう?」


 釜を熱していた火魔術を解除して、テンパっているミリアを勢い良く抱き寄せる。


「ちょ! だきっ! ちがっ! まほ! まほー! まほうっ!」


 ダメだ。一瞬で魔法が使えるようになった俺を見たからか、ショートすら出来ず、かつてないほどテンパってジタバタしてる。

 頭からプスプス煙を出てきそうな勢いだ。


「ミリア、ひとまず口を閉じて落ち着こう。ね? じゃないとまたキスするよ?」

「んーっ!」


 テンパっていても、言う事は聞くのね。でも、口を閉じてもまだ何か言おうとしてる。余程キスが嫌なのだろうか。傷付くわぁ。


「ミリア! 俺は、魔法が、使えるように、なった。オーケー?」

「ん、ん!」


 ミリアの頬を両手で覆い、目を見て話し掛ける。


「今まで出来なかったことが、今できるようになった、それだけ。ね? 簡単な話だよね?」

「ぷあっ! でも! 訓練してる素振りすら無かったじゃないですか! それなのにとつぜむぅっ!」


 うるさいので口を封じた。


 少しジタバタしていたけど、しばらくすると力を抜いて、俺から離れる。


「ぷはっ! はぁ! ま、また! またキスした!」

「だって、ミリアがいつまで経っても落ち着かないからさ。じゃないとキスするって言ったでしょ?」

「でも! もう……分かりました。静かにします……」

「よしよし」


 やっと落ち着いたので、頭をナデてあげる。


「どうして、いきなり魔法が使えるようになったんですか?」

「俺はね、大体のことができちゃうんだ。それで、ミリアからジョブに就く為の条件を聞いた時、あぁ、これなら俺にもできるなって思ってやってみたら、本当にできた」

「何ですかそれ……私は何年もがんばったのに……」

「そういう人も居るんだよ」


 泣きそうになり、下を向いて落ち込んでしまったので、頭を更にナデナデしてあげる。


「それより、これがさっきミリアに言った、やってもらう特訓」

「え……魔術士になりたての私に、そんな事出来るわけ……あ、いやタカシさんは出来たのか」

「そう。俺に出来るんだから、魔族であるミリアには簡単だよ」

「わ、わかりました。やってみます!」


 そう言ってミリアは両手を前に出し、何やらブツブツ言っている。


「万物の根源たる偉大なる炎よ、彼の者を燃やし給え! ファイアー!」


――ボボボボボボ!


「やった! やりました! 私にもできました!」

「さすが俺の嫁だ!」


 かなり小さい炎だけど、確かに魔法だ。


 それにしても魔法って詠唱が必要なの? 何かゴスロリ着たミリアが詠唱してると、アニメキャラを必死に演じているみたいでかわいいな。

 眼帯付けて、腕に包帯なんて巻いたりしちゃったら、完璧に中二的なあっち系の人にしか見えないけど。あ、テディベアとか持たせたい。

 そんな事をニヤニヤしながら考えていたら、ミリアに怒られた。


「嫁じゃないです!」

「うん、それじゃ後は任せても大丈夫そうだね」


 ミリアが魔法の詠唱を止め、信じられない物を見るような目で、こちらに向き直ってくる。


「えぇ!? 私一人に仕事をさせて、何処かに行くんですか!?」

「ミリアには特訓を兼ねて、お風呂沸かしてもらう。だから、俺は特訓でもして少し汗を流してこようかと思ってさ」

「特訓……ですか。分かりました! そういうことでしたら、がんばります!」

「うん、任せたよー」


 ミリアの炎はかなり小さい。あれじゃ何時間も掛かりそうだ。でも、一通りのジョブを習得したいし、ひとまず任せてみよう。


「それじゃ行ってくるね」

「はい! いってらっしゃい! ここはお任せください!」


 ここはお任せくださいって、それはフラグだよな。

 落ち込むであろうミリアをどうやって慰めようか考えながら、俺は武器を変えて、森へと入っていく。


 ひとまずは一通り全ての武器でとりあえず戦闘を行ってみよう。

 ダガーは今までジョブが付かなかったので後回しにして、習得が分かり易いナックルからかな。


 野兎を倒してからジョブ確認を行ったが、ジョブは習得していなかった。

 何度かやってみようと、同じ事を5回程行うとジョブを習得した。

 どうやら、5回戦闘を行う必要があるようだな。


 他の武器でも同じ事を繰り返す。

 ミリアの言っていた闘士、戦士、剣士、射士が習得できた。


 神官だけは加護を受けていないからダメなのか、杖系を装備して戦闘を行っても習得できなかった。

 これだけで10分も掛かっていないから、もうちょっと杖系の装備で戦ってみるか。


 そう思い、ワンド、ステッキ、メイスの順で更に5回程戦闘を行うと、メイス10回目で神官と僧侶を一気に習得できた。

 どうせなら、他の武器も10回ずつやっておこう。


 ちょうど30分程度狩りを行ったな。もしもの時に回復できるよう、暫くは僧侶でやっていこう。

 あと、習得したジョブの基本ステータスも確認しておこう。


闘士:STR:3 VIT:2 INT:1 DEX:3 CHA:1

戦士:STR:2 VIT:3 INT:1 DEX:2 CHA:2

剣士:STR:3 VIT:2 INT:1 DEX:2 CHA:2

射士:STR:2 VIT:2 INT:2 DEX:3 CHA:1

神官:STR:1 VIT:1 INT:2 DEX:1 CHA:2

僧侶:STR:1 VIT:2 INT:4 DEX:1 CHA:2


 どれも基本値がそこまで高くないようだ。所詮下位職だな。

 レベルも上がったことだし、そろそろ怪しまれないよう魔術士に変更して、ミリアのところに戻ることにしよう。


▼タカシ・ワタナベ Lv.4 魔術士 Rank.D

HP:168(168+0)

MP:323(273+50)


ATK:99(84+15)

MAG:211(189+22)

DEF:137(84+53)

AGI:84(84+0)


STR:4 VIT:4 INT:9 DEX:4 CHA:7 (8)

JOB:M魔術士Lv.4 SアンノウンLv.7 村人Lv.1 冒険者Lv.9 闘士Lv.1 戦士Lv.1 剣士Lv.1 射士Lv.1 神官Lv.1 僧侶Lv.1

SKL:魔力上昇小 初級魔術 神手

EQP:アイアンメイス+2 アイアンシールド+1 ハーフプレート レザーガントレット+1 レザーブーツ+1


 あ、でも風呂と言っても釜だから、中敷きを作らないと熱くてやけどしちゃうな。

 そう思い、武具屋に貰ったハンドアクスとバスタードソードで、倒れている木をちょうど良い大きさの板状に加工する。


 後、釜に入る為に階段も必要だな。そこらの丸太を三段階くらいの長さに切って並べればちょうど良さそうだな。

 そうやって加工した木と、大きな葉っぱを何枚かインベントリに入れて、ミリアのところに戻る。

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