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ステータスマイスター  作者: なめこ汁
第一章
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第19話 プラス武器

「それでは、武器でしたね。売れ残りで申し訳ないのですが、倉庫までお越しいただいてよろしいですか?」

「十分です!」


 そして残った俺たちは、武具屋の倉庫へと向かうことになった。


「タカシさん、どうやってあんな事を思いついたんですか?」

「雨っていうヒントを貰ったでしょ? それを基に、こんなアイテムがあったらなぁって考えただけだよ」

「私には無理そうです……」


 そんな会話をしつつ、武具屋の店主に付いていくと、倉庫にはすぐに辿り着いた。


「ここにある物は、どれも売れ残りで処分を考えているものばかりです。好きなだけお持ち帰りください」


 そう言われたので、ミリアと二人色々と物色し始める。

 実際に装備したり外したりを繰り返していると、中にはシルバーソード+4など、何故売れ残っているのか分からない物がある。


「装備というものは、出来が良いとか、攻撃力が高いとか、どうやって見分けるんですか?」

「刃の輝きなどですかね。例えば、そこのシルバーソード等が良い例です。シルバーを使った素材は、輝きが大事なんです。しかし、そのソードは何度磨いても輝きません。だから売れ残ってしまったのです」

「+4というのは?」

「プラスヨン? 聞いたことの無い名前ですね。シルバーを使った武器の名前ですか?」


 もしかして、+4というのは、見えていないのか? 呼び名が違うのか?

 これも人の名前と同じく、他の人には見えない情報なのかもしれない。帰ったらミリアに聞いてみよう。


「あー、いえ。俺も名前しか知らないんです。ただ、武具屋さんなら知ってるかなと思いまして。特に探しているわけでもないので気にしないでください」

「はぁ、そうですか。お力になれず、すみません」


  謝られたら俺の方が申し訳なくなる。でもまぁ、見えていないのならばプラス付き装備を優先して貰っていくけどね!


「それでは、これらをいただいてもよろしいですか?」


 選んだ武具たち数本を店主の前に持っていく。


「これだけでよろしいですか?」

「はい。色々な武器を使って、自分に合う戦闘スタイルを編み出すための物なので」

「そうですか。では、珍しい武具などを見つけましたら、ご報告させていただきますね」

「ありがとうございます」


 頂戴した武器を1つ1つインベントリに入れていく。


「あ、そうだった。忘れてました。武具屋さんでは魔石とか置いてないですか?」

「魔石ですか。何点かストックはございますよ」

「1つだけで良いので売っていただけませんか?」

「そんな! 魔石くらいでしたら、いくらでもお譲りしますよ!」


 魔石もタダでもらえることになった。これは嬉しい。

 それもそうだよな。貰った武器の方が遥かに高いもんな。


「色々とありがとうございます。また近い内に顔を出します!」

「おお、是非! その時をお待ちしております!」


 挨拶も終わり武具屋を出て、今日の目的である釜を手に入れる為、鍛冶屋に向かう。

 といっても隣だが。


「お? 来なすったな。これが言ってた釜じゃ! デカイじゃろ?」


 デカイ。何百キログラムあるんだ!? 持てねぇよ。

 でも、人は何人か入れそうだな。


「大きいですね。これ、鍛冶屋さんが作ったんですか?」

「そうじゃ。ギルドに依頼を受けた時に作った、試作品じゃ。どうせあとは鋳潰すだけじゃし、持ってってくれ」


 なるほど。試作品なら貰っても大丈夫そうだな。


「ありがとうございます!」


 釜に触れ、インベントリに入れ! と念じると、入るかどうか心配だったが、手に吸い込まれるように消えていった。

 便利な機能だよなぁ。まだまだ空きがある。この機能についても、どんな仕様なのか今度ミリアに聞いてみよう。


「何か加工したりする時は、声を掛けてくれ。特別割引で対応するぞい!」

「助かります! その時はお願いしますね!」


 そして次に仕立て屋に到着。


「お待ちしておりましたわ」

「何か装備を頂戴するような流れになってすみません」

「いえいえ、あまり良い品を用意できなくて申し訳ないですけれど、こちらの中からお好きな物を何着でもお選びいただいて結構ですわ」

「ありがとうございます。今日ちょうど戦闘で使い物にならなくなったので、すごく助かります」


 ミリアは遠慮しているのか、ただ立っているだけなので呼び寄せて、服を体に当て、似合いそうな物を選ぶ。

 やはり、どれもこれもミリアが今来ているロリ服には全然及ばない。防御力もそんなに高くないし、部屋着と下着を選ぼう。

 何着か手に取り、仕立て屋の店主に渡す。


「これだけで良いんですの?」

「はい。今後ともお付き合いを考えているので、あまり頂戴するのも、ね?」

「はぁ、そんなことは気にせずとも良いのです。これとこれとこれはサービスです。お持ち帰りください」


 何かカラフルなタオルのような物をいくつか渡された。店主に渡した物とは質が全く違う。本当にサービスしてくれたのだろう。

 風呂を目的としているわけだから、ありがたく頂戴しておこう。


「ありがとうございます!」

「また何かお困りなら声を掛けてくださいまし」


 サービスしてくれた店主と別れ、最後の材木屋に到着。


「お待ちしてたっす」

「材木屋さんなのに、装備を扱っているんですね」

「材木屋は木に関すること全般を取り扱ってるんす。装備はこっちっす」


 案内された先には、沢山の杖や木剣などが並べてあった。


「好きな物持っていってくださいっす」


 武器屋と同じように、プラスが付いている装備を何点かもらうことにした。


「雨季になると俺ら材木屋は仕事がなくなるんで、兄貴にはめっちゃ感謝してるっす!」

「それは良かったです。また何か思い付いたら来ますね」

「あざぁっす!」


 材木屋は主に建築などを行ってるそうで、雨になると外で作業ができないので仕事がなくなるらしい。

 それは喜ばれるはずだ。武具屋もそれを分かった上で連れてきたのだろう。良い人なんだな。


 四店回っただけで、インベントリがかなり埋まってしまった。貰った物は次の通りだ。


・シルバーソード+4

・シルバーダガー+2

・アイアンシールド+1

・アイアンランス+3

・アイアンナックル+1

・アイアンメイス+2

・バスタードソード+1

・ハンドアクス+1

・ウッドステッキ+4

・ウッドワンド+2

・ウッドボウ+1

・ウッドソード+3

・ウッドソード+3

・ウッドソード+3

・レザーガントレット+1

・レザーブーツ+1

・魔石

・大釜

・俺の普段着×4

・ミリアの部屋着×4

・下着類×6

・タオル×3


 貰った物を確認しながら歩いていると、ミリアが落ち込んだ雰囲気で語り始めた。


「私にはタカシさんが分かりません。ただのエッチな男の人だと思ってたけど、戦闘も知識もすごいのに、プライドが高いわけでもない。すぐ人に好かれるし。それなのに私なんかが良いとか言ってくるし……」

「俺はそんな大層な人間じゃないよ。それに自分を卑下しちゃダメだよ? 俺、そういうのは怒るからね?」

「だって私、戦闘もダメだし、何も取り柄がないです。タカシさんにつり合わないっていうか……」


 何だ、そんなことを気にしていたのか。ミリアは俺の癒しだから、別にそんなこと気にしなくて良いんだよ。


「俺はただ、ミリアとイチャイチャしながら暮らしていければ良いと考えている、ただのエッチな男だよ?」

「イチャイチャはしないです……」

「ミリアは魔法を覚えたじゃないか。それに、俺は身内には厳しいよ?」

「私、タカシさんに厳しくされたことありません」


 確かに俺はミリアに厳しくしたことはない。だがな、ミリアよ。君に厳しくするのは、これからなのだよ。


「これからというか、今からというか、厳しくするよ。その為に釜を手に入れたんだからね」

「えっ!? 釜はお風呂にするんじゃなかったんですか?」

「ミリアの魔法の特訓をしようと思ってね。ビシバシ行くから覚悟して付いてきなさい」


 そういって、カッシュとは一言だけ言葉を交わして、また森へとやってきた。

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