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ステータスマイスター  作者: なめこ汁
第一章
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第17話 勉強会2

 ミーアはいつも通りの表情で抱き合っている俺らを見ている。


「あらま。夕飯の準備が出来たから起こしにきたんだけど、邪魔したようだね。ごめんよ」


 それだけ言うとすぐにドアを閉め、去っていく。

 ミリアはドアの方を見て、口を開けたまま固まっている。


「さて、ミリアを食べちゃいたいところだけど、先にご飯を食べながら今後の事でも話そうか」

「も、もうやだぁ……」


 座り込んで丸くなってる。可愛いな。


「ミリア、行くよ?」

「もういいです……一人にしてください」


 そう言って、膝を抱え丸くなったミリアは動きそうにない。

 仕方ないなぁ。と言いつつ、ミリアを掬い上げ、お姫様抱っこして運ぼうとするが、当然嫌がられる。


「ちょっと! な、なな何ですか! 止めてください! もういいんです! 一人にしてください!」

「だーめ。さぁ、行くよ。あと、他のお客さんも居るだろうから、静かにね?」


 ミリアが下ろして! 下ろして! と言いながら足をバタバタしているが、構わず部屋を出て食堂へと向かう。


「あんた達、一日で良くもまぁ、そこまで仲良くなれたもんだね」

「これぞ運命。愛のなせる業ですよ、お義母様」

「そうなのかい、ミリア?」

「ち、ちぎゃ、違います! 愛じゃないです!」


 お姫様抱っこされたままの状態で、ぽかぽか俺の体を叩いてくるが痛くない。むしろイチャイチャな雰囲気のお陰で興奮する。


「まぁミリアの惚れた相手だ。別にどうこう言うつもりはないよ」

「だから! 何で皆私の話を聞いてくれないんですか!」

「ささ、お姫様。お食事にいたしましょう」

「もう……」


 ミリアを椅子に座らせ、俺は向かい側に座る。


「それじゃ、食べながらで良いから、今後の事について少し話そうか」

「はぁ……分かりました」


 解放された事で少し落ち着きを取り戻したようだ。いつものクールなミリアに戻りつつある。


「まずは、ジョブ」

「はい。それにしても、あれは本当の話だったんですね」

「え!? 変えてみせたのに、まだ信じてなかったの!?」

「だって……何年も訓練したのに、ダメでしたから……」


 一度見せたから少しは信じてもらえたと思ってたのに。


「まぁ、いいや。こうやって実際に自分が経験したことで分かってくれたでしょ?」

「はい、工程は納得できませんが、概ね」

「それでさ、魔術士になる条件って何なの?」

「えっと、基本的にジョブは、遺伝か、訓練によるものです」


「訓練ってどんな内容なの?」

「魔石というものがあります。それに魔力を込め、破壊することが出来たら魔術士として覚醒すると言われています」

「魔石ってどこでも手に入るの?」

「はい、街にある大体のお店で10銀程度で売られています」


 よし、まずはそれを買って俺も魔術士になろう。


「あと、冒険者の人が就いているジョブって、魔術士以外にどんなものがあるの?」

「そうですね……大きく分けて戦士、剣士、闘士、射士、商人、神官などがあります」

「それぞれ、どうやって就くことができるの?」

「えっと、就けるかどうかは分かりませんが、大体は訓練などで習得できます」


 新しいジョブを習得する為に行う訓練とは、次のようなものらしい。


戦士……剣類や格闘武器以外で一定以上の戦闘訓練を行う。

剣士……剣類で一定以上の戦闘訓練を行う。

闘士……闘気をまとって一定以上の戦闘訓練を行う。

射士……弓などの遠距離武器で一定以上の戦闘訓練を行う。

商人……自分の持ち物を一定以上売買する。

神官……教会で加護を受ける。


 神官は簡単そうだが、神官は下位職の前提のようなものらしく、神官になった後に一定以上の善行を積んで僧侶に就けるらしい。


「今説明したジョブ以外には、犯罪者などの盗賊があります」

「下位職は簡単に就けそうだね。上位職は?」

「上位職は、下位職を極め、尚且つ特定の条件を得た人が就くことができます。騎士である門を守ってくれているカッシュさん達は、剣士からの上位職です」

「そういうことか。さすがミリアだね。可愛いだけじゃなくて、賢くもある」


 ちょうど飲み物を口に含むタイミングを狙って言ったら、案の定噴き出してむせている。


「ごほっ! ごほっ! もう! そ、そういうのは良いです! 真面目な話をしてるんですから!」

「ごめんごめん。とりあえず、全部の職をやってみよう。それで合った職を見つけることにするよ」

「ぜ、ん……ぶ!?」

「うん、だって何が自分に合うか分からないじゃん」


 所詮下位職だ。そんなに驚く程難しいモノでもないだろう。どうせ、ミリアのように習得しているけど、メインジョブにはできていないとか、そういうことだろうし。


「はぁ……大変なのに。でも、もうタカシさんがやる事には何も言いません。どうせからかわれるだけだし」

「でも、俺が間違ったことしようとしたら止めてね?」

「ブラックウルフの時にも思いましたけど、止めても止まってくれなさそうですし」

「あの時はミリアに指一本触れさせないって必死だったんだよ」


 また赤くなった。初心だなぁ。こうやってミリアをからかうのも楽しいけど、これで明日の予定を組めそうだな。


「そういうわけで、明日は依頼をしながら、一通りの武器を使って訓練してみよう」

「はい! 分かりました!」


 ちょうど夕飯も食べ終わったところなので、ミリアと一緒に部屋へ戻る事にする。

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