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ステータスマイスター  作者: なめこ汁
第二章
143/145

第50話 オフⅠ

 朝食の良い匂いがして、目が覚める。


 目覚めはいつも、大抵横を向いているので、目を開くとファラの頭か顔が一番に視界に入ってくる。

 でも、昨日はファラだけではなく、反対側にはベルを抱いて寝たので、久し振りに天井を見て目が覚める。


 ベルは文句を言いつつも、昨日は結局、俺の腕の中で眠ったし、単に恥ずかしかっただけなのだろう。

 ペットとして扱うので、プライドは有って無いようなモノだし、これからの調教が楽しみだ。


 それにしても、寝顔が可愛いな……。


 横を向いて、俺の真横で丸くなって寝ているベルを見ていると、胸をツンツンとされる――ファラが起きているようだ。


「タカシ、おはよ」

「おう、おはよう。どうしたんだ?」

「なんでもない」

「そっか」


 こいつもこいつで、最近は本当俺に懐いてくれているな。

 キスをして、嫉妬を治めさせる。


 感情が育ってきたのは、嬉しい事だ。でも、嫉妬ばかりが育ってくれても、バランスが悪い。

 俺としては、ベタベタしてくるのは非常に嬉しい事ではあるが、もう少し他の感情も教え込まないといけないな。

 他の子とイチャイチャ――いや、スキンシップができない。


 そう考えると、ベルと違ってファラにも調教――教育が必要か。

 今すぐは無理だし、時間を掛けてゆっくりやっていこう。


「さて、起きるか……」

「うん」


 二人でベッドから起き上がり、服を着せてあげ、部屋を出る。


「マルカ、ミュウ、おはよう」

「ひゃい! お、おひゃよーございましゅ!」

「おはよう、ございます」


 これは、いつも思うことではあるが……。

 ミュウがしっかりした挨拶をしない時、マルカがミュウを叱る。でも、マルカ自身挨拶できていないよな。噛み噛みだし……。

 いい加減、俺に対しても噛まずに喋って欲しいところだ……。


「お、もう出来上がりそうなのか?」

「急かすなです。もう出来るから早く食べやがれです」

「じゃあ、皆を起こしてきてくれるか?」

「あ、ミュウちゃんはそれやってて。ウチが行ってくるからー」

「はいです」

「あ、マルカ。ランは起こさなくて良いからな?」

「えう!? あ、あぁ、そぅでした! ひゃい!」


 ミュウにお願いしたつもりだが、何か作業をしていたらしい。

 代わりにマルカが皆を起こしに行ってくれる。

 ランは今日一日中、好きなだけ寝かせてあげる予定だったので、起こさないように伝えておく。

 腹が減ったら勝手に起きてくるだろう。その時は、何か食べ物を出してやるつもりだ。


「そういえば、ファラ。今日は何処の街に行くか相談したか?」

「した。パシリ」

「パシリって……あぁ、西の大陸の?」

「そう。マルカがあっちの料理を見たいらしい。ファラもあっちのお菓子を食べてみたい」

「そうだな。あっちの大陸は、違う食文化が発展してるかもな」

「しょくぶん、か?」

「こっちの大陸とは違った調理法……簡単に言うと、お菓子の違う作り方があるかもしれないなって」

「たのしみ」


 食文化を、お菓子に例えて簡単な説明をすると、膝の上に座っているファラが、足を前後に振り始めた。

 ワクワクしているのだろう。


「見た事が無いお菓子があったら、お土産として買ってきてくれ」

「ん」


 そんなファラを上から眺めていると、皆が起きてきた。


「皆、おはよう」


 皆から、まだ眠たそうな挨拶を受ける。

 ミュウは最後の仕上げを行っていたらしく、皆が揃うと同時に、テーブルに朝食が並ぶ。


 皆で“いただきます”をして、食べながら予定を伝える。


「朝食が終わってすぐ、ジジイをエストルに連れていく」

「おほっ!? 感謝するぞい、主よ!」


 良い情報を貰ったからな。そのお礼に賢者タイムだ。


「次に、ファラ達をパシリに連れていく」

「ん」

「ひゃい!」

「お姉ちゃんを守るです!」

「はーい!」

「はいー!」


 朝早くになるが、もしかしたら朝市などがあるかもしれないし、お金は十分あるから、その分長く遊べるだろう。


「あ、そうだ。パルとパロに頼みがあるんだが、良いか?」

「なになに?」

「何でもやるよ!」

「パシリの近くに、ダンジョンはあるか、あったら距離や古さ等を街の人に聞いておいてくれないか?」

「そんなの朝飯前だよ!」

「朝飯は今食べてるけどね!」


 そういう言葉は何処で覚えるんだろうか。


「あぁ、それと、あっちの大陸の街の情報も集めておいてくれ」

「ほいほーい!」

「がってん!」


 朝から元気だなぁ……でも、こいつらに任せておけば大丈夫だ。冒険等と言いながら、楽しみながらやってくれるだろう。


「最後に、ミリアとソシエを図書館に連れていく」

「はい、お願いします」

「承知いたしました」


 あまり早くに行っても図書館は空いていないだろうし、最後だ。


「残りの皆は、訓練だな」

「はい、です!」

「タカシ殿と手合せ、楽しみだ!」

「頼むぜ、旦那!」

「にゃん……」


 ベルは不満そうにしているが、ガルミが居れば十分だろう。

 無視しておく事にする。


「タカシさん。えっと、ランさんは?」

「あいつは希望通り、好きなだけ寝かせてやる予定だ」

「あぁ、だから起こさないんですね」

「たまには、な。どうせルリア達が居る。寝ていても大丈夫だ」

「ふふ、そうですね。ランさんらしいです」


 ランをネタに会話していると、皆順に食べ終わる。


 食べ終わったばかりで、お茶を飲みながらゆっくりしていたが、ジジイがソワソワしている。

 賢者タイムが待ち遠しいのだろう……。


「おいジジイ。そんなに楽しみか?」

「ふ、ふお!? も、もちろんじゃ! あの天国……たまらん」

「分かったよ。じゃあ、先に連れて行ってやる」

「本当かっ!? さすが我が主じゃ! さぁ行こうぞ!」


 まるで好きな玩具を買って貰える前の子どもだな……。


「皆は待っていてくれ。先に送り届けてくる」

「はい!」


 椅子から立ち上がり、駆け寄ってきたジジイに触れ、転移する。


――シュンッ!


 場所は、エストルの宿屋前だ。


 そのままジジイを連れて、宿屋に入って行く。カウンターには、現店主のミーアが居る。


「おや、どうしたんだい? こんな朝早くに」

「お久し振りです、お義母さん」

「気持ち悪い呼び方をするんじゃないよ! それで?」

「俺は少し出掛けるので、こいつの事をお願いしたくて」

「あら、可愛らしい子じゃないか。何処から攫ってきたんだい?」

「ウチの子ですよ。この人はミーアさんだ。ほら、挨拶しろ」

「アルメでっす☆ よろしくね、お姉さん!」


 アルメモード全開だ。それにしても、お姉さんて……。

 確かにジジイからしたら孫みたいな年齢かもしれないが、かなり無理があるだろう。口には出せないが。


「はっはっ! 良い子じゃないか! お願いされてやるよ」

「あ、お願いしたいと言っても、こいつには街を散策させるので、困っている時だけ相談に乗ってやってほしいんです」

「散策? この子一人で、かい?」

「えぇ、街がどんな所なのか勉強させてやろうと思って、ね」

「そうかい。あまり可愛い子を一人歩かせる事には関心しないが、分かったよ。任せな」

「どうも。じゃあ、俺はもう行くから、困ったらこの“お姉さん”を頼れよ?」

「はーい☆」


 ミーアが“お姉さん”と言われて気分を良くしているので、俺もそう言わざるを得ない。

 そのついでに、小声でジジイに賢者を掛ける。


「おほぉっ!?」

「ここが待ち合わせ場所だ。夕方までには戻って来い」

「はーい☆ ありがとう、あるじさま!」

「それじゃあ、お願いしますね」

「はいよ」

「いってらっしゃーい☆ ちゃんとむかえにきてねー!」


 ミーアにアルメの事をお願いした後、宿屋を出て、屋敷に戻る。

 時間はたっぷりある。後はジジイの好きにさせてやろう。


「おかえり、タカシ」

「おう、ただいま」


 屋敷では、既にファラ達が用意を済ませてくれていた。

 そのままマナポーションを飲んで、パシリへと送り届ける。


「困った事があれば、必ず俺に連絡してこい」

「ひゃいっ! わ、わかりみゃした!」

「連絡の方法は分かるな、ミュウ?」

「任せるです! お姉ちゃんはみゅが守るです!」

「守るのは良いが、まずは俺に連絡だぞ?」

「分かったから早く行きやがるです!」

「じゃあ、パルとパロも頼んだぞ?」

「はーい」

「まっかせてー!」


 ミュウの頭をポンッと叩き、五人を残して、再度屋敷に戻る。

 次はミリアとソシエだな。


「ただいま。オスルムで良いか?」

「おかえりなさい、出来れば今回はザクゼルがいいな、と……」

「うーん……」


 ザクゼルはミリアが一度、協会員になる事を断られている。

 面倒な事が起きる可能性もあるし、出来れば避けたい……。


「ダメ、ですか……?」


 でも、上目遣いでお願いされたら断れねぇよ……。


「分かったよ。但し、面倒事が起きそうだったら、必ず逃げろよ。それと、ソシエは協会員じゃない。弟子って事にしておけ」

「はい! ありがとうございます!」

「承知しました」


 あのお願いの仕方、何処で覚えてきたんだか……。

 恐らく、サラだろうな……余計な知識を与えやがって……。

 そんな事を考えながら、二人をザクゼルに送り届ける。


「待ち合わせ場所は、門の外だ。迎えに来るのは夕方くらいかな」

「はい、分かりました!」

「迎えに行く前に一度連絡する」

「はい!」

「勉強も良いが、たまには遊んでも良いんだからな?」

「そうですね。調べ物が早く終われば考えてみます」

「はい。ご主人様、お小遣いありがとうございます」

「おう、それじゃあ、また後でな」

「はい」

「ありがとうございました」


 二人を残して屋敷に戻る。

 それにしてもソシエは、ずっとお礼ばかり言っていたな。

 俺が二人のお陰で助けられているし、気にする事ないのにな。

 何か気を張っている感じもするし、今度ゆっくりさせてやろう。


「ただいま」

「タカシ様、お疲れ様です」

「おかえり。さぁ、ボク達も始めようか!」

「やってやるぜ!」

「にゃん……」


 準備は万端のようだ。さて、どんな訓練にしようかな……。

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