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ステータスマイスター  作者: なめこ汁
第二章
139/145

第46話 決闘

 屋敷に戻ってから、皆ドレスに着替えさせる。


 ドレス一式を買ったので、かなりの出費だった。折角手に入れたダンジョンの報酬が、ほぼ無くなってしまう程だ。

 今考えると凄い額だよな……これで奴隷が何人買えただろうか。


 そんな事を考えつつ、別に購入していたタキシードのような服に着替え、皆を待っていると、順に部屋から出てきた。


「……」

「あの、タカシさん……何か言ってくださいよ」

「すまん、見惚れていた。綺麗だ……」

「うぅ……こんなの着るの初めてで、恥ずかしいです……」


 ミリアのドレス姿、すごく綺麗だ。似合っている。

 お金が、お金が、などとケチ臭い事を考えていたが、ミリアの姿を見たら、どうでも良くなった……。

 それほどまでに、美しい。


「タカシ」

「ん? おぉ……」

「どう?」

「可愛いぞ……」


 ファラも可愛らしい。少し、大人の雰囲気が出ているところが、また愛らしい。


 二人が出てきた後、ゾロゾロと皆一斉に出てきた。

 何故、ミリアとファラだけ一人ずつ出てきたのだろうか?


「お前達も、凄く可愛らしいし、美しいな。似合っているよ」

「えへへ……そうかな?」

「タカシ様、ありがとうございますです!」

「ボクは、本当に似合っているのだろうか……」

「ふふん、みゅは何を着ても似合うですよ」

「あわわわっ、お、おち、おちちゅかないしゅ」

「フッリフリだよ、ボス!」

「へへーん、可愛いでしょー、ボス!」

「恥ずかしいです、ご主人様……」

「アルメちゃんは可愛いじゃろう?」


 これだけの美少女達が、ドレス姿で一堂に会しているというのは素晴らしい光景だな。

 何か俺だけ場違いのようだ。


「お前達、そこに一列に並んでくれ」

「ん?」


 疑問はあるようだが、皆整列してくれる。

 椅子から立ち上がり、ミリアから順にネックレスを付けていく。


「あの、これは……」

「皆それぞれに合うだろうと、俺が選んだネックレスだ」


 どのドレスも胸元が開いているから、アクセサリーが目立って、良いアクセントになっている。

 ランはチョーカーを付けていて、少し目立ち過ぎているかもしれないが、それでも似合っているな。


「ありがとうございます……大事にしますね!」

「タカシ好き」

「タカシ様からのプレゼント……素敵です……」

「お兄ちゃん、ありがとう!」

「ボクには勿体ないほど綺麗だ……ありがとう!」

「はわわ……う、ウチ……ウチ……ッ」

「あ、あり……とぅ。ふんっ、エロ魔王も分かってきたですね!」

「ボスからプレゼントだなんて感激だよ! ありがとー!」

「これでアタシもボスのお嫁さんだ! 大事にするね!」

「ふふふ……どうじゃ? やっぱりアルメちゃんは可愛いのう!」

「あの、あ、ありがとうございます。ご主人様……」


 プレゼントで喜んでくれるなんて、やっぱり皆女の子だな……。

 プレゼントして本当に良かった。


「皆、本当に似合っているぞ。よし、見せびらかせに行こうか!」

「はい!」


 皆に抱き付かれ、サラの部屋まで転移する。


――シュンッ!


 流石にドレス姿のままで、皆で門の前に転移するのは場違い感があるだろうと、サラの部屋に飛んで来たが、まさか下着姿とは……。

 そのサラの姿を見て、咄嗟にジジイの目を隠そうとも思ったが、今日くらいは良いか。


「はぁ……タカシさん。乙女の部屋――しかも王女の部屋に無言で入るのは、如何なものかしら……」

「キレイだよ」

「なっ、も、もうっ! 誤魔化さ……あぁ、これがミリアちゃんの言っていた、いつもの誤魔化しってやつなのかしらね」

「何だよ誤魔化しって。素直な感想が口から出ただけだぞ?」

「はぁ……とにかく、外に出ていてくださらないかしら? この子達も怖がっていることですし」


 確かに侍女たちは驚いて固まっている。

 突然部屋に十二人も現れたら驚くよな……悪い事をした。


「分かったよ。おいラン。案内しろ」

「はーい。それじゃあ、またね、お姉ちゃん」

「はい。タカシさんの事、よろしくね」

「もっちろんだよ!」


 サラには手を振り、ランを先頭に部屋を出て行く。


「おう、だ、旦那!? い、いつの間に!?」


 部屋を出ると、ガルミが待機していた。護衛だろう。


「ガルミか。ご苦労。ん、お前は正装しないのか?」

「オレは護衛だからな。これが正装みたいなものなんだぜ?」

「そっか。可愛い恰好をしたガルミが見たかったんだが、残念だ」

「か、かわっ!? からかってんじゃねえ! オレはしないぞ?」

「似合うと思うんだけどなぁー。はぁ……残念だ」

「くっ……そ、そんな事言っても……。うぅ、くそっ!」

「今度、俺が用意した服を着てみてくれよ。絶対、可愛いから」

「わ、分かったよ……そ、そこまで言うなら仕方ねぇな」


 こいつもチョロいな。

 仕事中のようだし、からかうのは、このくらいにしておこう。

 今度可愛い恰好をさせるという約束をして、移動を再開する。


「多分、ここだと思うなー」


 ランに案内され移動した先は、先日食事をしたところとは違い、更に大きなホールのようなところだった。

 既にかなりの数の人が居る。


 テーブルの数もそれなりで、様々な料理が並べられている。

 皆立って話をしているし、立食形式のようだ。

 ホールからは、直接隣の庭に出られるようになっており、庭にもいくつかテーブルが並べられている。


「広いな。人も多いし、何が始まるんだ?」

「さぁ……パーティーだとは思うんだけど、普通なら何日も前から招待状を送ったりするのが常識だし、今日みたいに、いきなり開催っていうのは初めてかな。だから何が始まるのか分かんないや」

「祝賀会とは聞いていたが、まさかこんなに人が多いとは……もう帰ろうか。満足したし」

「えー。折角来たんだし、何か食べて帰ろうよー」

「そ、そうですよ、タカシさん! 折角ドレスまで着たのに……」


 そうか。折角着飾ったんだもんな。

 もう少しだけ、この場の雰囲気を味あわせてあげよう。


「これはこれは、ラン様。お久し振りでございます」

「え、あ、うんー。久し振りー」


 何かイケメンがランに話し掛けてきた。

 身なりは良さそうだが、貴族か?


――誰だそいつ?

――――えっと、はは、覚えてないや。誰だろう?


 話し掛けたのに忘れられているとか、可哀想な奴。

 それにしても、王族って大変だな。


「本日はお招き頂戴いたしまして、感謝しております」

「ううん、別に良いよー」

「本日、何か重大な発表があるとお聞きしたのですが、どのような事なのでしょうか?」

「知らないや。ランも突然今朝呼ばれただけだしー」


 何だ、この会話の温度差は……。

 ランの素を知らない人から見たら、王族故の余裕と見えるのか?


「左様ですか。失礼いたしました。して、そちらのお方は……?」

「あ、おにい、じゃないや、この人はランの旦那様だよー」

「そうですか、旦那、だん? 旦那!? そ、そんな! い、いつご結婚されたのですか!?」

「へ、結婚はしてないよー?」


 現在、会場に居る王族はランだけのようだし、イケメンの会話に聞き耳を立てていた周囲の人達が、ざわつき初め集まってきた。

 俺の事を紹介して欲しそうにしているが、無視だ無視。


 面倒な事しやがって……お仕置きだな。


――ラン、余計な事を言うなよ?

――――え、余計な事だっけ、あ、余計だね!?


 気が付いたか。やっぱりバカだな……。

 皆を集めて内緒話をする。


「ランのせいで、面倒な事になりそうだ。俺はあっちに居るから、皆好きに食べ歩いていいぞ」


 皆、このような場に慣れていないだろうが、俺も慣れていない。

 全員オドオドして戸惑っているが、好きにやらせよう……というより、俺が動きたくないだけだ……。


――ラン、お前のせいだからな。ウチの連中、全員の面倒を見ろ。

――――うぅ、ごめんなさい。何すれば良いかなー?

――食べ物、飲み物を中心に、全員が楽しめるよう、リードしろ。

――――はーい!


 ランに指示して、皆から離れ、メイドさんから飲み物だけを受け取り、壁際に並べてある椅子に座る。

 さっきの挨拶のせいでチラチラと視線を感じるが、全て無視だ。


 改めて参加者を確認すると、貴族ばかりのようだ。

 とても高そうなドレスにいくつものジュエルを身に付けていて、街中で見掛ける人達とは、雰囲気からして明らかに違う。

 賢者を使って、体の隅々まで確認してみるが、街中に居る子達の方が健康そうで、俺は好きだな。


 参加者全員の裸体を脳裏に記憶していると、ファラが皿に沢山のデザートを乗せて近付いて来た。


「どうしたんだ? 皆と一緒に楽しんでこい」

「タカシと居る」

「そっか」


 となりの椅子にデザートの皿を乗せ、俺の膝に座ってきた。


「美味しいお菓子、見つかったか?」

「これおいしい。ん、あーん」

「あーん」


 スプーンに乗ったデザートをファラに食べさせてもらう。

 柑橘系のムースかな……確かに美味しい。


「あーっ! ファラ姉ずるい。アタイもボスに食べさせる!」

「ちょっと、パル! アタシが先だよ!」


 食べ物を乗せた皿を持って、次々と皆が集まってきた。


「お前達、俺の事は良いから楽しんで来い」

「何か、その、場違いっていいますか……恥ずかしいので……」

「そっか……」


 皆から順に一口ずつ“あーん”をしてもらうが、デザート、肉、野菜、デザート、麺、デザート、めちゃくちゃだ……。

 行為自体は物凄く嬉しいけれども、せめて、統一してくれ。


 それにしても、何だこれ……何故こうなった……。

 周りを見てみると、注目の的じゃないか……。


 あまりにも注目されてしまったので、帰ろうかとしたところで、サラが現れた。隣にはガルミが居る。


「ふふ、やっぱりタカシさんは目立つわね」

「旦那、注目の的だな!」

「お前達まで来てしまったら、更に目立つじゃないか!」

「いいじゃない。私も仲間に入れてちょうだいよ」

「オレは仕事だし、勘弁してくれよな」


 そう言って、サラがマルカから皿を受け取る。


「はい、あーん?」

「お前もか……」


 “あーん”は良いとしても、またデザートの後に肉かよ……。

 でも、無視するわけにはいかないので、食べさせてもらう。


 しかし、その行為のせいで周囲のざわめきが更に大きくなった。


「ふふふ、注目の的ね……」

「それもこれも、お前達のせいだろうが。俺は何もしないからな。お前達で何とかしろよ?」


 サラとランには特に強く言っておく。


「ランも何かしたのかしら?」

「あぁ、俺の事を旦那様とか紹介しやがった」

「ラン、卑怯ね……じゃあ、私は肉奴隷とでも言おうかしら?」

「やめてくれ」

「うふふ、冗談よ」


 そんな冗談を言い合っていると、会場がいきなり静かになった。

 どうやら、王が来たようだ。王妃とアバンも居るな。


「あら、ごめんなさい。行かなくちゃ……帰らないでね?」

「分かったよ」

「行ってくるわ。ガルミはここに居て頂戴」

「おう」


 王が何かを喋るからだろうか、会場に集まっていた人達は、全員前の方に集まって行った。


「あの、タカシさん。私達は行かなくて良いんですか?」

「構わん構わん、どうせ長ったらしい挨拶だろうし」

「タカシ、とってくる」

「おう、今の内に行って来い」


 ファラが膝から降り、空になった皿を持って誰も居ないテーブルに向かって行った。

 こういう時はアクティブなんだよな。


「ご主人様、飲み物でも持ってきますね」

「あぁ、ありがとう、ソシエ」


 移動したファラの後を追って、ソシエが飲み物を取りに行った。

 ファラの面倒を見てくれているのだろう。良い子だ。


 それにしても、王の話は長いな……。

 そんな事を思いながら、王の方を見ていると、突然目が合った。

 次の瞬間には、前方に集まっていた人達が一斉にこちらを向く。


 何だ……何なんだ……。俺達を紹介でもされたのか?


 しかも、全員俺達に向けて拍手なんかしやがって……。

 くそっ……面倒な……もう帰ろうかな……。


 また王の話が始まったようで、その話を聞いている人達が全員、前を向いた。

 チャンスだ。


「よし、今の内に逃げるぞ。付いて来い」

「おい、旦那! 姫さんに帰るなって言われ……」

「いいんだよ! 移動するだけだ。ほら、来い」


 皆を連れて、こそこそと庭に移動する。

 移動中、王達の視線を感じたが、無視だ無視!


 庭は騎士団が警護しているようで、どこに座ろうか悩んだ結果、隅の方で俺を睨んでいる女の子が居るので、その近くにする。

 その女の子を真後ろに、近くにあるテーブルをいくつか集めて、皆で座る。

 テーブルを集めている間、チラっと女の子を見たが、やはり俺を睨んでいるようだ。


「おい、ガルミ。食事を持って来てくれ」

「何でオレなんだよ! 自分で行けば良いだろう!?」

「うるさい、俺は今あまり機嫌が良くない。行ってこい。命令だ」

「あ、あにょ! う、ウチも行きます」

「ありがとうな、マルカ」

「なっ!? 何かマルカとオレの扱い違くないか!?」

「うるさい、早く行け」

「くそっ……分かったよ……」


 ガルミとマルカが会場に戻り、それにミュウが付いて行く。

 三人居れば皆の分は足りるだろう。


「ところで、ラン。お前は王の所に行かなくて良かったのか?」

「知らない。呼ばれてないし、いいんじゃないかなー?」

「そっか、お前、家族から疎まれているもんな」

「えっ……」


 本気で驚いているな……でも、間違いではないかもしれない。

 ランだけ呼ばれていないしな。


 そうやってランをからかっていると、アバンが現れた。


「タカシ様、よろしいですか?」

「えぇ、どうしたんですか、アバンさん?」

「只今ダンジョン攻略の報告をしているのですが、攻略した際に、何か証拠となるようなアイテムは無かったでしょうか?」

「証拠になるアイテムか……あぁ、ランが装備してますよ」

「おぉ、少しだけ皆様方にご紹介してもよろしいですか?」

「構いませんよ。おい、ラン。お前行って来い」

「えー。だってラン、パパ達から疎まれてるんでしょ?」

「あれは嘘だ。お前が必要なんだってよ」

「もーう。パパもママもしょうがないなぁ……」


 そう言いつつも、ダンジョン内で手に入れたガデルクロウを装備しながら、ニヤニヤして立ち上がる。

 仕方のない奴だな……。


「それと、申し訳ないのですが……皆様の事も紹介したいのです。少しだけお時間よろしいですか?」

「ほら、ミリア達も行っておいで」

「いやいや、あの、タカシ様も、なのですが……」

「いくらアバンさんのお願いでも、それは無理です。ミリア、今はお前が家長だ。頼んだぞ?」

「えぇっ!? ちょ、ちょっと! 何で私なんですか!」

「むぅ……そうですか……分かりました。仕方がないです。では、ミリアさんお願いできますか?」

「えぇ!?」

「ほら、お前達も行ってこい。俺はここに居るから」


 皆アバンに連れられて行く。計画通りだ。ガルミ達が戻るまで、一人の時間を作ることができた。

 後は、後ろの女の子に話し掛けるタイミングを見つけるだけだ。


 タイミングを見計らっていると、食べ物を集めていたガルミや、マルカ、ミュウ達も連れて行かれた。

 ナイスだ、アバン!


「あ、あの……」

「ん?」


 良しきた! まさか向こうから話し掛けてくれるとは。


「あなた様が、ワタナベ様ですの?」

「そうだけど、キミは?」

「ワタクシは、ベル・ファ・フォードと申します。ガルミお姉様の下で働かせていただいておりますわ」

「ファ?」

「えぇ、ワタクシ、精霊の加護を受けております故」


 ミドルネームがある人物は久し振りなので、反応してしまった。

 加護を受けたらミドルネームが付くのか? 貴族や王族にミドルネームが付くモノだと思っていたのだが……。


 それにしても、ベルちゃんか……。猫族だろうか?

 可愛い耳と尻尾をピクピクさせ、露出の多い鎧を着ている。

 銀髪の縦ロール。いかにもプライドの高そうな子だな。

 あぁ……そのプライド、粉々にして屈服させたい……。


「ほう……加護か。見せてくれるか?」

「もちろんですわ」


 加護の事を知っている風に、偉そうな口調で話を続けてみたが、上手くいったようだ。

 ベルちゃんが、掌に炎を出し、自慢気に見せてくれる。


 獣人なのに魔法が使えるのか。やるな……。


「いいじゃないか。流石、“ファ”を名乗るだけある」

「恐縮ですわ」

「話が逸れてすまない。俺に何か用か?」

「えぇ、お姉様がお慕いしておられる方に、一言物申したく」

「お、ガルミ、何だかんだ言って俺の事を慕ってくれていたのか。嬉しいね。それで、一言って何だ?」

「いくら貴方様が有名な方であろうと、お姉様は渡しませんわ!」


 百合かよ……これは、からかい甲斐がありそうだな!

 良い暇つぶしになりそうだ。


「ほう、ガルミは俺のモノ、と言ったらどうするんだ?」

「くっ……」

「わざわざ俺に声を掛けてきたんだ。覚悟は出来ているんだろう?」

「も、もちろんですわっ!」


 これは良い……。

 このやり取り、ゲームや漫画の中で得た知識通りの展開だ。


「ここは場が悪いな。移動するか」

「そ、そうですわね……」


 立ち上がり、移動するフリをして、ベルが後ろを向いた瞬間に、彼女の肩に手を乗せ、ウチの庭に転移する。


――シュンッ!


「なっ!?」

「ここなら邪魔は入らないだろう」

「えっ、えぇ、そ、そうですわね」


 突然の転移に驚いているな。


「警護中に私用で抜け出しても良かったのか?」

「別の者に代わりを頼んでおりますわ。何の問題もありません」

「それで、キミは俺に何を要求するつもりだ?」

「今後一切、お姉様――いえ、城に近付かないでくださいまし」

「良いだろう。それだけで良いのか?」

「そ、それで、結構ですわ!」


 見ず知らずの子に、何で俺はここまで嫌われているんだよ。

 百合の、いや、思い込みの成せる業なのかね……。


 何か一方的に嫌われるというのも、結構ダメージが大きいな。

 もう少し煽ってやるか……。


「これは、決闘なのだろう? 俺が負けたら、それだけではなく、この街から出て、二度と近付かない事を約束しようではないか」

「良いでしょう」

「但し、俺が勝ったらお前は俺の配下になれ。絶対服従の奴隷だ。騎士団も辞めてもらおう」

「わ、わかり、分かりましたわ」


 ガルミの部下だ。まず負ける事はないだろう。

 プライドを粉々にする為にも、一方的に勝つ必要がある。

 力の差というものを見せてやるか……。


「いいぞ。どこからでも掛かって来い」

「なっ!? 武器も持たずに、バカにしてますの!?」

「お前程度、これで十分だ。ほら、掛かって来い」

「くっ……このぉっ!」


 剣を抜き、上段から斬り掛かってきた。

 転移でスッとベルが居た位置に移動する。


「どうした、その程度で俺に勝てるとでも思ったのか?」

「はぁぁっ!」


 今度は火の玉を飛ばしてきたので、障壁を作り無効化する。


「お前は何がしたいのだ? ダンジョンのモンスターより弱いな」

「お姉様は渡しません! たあぁぁぁっ!」


 また斬り掛かってきたので、転移で避ける。


「せいっ、やぁっ、ふんっ!」


 同じ手は通じないようで、避けた場所に先回りし、連続で攻撃を仕掛けてきた。

 動きは中々良いが、ガルミ程ではない。

 身体強化を施し、それら全てを素手で弾いて見せる。


「なっ、す、素手で!?」

「暇潰しにもならんな。もう飽きた。バインド」

「きゃうっ!?」


 地面に張り付けさせ、武器を奪う。


「か、返しなさい!」

「そんな恰好で良く言えるな。まだ実力の差が分からんのか?」

「ぐっ、こ、このぉ……」


 力を入れ立ち上がろうとするが、無理のようだ。

 奪った剣で、鎧のつなぎ目を破壊し、脱がしていく。


「ほう、ガルミには及ばないが良い体をしているじゃないか」

「なっ!? げ、下衆がっ! お姉様もそうやって……くっ」


 下衆とか言いながら、泣いているじゃないか……。

 そんなにガルミの事が好きなのか。

 傍から見ると、俺は確実に悪者だよな……演じているとはいえ、少し可哀想になってきた。


「スリープ」

「……」


 眠らせてから屋敷に連れ込んで、テーブルに寝かせて全裸にし、奴隷にする。

 奴隷の設定などは良く分からないので、全て上限値にしておく。


 それにしても、何かイケナイ事をしているようだな……。


 急展開ではあったが、決闘を申し込んできたのは向こうだから、これは仕方が無い事なのだ。

 殺さなかっただけ、マシだと思ってもらおう。


 あとはアバンやガルミへの、説明をどうするか、だ……。

 決闘を挑まれて勝ったから、奴隷にした……で良いかな?


 そうだ。サラから、報告も兼ねて、一言付け加えてもらうか。


――サラ、聞こえるか? 今、大丈夫か?

――――あら、タカシさん? どうしたの?

――今な、騎士団の奴から決闘を申し込まれて、叩きのめした。

――――な、なな、なっ!?

――それでさぁ、殺さない代わりに、強制的に奴隷にしたんだよ。それで、こいつを騎士団を抜けさせたいんだが、良いか?

――――ちょ、ちょちょっと待ってもらえるかしら、ほ、本当に、騎士団の人なの!?

――ガルミの部下、らしいぞ。

――――はぁ……騎士団で決闘、しかもタカシさん相手だなんて、それだけでも処刑モノよ……。

――処刑にするくらいなら、俺に、というか、もう、俺のモノだ。だから、アバンさんやガルミに一言頼む。

――――分かったわ。アバンには伝えます。迷惑掛けてしまって、ごめんなさいね、タカシさん……。

――気にするな。助かるよ。


 よし、こんなもんか。

 殺すつもりなんて初めからなかったが、良い流れになったので、良しとするか。


 さて、俺もそろそろ戻らないとな……。

 ベルは、スタイルからして、パルやパロの服なら合いそうだ。

 ただ、ドレスなんて物は無いからな。それっぽい、ゴスロリでも着せておくか。


 銀髪縦ロールのネコ娘にゴスロリ……アリだな。


 それにしても、何だったんだこいつは……。

 まぁ、良い子にしていたら、ガルミと二人きりでイチャイチャが出来る空間でも作ってやるか。


 マナポーションを飲み、服を着せたベルと共に元の場所に戻る。

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