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ステータスマイスター  作者: なめこ汁
第二章
133/145

第40話 方向性

 目が覚め、俺をホールドしているファラの腕を起こさないよう、ゆっくり引き剥がし、ベッドから出る。

 部屋にはミリアとソシエが居ないので、リビングにでも移動して何かしているのだろう。


 まだ寝ている皆を起こさず、部屋を移動する。


「あ、タカシさん。おはようございます」

「へ、あ、ご主人様。おはようございます」

「おう、おはよう。マルカ、ミュウもおはよう」

「おはおござますっ!」

「おはよう、ござい、ます」


 ミュウも挨拶をしっかりできるようになってきたな。

 てやんでえ口調のミュウも良いが、こうやって丁寧な言葉を使うミュウもアリだな。


「あ、マルカ。すまないが、俺にも茶をくれないか?」

「ひゃい! ただまっ!」


 ミリア達がお茶をしながら話をしていたようなので、俺も頼み、空いている席に座る。


「こんな朝早くから何を話していたんだ?」

「えっと、ソシエの方向性について、少し……」

「うん? 剣術がやりたいんじゃなかったのか?」

「はい。でも、その……ご主人様のひ、秘密を知ってしまいましたから……少しでもお役に立てないかと」

「そういうことか。ありがとうな。そうだな、今は剣術を伸ばしているが、ソシエの素質を考えると、一応何でも出来るぞ?」

「そこまで分かるんですか?」

「やっぱりすごいですね……」


 奴隷にする前から魔術士と商人を覚えていたので、そちらの才能はあるのだろう。

 それに剣術は、本人の希望と言う事もあり成長速度も早いから、他のジョブと同時にレベルを上げても良いかもしれないな。


「魔術士と商人なら、今すぐにでも就くことができる」

「商人は、えっと、もう良いです……」


 そうか、商人で失敗してるんだもんな。

 ジョブは持っているが、才能は無いのかもしれない。


「じゃあ、魔術士か?」

「二択でしたら、そうです、なりますかね……。ご主人様は、どうお考えなのですか?」

「そうだな。俺はソシエが剣士としてある程度育ったら、魔術士と聖職者にしようかと考えてはいた、かな」

「分かりました。魔術士はミリアさんやサラ様がいらしゃるので、聖職者でお願いしても、良いです、か?」

「遠慮しなくて良いぞ。希望はじゃんじゃん言ってくれ」

「あ、ありがとうございます!」


 最前線で戦う美少女ヒーラー……いいじゃないか。

 ヒーラーも育て終わったら、今度は魔術士も覚えさせ、マルチな戦闘が出来るようにしよう。

 ただ、器用貧乏にはならないよう気を付けないとな。


「あの、タカシさん?」

「うん、何だ、ミリア?」


 声を掛けられたのでミリアの方を振り向くと、ジトっとした目でこちらを見ている。何か対応をミスったか……?


「何か、私やファラの時と対応が全然違うんですけど?」

「どういうことだ? 差別はしていないつもりだが……」

「私達には、エッチな事をしないと恩恵とか与えられないみたいな事を言っておいて……ソシエには希望通り恩恵を与えるんですね」

「今と前では、状況が違うじゃないか。俺の秘密を知っているし。あ、嫉妬してくれてるのか! 嬉しいなぁ」

「ち、ちがっ! 茶化さないでください。今思えば、私達には嘘を言っていたんですね……ちょっとショックです」


 確かに最初俺を満足させてくれないと恩恵を与えられない、的な事を言っていた気がするな。

 でも、満足させてくれないような奴の希望を叶えるなんて俺は嫌だし、あながち間違いではないはずだ。


「嘘ではないだろ? ミリアやファラ達も、俺を満足させてくれたから、希望通りにしてあげたじゃん? ほら、大体合ってる」

「合ってないですよ! じゃあ、アバンさんにはいつエッチな事をするんですか?」

「ばっ、おまっ、す、するわけないだろう!?」

「だから全然合ってないじゃないですか」

「あの人は、俺に忠誠を誓ってくれたから、恩恵を与えたんだよ。だからエッチとは別の満足なの!」

「じゃあ、アルメはどうですか? 幼女だから、タカシさんの望む段階のエッチはできませんよ? それに、中身お爺さんですし」

「ジジイが気を失っている間は、アルメの体に悪戯をしてるから、それで俺は満足なの!」

「じゃあ、ミュウは? まだ手を付けてませんよね?」

「え?」

「え?」


 そうだった。

 つい流れで素の対応をしてしまった……。

 ファラには何度も見られたが、ミュウに悪戯をしている時って、基本的にはミリアが居ない時だったっけ。


「え、いつの間に……嘘ですよね……?」

「え、あははっ」

「もう! 笑って誤魔化さないでくださいよ!」

「まぁ、いいじゃん? どうせソシエにも、ミリア以上にエッチな事をするわけなんだしさ?」

「私以上に!?」

「えっ……わたし、ですか!?」

「今はソシエの話じゃないか。他に誰が居るんだよ」

「そ、その……できれば、お手柔らかに、お願い、します……」

「おう、最大限優しくするから相手よろしくな」

「は、ははは……」


 ソシエの顔がヒクヒクして乾いた笑いだけれども、優しくするというのは本当だから大丈夫だ。


「ほら、な。ミリア? 結局は、そういう事になるんだから、大体合っているだろう?」

「はぁ……後付け、ですけどね。じゃあ、今後恩恵を貰える人は、タカシさんがエッチな目で見ている人、だという事ですか?」

「おう」

「おう、じゃないですよ! まだ女の子増やす気ですか!?」

「何を言っているんだ、当たり前だろう? それに、この世界ではハーレムを造る事が出来ると教えてくれたのは、ミリアだろう?」

「えっ……あ、あえぇっ!? あの初めて会った時、重婚が出来るって教えた事ですか!?」

「そうだぞ。俺はそれを目標に、今までこの世界を堪能してきた」

「うぅ……あの時何か気持ち悪い笑顔をしているなと思ったら……そういうことだったんですか……」


 あの時は見知らぬ地での不安より、ワクワク感の方が勝っていたから、確かに気持ち悪い笑いをしていたかもしれないな。

 ミリアは完全に引いていたし。


「あの時は、それを教えてくれたミリアが、女神に見えたんだぞ」

「そんな事言っていましたね……」

「しかも、その女神が俺の嫁第一号とは……この世の中捨てたもんじゃないな!」

「はぁ……もう好きにしてください……」


 もちろん好きにさせてもらうとも。

 おっと、ソシエが置いてけぼりだったな。


「すまんな、ソシエ。そんなわけで、ソシエは俺とすごくエッチな事をする。そして、聖職者も極める。それで良いか?」

「すごくって……。わたしはご主人様に従うまで、ですので……」

「何か、話の流れ的に私がそうさせたみたいになってませんかね。大丈夫ですかね?」

「え、今更だろうよ。ミリアが嫉妬したせいで、ソシエが俺に夜のご奉仕をする事になったんだからさ」

「あうあう……ごめんなさい、ソシエ……」

「いえ、どちらにしろ遅いか早いかの差だったと思いますので」

「まぁ、そういうことだ」

「もうっ……」


 そう。今やるか後でやるかの差だ。

 その為に、俺の好みを集めているからな。


――ズズズ


 キリの良いところで、玄関のスライド式ドアが開いた。


「おや、タカシ殿。おはよう」

「おはよう、ルリア。訓練か?」

「うん、アバン殿に型を教えてもらっていた」

「あ、ボス。おはよーっす!」

「おっはよー!」

「おう、おはよう。パル、パロ、お前達も訓練か?」

「そだよー」

「うん。頑張ったよ!」

「ボクが、アバン殿の所に行ったら、起こしてしまってね」

「そうか。三人ともお疲れ様。汗を掻いただろう? 風呂に入れ」


 訓練用の動き易い薄い布の服が、汗で肌に張り付いている。

 パルとパロはまだ大丈夫だとして、アバンはルリアに対して目のやり場に困っただろうな。


「あ、ソシエは皆を起こしてきてくれ。ミリアは、アバンさんにも風呂を沸かせてきてあげてくれ。お前達はこっちだ」

「分かりました」

「はい」

「ありがとう」

「はーい!」

「ほーい!」


 風呂場まで移動し、三人が服を脱いでいる間に風呂を沸かせる。

 俺も寝癖直しも兼ねて朝風呂にするかな。


「うん? タカシ殿も入るのかい?」

「おう、折角沸かしたしな」

「わーい、入ろ、入ろ!」

「じゃあ、アタシがボスの背中洗ったげる!」


 昨日洗ってもらったし、今日の夜も洗うから、今は別に洗わなくても良いが、パロはやる気だし、洗ってもらうか。


「そういえば、パロから洗ってもらうのは初めてだな」

「そだよ! いつもマリー姉がやっちゃうからさ」

「アタシがやる! って言ってやれば良いんだよ。俺もたまには、違う子から洗ってもらいたいしな」

「よっしゃー、マリー姉と全面戦争じゃー!」


 その戦争、間違いなくパロが勝つな。

 マリーは、そういう争いが苦手だから身を引きそうだし。


「それじゃあ、ボクも今度からタカシ殿洗いに参加しようかな? いつもお世話になっているし」

「おう、頼むよ。約束な」

「当然だよ!」

「聞いたか、パル。ルリアがあの胸で、俺の全身を隅々まで洗ってくれるらしい」

「へっ……む、胸!? そんな事は言ってないよ!」

「さっすが、ボス!」

「だから、ボクはそんな事言っていない!」

「なぁ、聞いたよな、パル?」

「しかと聞きやしたぜ、ボス!」

「ちょ、パル! や、やめろ!」


 パルが、ルリアの胸を後ろからタプタプしている。

 これは良い光景だ。興奮する。


「えっと、ボス?」

「どうしたんだ、パロ?」

「これ……」

「おう、しっかり洗ってくれ」


 俺の体を洗ってくれているパロが、何かに気が付いたらしい。

 仕方がないじゃない。男だもの。


「ボス、これ痛くないの?」

「ぎゅってされても痛くないぞ」

「ほえー」


 暫くパロと遊んでいると、パルが参加してきた。

 ルリアは顔を赤くしながらも、チラチラとこちらを見ているだけなので、ルリアは今度だ。今は放置しておこう。


・・・。


 皆が朝食で待っているだろう事も考え、早々に遊びを終わらせて風呂から上がる。


「ふえー、つかれたー」

「のぼせちゃったよ、ボス」

「キミ達は朝から元気だな……」

「朝から訓練なんかやってるお前に言われたくないわ」

「うっ……」


 折角なので、全員の体を隅々まで拭き上げ、更に服も着せてからリビングに向かうと、皆は既に椅子に座り待っていた。


「遅いよー。お兄ちゃん」

「ナニをしていたのかしら、タカシさん?」

「タカシ、待った」

「すまん、待たせたな。さぁ、飯を食べよう」


 いただきますの挨拶をして、食事を開始。

 食べている間に、今日の決戦に向けて、作戦の復習をする。


「作戦は昨日の通りだ。昨日から今日までに何か不安なところとか無かったか?」

「お兄ちゃんが何とかするから、大丈夫」

「タカシ様、我々も練習通りやりますが、戦線を維持できない時はお願いしますね」

「えぇ、分かりました」

「でしたら、私からは特にありませんね」

「私も特にないわ」


 一晩考える時間があったので、何か疑問や質問があるかと思っていたが、特に無いようだし、大丈夫みたいだな。

 俺も朝からハッスルした事によって心身共に絶好調だし、今ならやれそうな気がする。


 朝食を終え、マルカが片付けを行ってくれている間に、皆で装備などのチェックを行う。

 チェックといっても、武器や防具などを身に付けたり、アイテムをすぐに使えるよう袋に入れたりするだけなのだが。


 マルカの片付けも終わり、出発の準備が整う。

 今日、このダンジョンから出られるよう、頑張ろう。


「よし、決戦だ。皆、準備は良いか?」

「はい!」

「ん」

「はいです!」

「はーい。いいよー」

「大丈夫、いつでも行けるよ」

「はわわ……がばる、です」

「やってやるです!」

「良いわよ!」

「皆さん、頑張りましょう」

「おっけー、ボス!」

「ばっちこーい!」

「大丈夫です!」

「むふふ、早く終わらせるぞい!」

「いつでも良いぜ!」


 念の為、家をそのままにして出発する。

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