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ステータスマイスター  作者: なめこ汁
第二章
126/145

第33話 ガルミ

 翌朝、物音で目が覚めると、皆は既に起きており、ダンジョンに行く用意をしていた。

 相変わらず、ダンジョンに行く日だけはファラですら、早起きをするようだ。ミリアに起こされたりしているのだろうか?

 俺はまだ寝ていたいが、そういうわけにもいかないだろう。

 渋々起きることにする。


「おはよう」

「おはようございます」

「おはようございます、ご主人様」

「ダンジョン前は早いな」

「はい、気合い入れないとですからね!」


 ミリアも絶好調のようだ。これなら心配はないだろう。

 と言いたいところではあるが、ミリアが好調な時は、何かドジをする傾向があるから、注意して見ておかないとな。


「ところで、何の用意をしていたんだ?」

「布団や照明など、ダンジョン内で使う物を整理していました」

「使い方などを教わっていました」

「そうか。大事な物は、皆の分も確認するよう言っておいてくれ」

「はい、任せてください!」


 ミリアとソシエに指示して皆の様子を見て回る。


「おはようさん。何しているんだ?」

「おはよう、お兄ちゃん」

「お、おはよう、タカシ殿」


 ランとルリアが、小さな石のような物を転がしながら遊んでいたので、聞いてみる。


「前衛で連携できないかなって相談してたんだよー」

「連携は大事だからね。闘士の戦い方を教えて貰っていたんだよ。ボクは今まで闘士と一緒に戦った事がないからね」

「そうか。勉強熱心だな。偉いぞ」

「そ、そうかな? ふふ、ありがとう」

「でしょでしょー。ま、前衛はラン達にまっかせてよ」

「頼んだぞ」

「ほーい」

「承知した」


 ランは猪突猛進だからな。ルリアに手綱を握ってもらうのも良いかもしれない。任せてみよう。


「ファラは何をしているんだ?」

「れんしゅう」


 召喚獣と見つめ合ってジッとしていたので、気になった。


「自分を召喚する練習か?」

「そう。もういつでもだいじょうぶ」

「そうか。沢山のファラに囲まれるの楽しみだ。頼んだぞ」

「ん」

「それで、そっちは火魔術の練習か?」


 マリーとパル、パロは魔法の練習をしているようだ。


「えぇ、お二人の熟練度を確認していました」

「ボス、火に関してはもう完璧だよ!」

「アタシも完璧! 次の魔術おせーてよ!」

「ダンジョン内で時間があればな」

「やったね!」

「さっすがボス!」


 最後にジジイの拘束を解いてやる。


「おそいわっ!」

「おはようさん」

「うむ、おはよう。もっと早く解放してくれんものかのう」

「俺が目覚めるまで待て」

「あの子達には触れられぬのじゃ。別に良いではないか」

「ふむ、考えておこう」


 皆には、何かしてきたら俺を起こすように言っておけば良いか。

 どうせ同じ部屋内に居るわけだし。


 それぞれに挨拶を交わし終え、リビングに移動する。


 リビングでは、ミュウが一人で朝食の準備をしていた。

 マルカは、ダンジョンに持っていく食材を並べて、数などを確認しているようだ。


「マルカ、食材は足りるか?」

「ひゃっ!? お、おひゃよございます。き、昨日ミュウちゃんと買ったので、だいじょぶでしゅ」

「そうか。あ、もしかして昨日渡した小遣いで買ったのか?」

「え、あ、うぅ、その、は、はい……」

「ダメじゃないか。必要経費は俺が全部出すから、ちゃんと言ってくれよ。というか、そもそも俺が食材を買わなかったのが悪いよな……すまん。でも、俺に言わなかった罰だ、これを貰ってくれ」

「えぇっ!? だ、だめ、受け取れないでしゅ!」

「ダメだ。これは命令だ。次からは言ってくれよ?」

「あぅあぅ……」


 食材まで気が回らなかったのは失敗だな。マルカが居てくれて、本当に助かった。

 普通に渡したとしても受け取ってくれないだろうから、罰という事にして、新たに3金渡しておく。悪いのは全て俺だけどな……。


「ミュウ! お前にも、小遣いだ。食材調達、ありがとうな」

「本当です! 何でみゅがやらなきゃですか。エロ魔王のせいで、みゅもお姉ちゃんも何も買えなかったです!」

「すまんすまん。助かったよ。これで許してくれ」


 当然、ミュウにも3金渡しておく。

 並べられている食材の数から、相当な金額だったのは分かる。

 仮にお釣りが出ていたとしても、それは手間賃としよう。


「朝飯は……まだのようだな。よし、少し外に出てくるから、用意だけしておいてくれ」

「ひゃい!」

「ふんっ、言われなくてもするです!」


 朝食はまだのようだったので、サラ達を迎えに行く事にする。

 前回は更に驚かれ、悲鳴を上げられてしまったが、流石に二度も同じ事にはならないだろう。


 ミュウの頭に手を乗せ、寝癖のある髪をグシャグシャにした後、神脚でサラの部屋まで飛ぶ。


「ぬあーっ! 何しやが――」


――シュンッ!


 サラは悪戯でもしようかと部屋の中をぐるりと見回すと、サラは既に起きており、ベッドに座っていた。

 惜しいな。


「きゃあ!? た、タカシさん? びっくりしたわぁ……」

「おう、今日は悲鳴じゃなくて助かったよ」

「もう、驚かさないでくださる?」

「すまん。それより、朝食はまだだろう? 皆で飯でも食べながら話をしたいんだが、良いか?」

「えぇ、大丈夫よ。お父様が、出陣式のような事をするとか言っていたけれど、断って、挨拶は昨日済ませているし」


 出陣式って……戦国時代かよ。


「でも、アバン達はどうするの? 私だけ?」

「呼ぶよ。少し待ってくれ」


 アバン達……?

 気になったが、サラの横に腰掛け、アバンを呼んでみる。


――アバンさんっ! アバンさんっ! タカシです! 今、サラの部屋に迎えに来ています! 出発の用意が完了したら、サラの部屋まで来てください!


 業務連絡的な感じになったが、これだけ大きな声で呼び掛ければ寝ていても起きるだろう。


「ふぅ。これで大丈夫だろう。暫くしたらアバンさんが来るから、それまでゆっくりさせてくれ」

「ふぇっ!?」


 ぽふっとサラの太ももに頭を乗せ、膝枕の態勢になる。


「ちょ、ちょっと!?」

「ウチの連中、ダンジョンの時は張り切ってしまってな。皆揃って朝早いんだよ。眠くてさ……ふぁあぁ……」

「もう……仕方がないわね……」


 目を瞑ってまったりする。

 頭を撫でてくれているサラの手が心地良い。


 ミリアにしてもらって以来だから、久し振りで、とても新鮮だ。

 たまにはこういうのも良いな。寝てしまいそうだ……。


「ねぇ、タカシさん?」

「ん、なんだー?」

「昨日はありがとう」

「俺は何もしてねーよ」

「ううん、ありがとう」

「気にするな」

「私が嬉しかったからお礼を言うの。ありがとう」

「ん」


 目を瞑って受け答えしていたが、何か良さげな雰囲気が出てきたので、目を開けてみる。


 サラの顔を見ると、当然目が合う。

 暫く見つめ合った後、サラの顔が近付いてくる。


 これはいただいた、と思ったら何か音が聞こえてくる。


――ドッドッドッドッ


 サラの心臓の音かと思ったら、違うらしい。

 誰か走っているような音が、部屋の外から近付いてくる。


――バァンッ!


 ドアが勢い良く開き、誰か入ってきたようだが、サラの体で遮られていて誰だか分からない。

 サラは姫だ。その部屋にノック無しで入ってくるといえば王か?


「姫様! 団長が出立の準備していたんだが、オレを連れて行ってくれるというのは嘘だったのか!?」


 この声、昨日のおっぱいちゃんか。


「あ、旦那じゃないか! オレも連れて行ってくれ! 頼む!」

「はぁ……お前、タイミング悪すぎ」

「ガルミ……あなたにはがっかりだわ……」

「えっ、えっ!? どういうことだよ! 頼むよ!」

「サラ、どうするよ。何かもう、俺こいつの事、嫌いになりそう」

「えぇ、私もよ……」

「二人揃ってなんだよっ! 女同士なんだし、部屋に入るくらい、いいじゃんかよっ!」


 おっぱいよ、そういう事じゃない、そういう事じゃないんだよ。

 折角狙い通りの良い雰囲気が出来上がったのに、台無しだ。

 それに旦那って何だよ……。


「なぁ、こいつ連れてくの?」

「え、えぇ。昨日そういう話になっちゃって……」

「まじかー」

「まじなの」

「姫様、昨日約束してくれたじゃないか!」

「何でそういう約束したんだ?」

「え、だって……仲間は多い方が良いでしょう?」

「本音は?」

「タカシさんを、幼女好きから脱却させようと……」


 戦力じゃなくて、おっぱい要員かよ!

 俺はもちろん幼女が好きだけれども、おっぱいも好きだから変な気を使わなくて結構だよ!


「おい、がっかりおっぱい」

「なっ、がっ、おっ!?」

「そこで全裸になったら連れていってやっても良いぞ」

「何だ、そんな事で良いのかっ! 待っててくれ!」


 そん、な、こと……だと!?

 まさかと思ったが、衣擦れ音がするので、脱いでいるのだろう。

 昨日、賢者を使って隅々まで確認したから、見る必要は無い。


「旦那、どうだ! これで良いか!?」

「まじか……おい、サラ。そいつ大丈夫か?」

「心配になってきたわ……」


 サラも目を瞑り、眉間を指で摘まんで唸っている。

 そこまでして一緒に行きたいのかよ。


「おっぱいちゃん、お前さ、副団長なんだろう? やらせておいて言うのも何だけどな、プライドとかないのかよ?」

「あるぜ! こんな辱めを受けたのは生まれて初めてだ! でも、旦那に付いていけば、この辱めも些細な事だ!」

「どういうことだ?」

「強くなれるからさ!」

「強くなりたいだけで、俺に好意は無いのか?」

「ないぜっ!」


 はっきり言うやつだな。欲望に忠実なのだろう。そういう奴は、嫌いではない。意識を操作しやすいしな。


「常識的に考えてさ、自分に好意がない奴に対して、恩恵や何かを与えたりすると思うか?」

「思わないな!」

「お前バカだろう?」

「良く言われるぜ! でも、信念は曲げたくない! それに、昨日屈服させられて思ったんだ、この人にめちゃくちゃにされるなら、別に構わないかなと!」

「めちゃくちゃの意味、分かって使っているのか?」

「おう! 当然エロい事だろう? オレだって女だぜ。そういう事くらいは分かるさ! 強い男は好きだし大丈夫だ!」

「強い男相手だったら、簡単に股を開くのか?」

「ち、ちげーよ! オレはまだ処女だ! 何ていうか、女の勘だ。ピーンと来たんだよ、旦那なら、ってさ!」


 大きい声で処女宣言する奴なんて、初めてだ。

 それに、こいつの言う女の勘とか、全く当てになりそうにない。

 女というより、胸以外は発言や行動が男に近いし……。


「お前の守護対象である姫の男を、寝取るのか?」

「うっ、そう言われると困るな。なぁ、姫様、いいかな?」

「はぁっ!? し、知らないわよ……」

「ダメそうだぞ?」

「別に奪うわけじゃないんだしさ、姫様、ちょっとだけだ、な? ちょっとだけだからさ!」


 いけないビデオの男優みたいな台詞になってやがる。


「あなたってそんなキャラだったかしら……」

「付き合いが長いわけじゃないのか?」

「えぇ、先日のダンジョンから帰ってきた後、専属になったのよ。確かに、遠慮の無い子だとは思っていたけれど……」

「サラはどうしたい?」

「私は……うーん……」


 サラは面倒見が良いし、相性は良いのかもしれないが、今後苦労するのは目に見えているな。


「あの、そろそろ良いですか? ガルミ、早く服を着なさい」


 サラと二人、ガルミの対応について考えていると、アバンの声がドアの方から聞こえてきた。


「き、きゃあぁっ!? だ、団長!? 見るな、あっち向けっ!」

「見てませんから、早く服を着なさい」

「誰だあいつ」

「さぁ……二重人格かしら」


 俺やサラに裸体を晒すのは良かったくせに、アバンに対しては、悲鳴を上げるのかよ。

 見られるのは、俺とサラが許容範囲内だったのだろう。

 だよな……?


「姫様、タカシ様、ガルミがすみません。何か問題など起こしてはいませんか?」

「えぇ、大丈夫よ」

「問題ないですよ。どういう子か確認していただけですから」

「良かった……。私の方は準備完了です。もう出発されますか?」

「そうですね、もう朝食も出来ているだろうから、行きますか」

「ちょ、ちょちょ、ちょーっと、待った! オレ! オレも!」

「はぁ……分かったよ。但し、パーティーメンバーは、全員がお前より年下だ。それでも、皆の指示は厳守だぞ?」

「もちろんさ!」

「もし逆らったりしたら、置き去りにするからな」

「オレはこう見えて、集団での上下関係には厳しいんだぜ。相手が年下だろうが、オレの上の立場なら逆らわないさ!」


 年下と言っても幼女だけどな。

 ミュウ辺りが調子に乗って、色々と命令しそうだから、あいつらには指示させないようにしよう。


「それじゃあ、行こうか」

「えぇ」

「はい」

「おう!」


 三人の触れてもらい、屋敷に戻る。

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