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ステータスマイスター  作者: なめこ汁
第二章
124/145

第31話 説得

 翌朝、朝食を摂った後、早々にクドラングに向かう。


 皆には今日一日をオフにすると伝え、小遣いを渡し、クドラングの街中で解散するが、ランとジジイだけは連れて行く。

 ランは面倒な事になった際の保険、ジジイは自由にさせると危険なので、監視の為だ。


「それじゃあ、夕方ここに集合すること」

「分かりました。タカシさんもあまり変な事しないでくださいね」

「変な事って何だよ。何もしねえよ?」

「はぁ……まぁいいです」


 ミリアが何か人聞きの悪い事を言っているが、別に悪い事などをするつもりはない。

 心配性だなぁ。


「あ、あの! ウチらもいいんでしゅか!?」

「おう、いつも頑張ってくれているお礼だ。今日は楽しんでくれ」

「あ、ありがとござましゅ!」

「ふふん、いつもがんばってるみゅには、このくらい当然です」


 マルカは、自分もオフを貰えるとは思っていなかったみたいで、とても恐縮していたが褒美は必要だ。

 家族も居るだろうし、たまには自由にさせてあげないとな。

 どうせミュウも付いて行くのだろうが、そこは任せよう。


「ルリア、小遣いで装備は買うなよ?」

「な、なぜ!?」

「後から一緒に買うからだ。その小遣いは、装備以外に使え」

「うぅ、ボクは別に欲しい物なんかないんだけど……」

「マリー。ルリアに女子力の高い買い物というものを教えてやれ」

「承知しましたです!」


 マリーに翻弄されるルリアの姿しか想像できないが、無駄な武具を買われるよりはマシだろう。


 後は、ミリアとソシエがペア、ファラはパル、パロとグループで行動をするようだ。

 大体どんな事をするのか、簡単に推測ができる組み合わせだが、今日は自由行動だし、何も言うまい。


「のう、主よ。何で我は皆と一緒に行けないのじゃ」

「お前の女遊びに、あいつらが居たら邪魔だろう? 今度ゆっくり一人の時にでも堪能しろ」

「ほほう、そういうことか……あいわかった。お主もしっかりと、我の事を考えてくれておるのじゃな。恐れ入ったわ」

「だろう?」


 まぁ、ゆっくり一人になれる時間なんか作るわけ無いけどな。

 扱いが簡単なので助かる。


 皆と別れ、三人でクドラング城に向かう。


「おや、今日は徒歩なのですね」

「えぇ、たまにはね。いつも驚かせていますし」

「ら、ラン様! お、おかえりなさいませ!」

「ただいまー」


 いつも驚かせてしまっている門番は、一緒に居たランの事に気が付いたようで、今回はアバンを待たずに中へ入れてもらえる。


「さて、アバンさんの所か、サラの所か、どっちに行く?」

「ランが居るし、お姉ちゃんの部屋にも通して貰えると思うよー」

「じゃあ、サラの部屋に行くか」

「ほいほい」


 ランを先頭に城の中を歩く。

 オスルムダンジョンに行く前は忙しそうにしていたし、いい加減仕事が落ち着いているといいのだが。

 サラの部屋前に居た侍女らしき女性に、アバンを連れてくるよう伝えておく。


「お姉ちゃーん、入るよー」


 ランはノックして、相手の返事を待たずに部屋へと入って行く。

 本当、こいつは雑だな。まぁ、姉妹だから良い……のか?


「サラ、入るぞ」

「おじゃましまーす☆」


 あ、ジジイがアルメちゃんモードになってる。


「あ、タカシさん! 会いたかったわー!」


 ジジイの豹変に気を取られていると、サラが抱き付いてきた。


「あぁ、タカシさん成分を補充しないと。すぅはぁ……」

「お姉ちゃんって、そんなキャラだったっけ……」

「うるさいわね。いつもタカシさんと一緒に居るあなたには、この辛さが分からないのよ」

「へっへー、いいでしょう?」

「うるさい。尻尾焼くわよ!?」

「ひどい!?」


 サラの、ランに対する扱いが俺に似てきた気がするが、イジられキャラで定着してきた今となっては普通の流れか。

 そんなサラのお尻を揉んでおく。


「もう、タカシさんったら……。ところで、今日はどうしたの? あら、見ない子ね」

「アルメでーす。よろしくね、お姉ちゃん☆」

「まぁっ! 可愛いわね。よろしく、アルメちゃん」


 頭を撫でられたジジイが両手を広げて、サラの胸に抱きつこうとしていたので、引き剥がしておく。


「おい、俺の女に手を出したら、分かっているな?」

「うっ……」

「俺の女だなんて……うふっ」

「しかし、今のはそういう流れじゃろう!?」

「こんな小さな子に、そこまで厳しくしなくても良いじゃないの」

「騙されるなよ、中身はジジイだぞ?」

「えぇ!?」


 アルメの頭を撫でていたサラの手が止まり、一歩後に下がる。


「ほ、本当なの?」

「あぁ、この通り外見は幼女だが、中身は男だ。ほら」

「ちょっと、タカシさん!?」


 スカートを捲り上げ、パンツを下げて中身をサラに見せる。


「あら、ほんと。無いわね」

「無いだろう?」

「うぉい、何をするかっ!」


 簡単にジジイの説明を終え、再び話を戻す。


「そういえば、今回のダンジョンは早かったわね」

「おう、簡単だったしな。それで、次のダンジョンを決めたから、サラに報告を、と思ってな」

「うふふ、そういうマメなところ大好きよ。ありがとう。それで、次のダンジョンは何処なのかしら?」

「皆と相談して、クドラングということになった」

「クドラング!? もうそんな域に達しているの!?」


 別に、簡単に攻略が出来る域に達しているわけではない。

 正直厳しいだろうが、中で訓練すれば大丈夫だろう。


「苦労はするだろうが、皆で協力して進めば大丈夫だろう、という結論に至ったんだ」

「ダンジョン、あぁ、だったらお父様やお母様に何と説明、うぅ、何から準備すれば。ええと、装備とアイテムと……」

「とりあえず、アバン呼んどいたよー」

「そ、そうね。まずは、アバンに相談かしら!」


――コンコンッ!


 その時、ちょうど部屋がノックされ、アバンがやってきた。


「アバン、ちょうどあなたの話をしていたのよ!」

「え、はぁ。何をそんなに慌て……まずは落ち着きましょう?」

「落ち着いてられますか、とうとうこの日が来たのよ、アバン! ダンジョンよ、ダンジョン。クドラングのダンジョン!」

「おぉ、タカシ様。クドラングダンジョンに行かれるのですか?」

「はい。次のダンジョンはクドラングにします」

「なるほど。姫様のこの慌てたお姿……そういうことですか」


 サラは顎に手を当て、部屋の中をウロウロしているが、アバンは落ち着いているな。

 この差は何だろうか。


「アバンさんは驚かないんですね」

「えぇ、タカシ様達の実力であれば、近い内に行かれるだろうなと思っておりましたので、特には」

「そうですか。サラは、あのダンジョンが悲願のようだったので、連れて行ってあげたいと思っているんですが、どうですか?」

「うーむ……そうですね。ガス様マル様がお許しになるかどうか、というところでしょうか」

「あぁ、そういえばそうか。もしかすると、娘が二人共居なくなる可能性だってあるわけですしね……」

「はい。そういうことです」


 ダンジョンで死ぬ気はないが、出られない可能性だってある。

 娘が二人とも居なくなっては、後継ぎが居なくなるしな。

 サラにとって、まずは王達を説得するところから、今回の冒険が始まるわけか。


 前回はマル王妃が許可を出してくれたが、今回は規模が違うし、サラだけではなくクドラング王家にとっての悲願でもある。

 色々と面倒なことになりそうだな。


「サラ。良く聞け」

「え、あ、はい。何かしら」

「王と王妃には、お前の口からしっかりと事情を説明しろ。これはクドラング王家にとっての分岐点だからな。俺は助けてやれない」

「わ、分かったわ。頑張ってみる」

「おう。俺もランも一緒に居てやるから、頑張れよ」

「では、私は、ガス様とマル様にこの事をお伝えしてまいります。サラ様達は、先日食事をされた部屋でお待ちください」


 アバンが早々に部屋を出て行ったので、未だに考え事をしているサラを連れ、大広間に移動する。

 俺達のパーティーにとっては、ただの攻略対象であるダンジョンでも、サラにとっては先祖からの悲願であるわけだから、考える事が色々とあるのだろう。


 部屋に到着するが、下を向いたまま固まっているサラと、次第にソワソワしてきたラン、それをいやらしい目で眺めているジジイ、四人で王達が来るのを待つ。


「待たせたな、サラ。アバンから、クドラングダンジョンに行くと聞いたが真か?」

「えぇ、お父様。またタカシさん達と、行き――」

「ダメじゃ」

「えっ……何で!?」

「聞いた話によると、彼等は十人程度。しかも、幼い女の子ばかりだというではないか。現にそこに居るのも幼女。そんな少人数で、我が国の当時最強とまで言われておった精鋭達でも、攻略する事が出来なかったダンジョンに向かわせる事は出来ん」


 確かにウチは幼女が多い。

 でも、その当時最強の精鋭にも勝ってしまうんじゃないか?

 まぁ、そんな事口が裂けても言わないが。


 それにしても、ジジイを連れてきたのは失敗だったかも……。


「でもっ! あの子達はとても強いの! 魔導士も居るのよ!」

「それでもだ。お前達姉妹を、死地に向かわせるわけにはいかん。前回はマルが勝手に許可してしまったが、今回はダメだ」

「ごめんなさいね、サラ。あの後、私怒られたのよ、我慢して?」

「そんなっ……お願い。必ず攻略してくるから!」

「ダメだ」


 ダメっぽいな。

 サラ達を連れて行くのは諦めるか……。


「お願い! ダンジョン攻略は、私の夢でもあるのよ! ご先祖様だって、喜ぶはずだわ!」

「何度お願いしても、ダメなものはダメだ」

「うぅ……お願いよぉ……一生のお願い、今回だけだから」

「今回だけはダメだ」

「サラなら、私達の考えが分かるはずよ、理解して?」


 泣いてお願いしても、ダメなものはダメか。

 俺が親でも、同じように止めるかもな。俺が一緒に行ける親なら話は別だが、何もしてやれない苦しみは親にしか分からないしな。


「うぅ……何でよぉ……夢なの。夢なのよぉ……」


 膝から崩れ落ちて泣いてるし、見てられないな。

 その夢は叶えてあげたいが、俺等が攻略してしまったら、二度と叶えてあげることはできないしな。


「ダメって言われても、ランは行くよー」

「なっ、おい、ラン!?」

「今サラに言ったじゃない。聞いていなかったの、ラン?」


 ランめ……面倒な事言いやがって。後でお仕置きだな。


「えー、だってランはタカシくんの妻だもん。夫が死地に行くのに指を咥えて見てるなんてできないし。それにさ、今はタカシくんの奴隷だし、離れちゃうと死ぬから、行かないわけないじゃん?」

「な、何!? お前、今何と言った!? 奴、隷だと……?」

「うん、パパ。ランはタカシくんの奴隷だし、お嫁さんだよー?」

「き、貴様! 娘に何という……。これでも王族なのだぞ!?」

「ら、ラン。ほ、ほほ、本当なの!? 奴隷というのは……」

「うん、そだよー、ママ」

「おい、貴様! 嫁にやるとは言ったが、奴隷とは何だ! おい、黙っていないで何とか言え!」


 こいつ……もう何も隠す気がないな。

 しかも、俺にウインクなんかしやがって。わざとかよ……。

 俺は今回助けないって言ったじゃないか。


「あぁもう、面倒な事しやがって」

「ふふ、後はお兄ちゃんに任せるね。お姉ちゃんを助けてあげて」

「はぁ……ラン、これは貸しだ。後からお仕置きだからな?」

「うんっ!」


 さて、どうしたもんか。

 いっそのこと、ここでクドラングの歴史を終わらせてやるか?


「お義父さんもお義母さんも、俺の奴隷にしてあげましょうか?」

「なっ!?」

「えっ!?」


 少し話の流れを変えたかっただけなんだが、ちょっと違うか。


「奴隷の解除ってのは、教皇しかできないらしいですが、どうやら俺は、伝説の勇者という奴らしくてね。奴隷にしたり解除できたり自由にできるんですよ」

「ゆ、ゆうしゃ、だ、と!?」

「えぇ。そうです。その勇者とやらの恩恵をランに与えるために、わざと奴隷にしています。あぁ、誰にも言っていないので、これは内緒でお願いしますね?」

「か、仮にそうであったとしても、だ。王族を奴隷にするとは、勇者であっても許される行為ではないぞ!」


 いちいち王族王族ってうるさいな。俺から見たら、ただの狸だ。


「王族だからって何ですか? 俺はこの世界の人間ではないので、そういう常識とか知らないんですよ、すみませんね」

「な、なんだとっ!?」

「ランの成長の為だって言っているでしょう? 立派に育ったら、奴隷は解除するから安心してください」

「そういう問題ではない! 大体、貴様、勇者を語るとはっ!」

「ほ、本当に、あなたは勇者、なのですか……?」

「えぇ、不本意ながらそうらしいです。だから、ここは勇者の顔に免じて、サラの夢を叶えてあげてくれませんかね?」


 マルは少しだけこちら側に傾いてきたな。後はガスか。


「嘘に決まっておる! 平和な世界で勇者が居るわけなかろう!」

「俺だって知らないですよ。周りの人間が勝手に、俺の事を勇者と言っているだけであって、俺は別にどうでもいいですし」

「こんな適当な者が勇者なわけがない!」

「えぇ、そうですね」


 いい加減面倒になってきたので、国を亡ぼすぞと脅すか?

 そんな事を考えていると、ジジイが前に出てきた。


「さっきから聞いておれば、ガス。お主も偉くなったものじゃの」

「なん、だと!? 幼女の分際で!」

「アルメたんの悪口を言うでない! こほんっ、我がお主に魔術を教えている時、お主はあのサラという子と同じように、ダンジョンに行かせてくれと親に泣いて頼んでいた時があったのう。その時、我はどうしてやった?」

「ダンジョンに……泣いて? そんなこと……」

「あぁ、そうそう。こいつは俺の奴隷でアレスティア・ファルメルっていうんですが、知ってますかね?」

「ファルメル……先生!? この幼女が!?」

「あの賢神の!?」

「奴隷は余計じゃっ! おほん、そうじゃ。我は、アレスティア・ファルメル。この姿は仮の姿。お主に魔術の基礎を教えてやった、アレスじゃぞ。まぁ、結局お主は覚えられなかったがの」


 俺の言う事は聞かなかったガスが、大人しくなった。ジジイに、何か恥ずかしい過去でも握られているのか?


「今は、この勇者の奴隷をやっておる。それで、当時の同じような状況の時、我はどうしてやったかのう? ほれ、言うてみい」

「と、当時は、その、若かったもので……」

「そういう言い訳するところは、昔と変わらんの。我は、お主を親に口添えしてやったじゃろ? 我が共に行くから安心せえ、と」

「は、はい。でも、しかしっ! 当時行ったダンジョンと、サラの行くダンジョンとでは、レベルが違いすぎます!」

「そうじゃが、今回は我だけではなく、伝説の勇者様も居るぞい。それでも、不安かの?」

「いえ、その、先生が居るのは有難いのですが、こやつが……」


 何なんだよ、このおっさん。俺には抵抗するくせに、ジジイの言う事はしっかり聞くのかよ。


「そんなに俺の事が嫌いなら、勇者の敵ってことで、クドラングを地図上から消してやりましょうか?」

「なっ!?」

「やめんか、主よ。はぁ……のう、ガスよ。我の主はこう言っておるが、これでも勇者じゃ。それを出来るだけの力を持っておるぞ。それでも不安かの?」

「ほ、本当ですか!?」

「うむ、我は魔術について嘘を言った事はあるかの?」

「いえ……」

「サラという子には、それだけの実力を持った仲間が居るのじゃ。それでも、行かせぬと言うのかの?」

「しかし……」


 王族王族言っていたおっさんが、今は幼女の言いなりだ。

 滑稽な姿だな。


 まさかの展開ではあるが、今はジジイに乗っかっておこう。


「もう良いぞ、ジジイ。面倒だ。サラを攫って、クドラングを一度滅ぼそうぜ。それでダンジョン攻略後、新しい国を造ろう」

「だから止めぬか! ふぅ……ガス。我の主は本気のようじゃぞ。どうする?」

「わ、分かりました。私も一国の王です。国を亡ぼすわけには参りません」


 ランが“さらをさらう”に反応して、後ろを向いたままプルプルと笑っているが、何とかなりそうだな。


「サラ。先程は、すまんな。意固地になっておった。ダンジョンに行く事を許可しよう」

「ありがとう、お父様!」

「但し、無理をするな。しっかりファルメル先生の指導を受けろ。それと、あいつとは……その、あまり仲良くするな」

「あいつ? タカシさん?」

「あぁ、そうだ。あいつは勇者だろうが、好かん」

「そ、それは、その。もう無理っていうか……手遅れっていうか」

「お、おい。まさか、まさか……」

「はい……えへへ……」


 サラとガスのやり取りを見ていたら、顔を真っ赤にしたサラが、見た事のないような照れ笑いをしている。

 あんな顔も出来るんだな。可愛いじゃないか。


「き、きさまぁぁぁぁ!」


 ガスが腰に下げていた剣抜き、斬り掛かってきた。

 あのやり取りだけで何があったのか察したのか。すごいな。


――ガイィィン!


 斬られても大丈夫なよう全身を強化して、物理耐性や斬撃耐性を最大まで上げておいたので、剣を腕で弾く。

 色々と神口を省略化しておいて良かった。


 でも、サラに手を出したことがバレたわけだから、少しくらいは殴られても良いと考えていたが、まさか弾くとは……。

 弱いな、ガス。


「やだ、お義父さん。息子に斬り掛かるだなんて、信じられない」

「うるさい、気持ち悪い口調で喋るな! あと、父ではない!」

「あ、そうだ。俺が勇者だってことは、黙っておいてくださいね。面倒な事は嫌いなので」

「うるさいうるさい! この、この!」

「サラ。良かったな、許しが出て」

「えぇ、ありがとう。ファルメル様も!」

「おう。明日迎えに来るから、用意しておいてくれよ?」

「お礼は体で頼むぞい? むふふ……」


 ガスの斬撃を腕で弾きながら、ランとジジイを回収。


「それじゃあ、お義父さん、お義母さん、アバンさん。また明日」

「このっ、このっ、このぉぉ!」

「え、えぇ」

「はい、用意しておきます」


 ガスが剣を振りかぶったところで、屋敷に戻る。


――シュンッ


「はぁ。何なんだよ、お前の親父は……」

「あんなパパ見たの初めてで、面白かったなー」

「おいおい、斬られる身にもなってくれよ」

「そんなことより! 我頑張ったと思わぬか? のう! のう!」

「おう、良くやったな。まさか面識があるとは思わなかった」

「うむ。頑張った我に何かないのか? ほれ、褒美じゃ褒美」

「ほれ、揉んで良いぞ」


 ジジイの目の前にランを差し出してやる。


「ひょー! 最高じゃー!」

「ちょっ! ちょっと! 自分の女には手を出させないんじゃな、あんっ、ちょ! やめ! ダメだって! んぅっ!」

「おっぱいじゃー! おっぱいおっぱい! ぱいおつー!」

「はい、それまでー」

「ぎゃあああああっ!?」


 十分揉んだだろう。いつもの呪いを発動しておく。


「はぁはぁ……もー! お兄ちゃん!」

「今回だけだ。お前の姉を助けたんだから、少しは多目に見ろ」

「ぐくっ……われ、がん、ばったのに……」

「何だ、ラン。俺以外で変な気分になったのか?」

「ならないよ! 幼女だし!」

「そうか? じゃあ変な気分にしてやろう。こっちこい」

「えっ、えっ、ちょっと!?」


 倒れているジジイを放置して、ランを寝室に連れて行き、全身を使ってお仕置きをする。

 そのお仕置きを、ドアの隙間から家政婦よろしくジジイが覗いていたが、まぁ、これも褒美だ。

 結局今回は、王に喧嘩を売っただけで、俺は何もしていないし、見る分には許してやろう。


 ふぅ……。

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