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ステータスマイスター  作者: なめこ汁
第一章
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第10話 勉強会1

 俺の膝には座ってくれないらしい。まずはそこから目指そう。

 じゃなくて、ステータスとかジョブの話だった。


「……だよね。えっと、ジョブとかスキル、それにステータスについて知りたいんだけど」

「聞きたい事があるなら、ふざけないでちゃんと聞いてください」


 怒られた。まぁ、仕方ないか。またあのお尻を味わいたかったんだけど仕方がない。また今度だ。


「ジョブってどのくらいあるの? どうやって変えることができるの?」

「そんなことも知らないんですか!?」


 あ、これ地雷踏んだかも。元の世界でいう、幼稚園児でも知ってるようなことだったらまずいな。誤魔化しが効かない。

 そうなったら、記憶喪失ということにでもしておくしかない。


「少し前に色々あってね。そういう知識が一切無いんだよ」

「そ、そうなんですね……ごめんなさい」


 少し前に異世界から来たから、こっちの世界の知識がない。うん、ウソではない。でも何か勘違いしてくれたみたいだな。


「いや、いいんだよ。そういう訳で、誰でも知っているような世界の常識でも、俺には分からないことばかりなんだ。だから、ミリアには色々と教えて欲しい。面倒や苦労を掛けるかもしれないけど、よろしく頼むよ」

「そういうことでしたら、何でも聞いてください」


 何とかなったな。でも、同情しているような目で見られている。

 そんな顔を見ると、ウソを吐いたみたいで申し訳ない気分になるけど、今はこのままにしておこう。


「えっと、ではまずはジョブからでしたね」

「はい。お願いします。ミリア先生!」


 先生という言葉に気分を良くしたのか、無い胸を張って説明してくれる。正直チョロい。

 悪い大人に騙されないよう、俺が守ってあげないとな!

 そう考えながら、ミリアの説明を聞いていると、ジョブというものは、どうやらこういうことらしい。


・人は生まれてすぐ村人だということ。

・一定の条件を満たすとジョブを得られる。

・得たジョブに就けるとは限らない。

・ジョブには下位ジョブと上位ジョブがある。

・冒険者などの下位ジョブは条件さえ満たせばすぐに就ける。

・稀に複数のジョブに就くことができる人がいる。

・教皇は神の加護という、ジョブを変えるスキルを持っている。

・神の加護を使っても必ずジョブを変更できるとは限らない。


 なるほど。じゃあアンノウンの神手というスキルは何なのだろうか。教皇と同じスキルなのだろうか。

 色々考察していると、ミリアが続けてスキルの説明を始めた。スキルに関しては次の通りだそうだ。


・ジョブに就くだけで得ることができる。

・レベルを上げると使えるスキルが増える。

・常に効果があるもの、その都度使わないといけないものがある。

・スキルは生命力を使用する。

・魔法もスキル扱いだが、生命力ではなく精神力を使用する。

・スキルは自身の能力により強さが異なる。

・魔法は自身の魔力により効果が異なる。


 生命力というのはHPのことで、精神力というのはMPのことだろうな。そして、自身の能力というのは、ステータス依存ってことだろう。

 そこで気になっていたミリアの魔法の事を聞いてみた。


「ミリアは魔法使えないの?」

「えっと、その……」


 すごく悲しそうな顔をしている。何かあるみたいだな。言い辛いなら無理して言う事もないだろう。


「ごめん、言い辛そうだね。別に大丈夫だよ。まだ時間は沢山あるからね!」

「うぅ、ありがとうございます」


 暗い感じになってきたので、話題を変えることにする。


「そういえば、ギルドを出る時は急いでたから、収集と討伐の依頼を中身見ずに受けてきちゃったんだけどさ、猪とウルフが居るところって知ってる?」

「えぇ!? 何でそんなことしちゃったんですか! しかも、よりによってウルフなんて……」


 やはり、上のランクの依頼を受けたのはまずかったのだろうか。でも受けちゃったしな。


「やばかったら逃げれば良いし、大丈夫じゃない?」

「ウルフは賢いので、群れて行動するんです! だから、逃げることなんて出来ませんよ!」

「そうか……でも受けちゃったし、違約金なんて払えないから、何とかしないと」

「無理です! 私なんか、すぐ食べられちゃいます!」


 そんなにやばいのか。元の世界じゃ狼なんて見たことないしなぁ。でも大型犬の群れだと考えれば……うん、無理だな。


「まだ死にたくないです! お母さんにお金を貸してもらって、違約金払いましょう! ね?」

「でもなぁ……」

「まだ私達には無理ですし! それに夜にならないと人前には出てこないので、今ならまだ大丈夫です!」


 本気で嫌がってるな。仕方ない。ひとまず保留するか。


「ちなみに、どのくらい強いの? ランクDだし、そんなに強くないよね?」

「ランクEとDでは、全然違います! ウルフ自体はそんなに強い力は持ってませんが、群れているので、ランクEの冒険者がフルパーティーで、しかも2組くらいで討伐に向かうくらいです!」


 そんなに違うのか……狼恐るべし。

 でも、さっきのミリアのステータスを見て思ったけど、レベル1の冒険者の10倍くらいの能力があるんだよな、俺。


「ちなみに、2組でパーティー組んで討伐に向かう場合、平均的なレベルってどのくらいなの?」

「3とか4です」


 レベル4の冒険者だと、増えたポイントを全てSTRに振ったところで攻撃力50行かないよな。俺、素手で倍以上の攻撃力あるんだけど。


「ふむ。それでさ、STRやMAGとかってどうやって振るの?」

「えすてぃ? え? 何ですか、それ? 振る? 何をですか?」


 あれ……? ミリアが首を傾げながら手を振る仕草をしてる。本気で知らないみたいだな。言い方がまずかったかな。


「えっと、レベル上昇と共に実力が付くわけじゃん? 力が上がったり、魔力が上がったり、さ。それってどうやって分かるの?」

「それは本人が力が強くなったとか、使う魔法が強くなって初めて気が付くものじゃないんですか?」


 質問に質問で返されてしまった。本当に分からないようだ。そもそも、ポイントを割り振るということ自体が存在しないのか?


「じゃあさ、力とか魔力ってどうやって上げるの?」

「今自分で言ってたじゃないですか。実力を付けるって。実戦を重ねたり、修行をしたりすれば強くなれると思いますけど」


 確信した。ポイントという概念がないようだ。

 じゃあ俺に見えている、この基本値と、明らかに余っているであろうポイントはどうすれば良いのだろうか。自分で割り振ることができれば良いんだけど、できそうにないし。

 実践や修行を行うと、その内容によって勝手に割り振られるとか、そういうことなのだろうか。それは勿体ないな。折角長所を伸ばす機会なのに。


 ひとまずはポイントのことは保留だな。レベルが上がる度にポイントが勝手に使われていないか確認しておこう。


「そうだよな。まぁ、とりあえず保留だね。そろそろお昼になっちゃうから、まずは薬草収集と鉄鉱石の収集、兎と猪の討伐を終わらせようか!」

「よく分かりませんが、了解です。でもウルフは嫌ですからね!」


 そういって、話を切り上げて森に入っていくことにした。

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