プロローグ
Q.将来の夢は?
A.わからない。
Q.行きたい大学は?
A.はっきり決まっていない。
・・・・と16歳の高校生、神原 真は言う。
現代の高校生としては珍しくないこだ。夢があるわけでもなく就職するのは嫌だが、親に迷惑をかけたくはないから一応就職を目指す。
夢をもってかなえる為に努力をする人をアニメやドラマなんかでいう主役とすると、僕は通行人Aといったところだ。ただ人の流れにまかせて歩いていくだけ。
今日も耳にイヤホンをつけふらふらと歩いていた。
歩いていると女性が不良に絡まれていた。
「どこ見て歩いてんだ!服汚れたじゃねぇか!!」
「ほんっっっっっっとうに、ごめんなさい!!!!!!!」
「弁償しろ。10万だせ。」
「そんなお金持ってません・・・・」
「じゃあ体で払ってもらうぞ」
まずい状況だった。周りの人たちも見てみぬふりをしていた。自分を除いては。
「女性にそんなことするなんて最低ですね」
「なんだお前っ!?」
「ただの高校生です。」
「なんだ?お前がかわりに払ってくれんのか?」
「高校生が払えるわけないでしょう。けど、いいんですか?こんなところで騒いでたら警察きますよ。電話してる人もいましたし直に来ますよ。あなたも警察はまずいでしょう。」
「うっ・・・・・ちょっと来い!!」
裏に連れて行かれてしまった。激しい物音があった後静かになったので女性はそっと裏路地をのぞいた。
そこには不良が横たわっていた。僕の長所は肝がすわっていること、そしてちょっとだけケンカが強い・・・いいようにいうと少しスポーツができる。広く浅くというやつだ。この不良はびっくりするくらい弱かった。よく不良をしていたものだ。
そんなこと考えていると、女性が
「大丈夫でしたか?」
(ひとの心配するなんていい人だな)
「大丈夫ですよ。そちらの方こそ大丈夫でしたか?これからはしっかり前向いて歩いてくださいね。」
「あっはい。」
「じゃあ、学校あるので」
と言い残して去ろうとすると、女性がなにか考え事をして、
「あーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!」
(な、なんだ!?)
「もしかして、神原 真君?」
えっ・・・・・・・・・・・・!?