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神聖魔法と残念美人

「あはははははははははっ」


俺がミアとアーサーから虐待を受けていると、すぐ近くから明るい笑い声が聞こえてきた。

恨みがましい目で睨む。


「あははは、ごっごめんごめん、皆さんがとても楽しそうだったので、なんだか自分も楽しい気持ちになってしまって」


「んーたしかジンとアーサーより一歩早くゴールした人だよね?たしかリッく・・・」


「始めまして美しいお嬢さん、私リック・ブッテン・エルロックと申します。どうぞおみしりおきの程を」


そういってミアの手にキスをする。

なんだこの痛痒い奴は始めてみたぞそんなことする奴。

もしやこの世界の常識なのか?エファリースぱねぇっす。


「あら~美しいお嬢さんだって、きいた?バルア、ジン、やっぱり貴族の挨拶は一味ちがうわね~」


ふむ、今のが貴族流の挨拶と言うのか。

あと一味ちがうとか言い方がおばさん臭いぞミア。

ズドンッという音とともに強烈なボディーブローを食らう。

ぐはっ何故分かる。


「だからあんたは、そういうことは顔にでんのよ!」


ニコニコしながら怒気を振りまく、アーサーがびびってるぞ。


「げほっげほっ俺はジン、ジン・マツナガ」


「私はミア・ユースクッド、こっちはバルア・ユースクッドよ。少し無口な子だけど気にしないでね」


「・・・よろしく・・・」


「私は「お久しぶりでございますアーサー様」」


「知り合いか?」


「えぅ?いっいや、その」


アーサーがうろたえる、どうやら向こうはアーサーのことを知っているが(王子だしな)アーサーは覚えてないらしい。


「いえ、お気になさらないでください、幼少のころに1度お話をさせてもらっただけですので。私エルロック男爵の三男リック・ブッテン・エルロックにございます。」


そう言って何も気にしてませんよ?という感じに微笑む。

むぅ、なかなか好男子じゃないか、まぁ俺には劣るがな。

ダークブラウンの髪を七/三にわけ、七を前に垂らし三を横に分けている。

目はうすい翠瞳、顔立ちは整っているがそこまでの美男子というほどでもない。

眼鏡をかけているのが特徴といえば特徴か。

歳は今年20になったらしい、魔術師が好んで着る亜麻製の上着とズボン、革のブーツに魔法学校の刺繍がはいったローブを纏っている。

リックは周りを見渡し、アーサーを見て何かを言いかけたが途中で口を閉じる。

それから4人に向かって自分のことを話しだす。

どうやらリックはバールバラ大陸中央にある、宗教集合国家へリタリスの魔法学校から、上級学生(日本でいうと大学院)に上がるための実績作りとして、正規冒険者試験を受けにきたらしい。


「でも、私よりも歳が低い人たちが参加してここまで来るとは思っていませんでした。私は将来冒険者として世界中を見て回りたいと思っていまして、貴方達のように歳の近い冒険者とは知り合いになりたかったのですよ。」


おお?俺と同じような目的を持っているんだな。


「俺もいろんなとこを見て周りたいと思っているんだ、もしかしたらその時一緒に回ったりするかもな。そのときはよろしく頼む。」


「よろしくね~、リックさん魔法学校の上級生目指すなんて優秀なんだね~」


「・・・よろしく・・・」


アーサーの奴俺の後ろにささっと隠れて小さい声で「よろしく」という、なぜそういう態度を取るのか分からないがリックは気にしてないようだ。


「・・・っ」


俺は少し頭がふらついて膝を地面に落とす。


「「「ジンっ!」」」


どうやら昨日から血を流しすぎてすこし足りないみたいだ。

その時〈シャン〉という音が聞こえ同時に声をかけられる。


「大丈夫ですか?どうやらかなり広い範囲で傷を負っているようですが」


そこには錫杖を持ち、太陽の絵が描かれた薄い布地のストールを首に巻き、落ち着いた色合いの貫頭衣をきた20代前半の女性が立っていた。

太陽のように明るい金髪を腰まで伸ばし、少しタレ気味の空のように青い瞳。

顔立ちはどこか幼い感じだが泣き黒子がとても艶をだしている。

はっきり言えばすごい美人だ、だがそれだけではない。

貫頭衣の上からでも分かる盛り上がった胸!しかも頭の上には兎の耳、兎の耳!


俺と、バルア、とリックはぽか~んと口をあけて見入っている。

ミアは「すごい美人~」となぜかよろこんでいて、アーサーは頬を膨らませ拗ねているようだ。

なぜここで拗ねる?


「私は太陽神アトゥラム様に仕える太陽神殿の神官リッツ・ホワンポワゥです。その傷のままでは次の試験に支障をきたすでしょう?よろしければ神聖魔法で直しますよ?」


なっなんだと?いきなりすぎて話しについて行けないぞ。


「あっあの~神官様、よろしいんでしょうか?私達も受験者なので神官様のライバルということになるのですが」


ミアがおそるそるといった風に聞いてくれる。


「よろしいのですよ?太陽神様はとてもお優しくておられます。傷ついた人がおられれば傷を癒すのが私達太陽神殿の神官の勤めです。ですがもしよろしければ、治療の後に2つほどお願いを聞いていただけないでしょうか」


「お願いですか?」


やっぱりそう旨い話はないか?俺達で聞ける簡単なお願いならいいのだが。


「はいっ!実はわたくし可愛い物が大好きで」


「「「「「は?」」」」」


「3日前まではリップちゃんをこうぐりぐり~と撫で回してとても幸せだったのですが、今は回りに可愛い物がないのです・・・そろそろ禁断症状がでそうでして・・・」


そういってリッツさんは熱い眼差しをアーサーに向ける。「えぅ!?」


「もうふもふすりすりしたいだけなんです」


ああ、なるほど、この人は残念美人なのか・・・


「分かりました。アーサーをもふもふすりすりしてもらって結構です」


「ええええぇぇぇぇぇぇ!」


すまんアーサー生贄になってくれ「ちょっ、なにかってなこといってんのさ!」 「まぁまぁまぁアーサー、ジンのためにここは一肌脱いでよ」 「~~~~わったよ・・・」恨めしい顔でこちらを睨む。

すまん、お前の死は無駄にしない。


「それでもう一つのお願いはなんですか?」


「あなたの剣を鞘ごと見せて欲しいのです」


「!」


これは神さまからもらった剣と鞘だ。

なるほど、神様に仕えているというならこれがどういうものか分かるのかもしれない。


「見せるだけですよ?」


「もちろんです」


にっこりと笑われた。

鼻の下が伸びていたらしい「私を差し出したくせに!」アーサーに蹴られまくった。






俺は今太陽の絵と複雑な文字が書かれた、人1人が坐れるぐらいの布の上に胡坐をかいている。

傷を癒す神聖魔法を使うのに必要な道具らしい。

リッツさんが錫杖を地面に何度も突き、音をリズミカルに鳴らす。

俺では分からない何か、太陽神に願いごとをかなえてもらう神言を呟いている。

だが今はそんなことはどうでもいい!リッツさんは今踊りを神にささげているのだ!

それなりに激しい動きを俺の目の前で!動くんだよ上に下に!跳ねるんだよぼよんぼよんと!!

リッツさんが上下左右に体を動かすに合わせて俺の顔も動きまくる。

そして一際大きく錫杖を地面に突いたとき、俺の体が熱くなる。

「つぅっ」痛いというより熱くて痒い。くあああああ、かーゆーいー。

あまりの痒さに我慢できず体を掻き毟る。

すると包帯がずれて傷口が・・・ない、全てかさぶたができていてさらにぼろぼろと捲り落ちる。

その下にはつるつるの肌が見えた、すごすぎるだろう神聖魔法。


俺は少し肩で息をしているリッツさんにお礼をいう。


「ありがとうございます、。でもすごいですね神聖魔法って」


「うふふ、太陽神様の愛はとても深く広いのですよ?」


にっこりと笑って太陽神を褒め称える、自分でわなく太陽神を誇るとはまさに信者の鑑だな。


「すごいね~初めて神聖魔法見たけどたった5分ほどで全快してる・・・」


「ええほんとに、私は今回の奇跡を見られただけで試験を受けに来た甲斐があります」


「・・・すごい・・・」


皆一様に驚いている、どうやら傷をなおす神聖魔法はそうほいほいとする物ではないらしい。

そしてリッツさんは言った。


「ではもふもふすりすりしてきますね」


そういっていそいそとアーサーに近ずいていく。

神さまのくれた剣よりアーサーのほうが優先順位は高いらしい。

美人だしすごい神聖魔法を使うのになんというか・・・すごい残念な人だ。


「ハァハァハァ、大丈夫もふもふすりすりするだけだから!!」


「ひぃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」


合掌。




書き終わったあとは、文章の確認シナイトイケマセンヨネ

これからはきっちりとします・w・

皆さんのご感想お待ちしております>w<ノ

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