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シャドウ・ウォーカー、イズィー

パチパチッと焚き火の火が弾ける。

パスコットの森の中川辺の畔に野営する事に決めた。

これは敵に見つかりやすいという欠点もあるが、グレー・マッショアと合流しやすくする為である。

シャドウ・ウォーカー、イズィーがどれほどの手誰かわ知らないが。

あの男が簡単に殺られるとは思えない。

他の受験者に襲われる可能性もあるが、アーサーがいれば皆下手な手出しはしてこないだろう。

わざわざ王侯貴族に恨みを買いたい馬鹿もいないという理由だ。


「みんな~魚が焼けたよー」


「腹へったー、一日中移動してたからなー」


「・・・いただきます・・・」


「こっこれは、どうやって食べるのだ?」


「なんだちびっこ、外で魚を食ったことないのか?こうやって丸かじりにするんだよ」


「私の名前はアーサーだっ!」


「ばっか声が大きい、モンスターが寄ってきたらどうするんだ?」


急いで口に手を当てるちびっこ、くくくこいつからかうの面白いわー。

からかわれたのが分かったのだろう、すごい目で睨んでくる。

難点は小動物が威嚇してる風にしか見えないことだな。


「それにしても、ギルドマークのついた罠はそこら中にあるのに、モンスターどころか大型の野生動物すら見かけないな」


一日森を行軍しても、ギルドマークの入った罠や受験者が張った罠がごろごろしてるのに、モンスターや大型の動物を一匹もみない。

いるのはリスのような動物や空をとんでいる鳥類ぐらいなもんだ。


「んーもしかしたらそういうタレントや、魔法なんかがあるのかもね~、アーサーはそういう魔法とか知ってたり使えたりしない?」


「残念だが私はどちらかと言うと、攻撃主体の魔法しか覚えていない、あとは【ライト】や【マッパー】ぐらいだな。」


「なにそれ、ちびっこ魔法つかえんの?」


「私の名前はアーサーだっ、それに私は王族だぞ?使えるに決まっているだろう」


何それ、王族だから魔法が使えるだと?


「あージンってものすごくド田舎から出てきたんだよね、そもそも始めは魔法の存在すら知らなかったもんねー」


ミアの説明を聞いてちびっこのやつ、ありえないみたいなことを呟いて呆れた顔を向けてくる。


「仕方ないな、私が少し魔法のことをレクチャーしてやろう」


嬉しそうにしやがって、いいだろうちびっこから全てを引き出した後、用済みとなった貴様はまた俺にいじられる運命をたどるのだ、ぐははははは。


「ジンってこういうとき分かりやすいわね~すっごい悪い顔になってるわよ」


いかんいかん顔に出てたか、ちびっこのやつ目に涙を溜めてプルプル震えていやがる、何でこいつこんなに可愛いの?その道も悪くな・・・いかんいかん。


「きっ気おとり直して、魔法とは誰もが使えるものではなく、神々の血をその身に受け継いでる物が修練を重ね使えるようになることが出来る、オストライト王国初代国王は豊穣の女神ヘリエル様の娘セフォネア様との間に子をもうけられた、その特徴は銀髪に翡翠の瞳、時代を重ね血は拡散して行き今や多くの貴族や、中には平民に中にも神の血が受け継がれている物もいる」


「ほー、なら王族だけが魔法を使えるってわけじゃないんだ?」


「確かにそのとおりだが、より血が濃いほうが魔法を使える適正は高いのは確かだ、これはわが国だけではない、全てとはいわないがそう少なくも無い国が神の血をひいているはずだ。」


「あとはね~神様に仕える神官や聖職者達が、仕える神に認められたとき神聖魔法を使える様になるらしいよー。」


ミアが補足して教えてくれる、なるほど、つまり俺には絶対仕えないということが分かっただけか。

ちびすけのやつがドヤ顔をしていたので抓ってやった。


「とにかく魔法かどうか分からないが、この辺にはモンスターや危険な動物が排除されてるかもしれないんだな。」


「そだねー油断は出来ないけど、いないって前提で明日は進もうか~」


「なら明日に備えて今日はもう寝るか、火の番はミア、バルア、俺の3交代いでいいな」


ミアもバルアもそれに承諾したがちびっこは不満らしい。


「私だって火の番はできる!」


「ちびっこは今日一日みてて体力が俺ら3人に比べて少ない、足手まといになりたく無いならしっかりと体力を回復しとけ」


ちびっこは悔しそうにしながら俺を睨んでくる、だからお前は睨んでもちっとも迫力がないんだよ。

悔しくても納得はしたんだろう、何も言わずマントにくるまって数分語に寝息を立て始めた。




何事も無く朝になり、簡単な朝食を取って俺達は移動を開始した。

他の受験者が今どこにいるのか、もうテグロス山脈にたどり着いたのか。

分からない事についての焦りを押さえ、森をすすんでいく。

ただ気になるのは、グレー・マッシュアが一向に合流する気配が無いことだ。

これは最悪の事態も考えたほうがよさそうだ。



昼をすぎ、日が少し傾きかけた時川の先にあってはならない物が見えた。

死体だ、苦しみぬいて死んだのが分かる苦悶の形相したグレー・マッショアの。


「ひっ、いっいやあああああああぁぁぁぁぁぁぁ、グレー、グレェェェェェ!」


アーサーが錯乱したような体で走り出そうとする。


「馬鹿野朗、罠だっ!」


俺はアーサーに飛びつき地面に倒す、ヒュンッという音とともに背中を刃がかすめる。

どこからから攻撃してきた!?


「ジン、アーサー!」


ミアが俺達名前を叫び迎撃体制を取る、バルアも両手にハンドアクスを握り周りを警戒する。


「あはぁ~どうしてばれたのかな~?」


木の後ろからまるで幽鬼のような男が現れる。

顔にピエロのようなメイクを施し黒一色に染めた衣服。

銀の短剣をくるくると回しこちらを値踏みするような目でみている。

おそらくこいつがシャドウ・ウォーカー、イズィー。


「あきらかに罠だろうが・・・」


「うわぁぁぁぁぁ、グレー、グレェェェェェェ」


俺の下から抜け出し泣き叫びながらグレーの死体に縋る。


「ミア、アーサーのことを頼む、バルア、2人でかかるぞっ」


薄気味悪い首筋がぞわぞわとする。

こいつはまちがいなく強い、ただ強いんじゃない顔を見れば分かる。

こいつは人殺しが好きなんだ、それも出来るだけ嬲って苦しみぬいてから殺すのを。

俺は剣を中段に構えて剣氣を飛ばす。


「かあああああああああああぁぁぁぁっっっ!!」


俺の氣に触れイズィーの顔が変わる、とても嬉しそうに。


「あはぁ~いいねー君、うんすごくいいよ~、今回はもう王子様をどうやって殺すかな~って、もうそれぐらいしか楽しみがなかったんだよね~、この業界余計な殺しは信用を失っちゃうからさ~、でも君が王子様を守るなら殺すしかないよね?」


なにが余計な殺しは~だ、そんな事一欠けらも思ってねーだろうが。


松永神明流・二の構え瞬!

おれはイズィーがどう襲ってきてもいいように構える。

これが川辺でまだよかった、森の中だと剣では不利だ。


「あはぁ~いくよ~?」


イズィーが動く、速い!

上半身を前方に落とし左右に体を揺らしながら両手の短剣で切り裂いてくる。

右、左、右、剣ではじき体を逸らし銀閃をかわす。

イズィーのスピードが上がる、一撃、二撃、三撃、かわしきれない、肩を、脚を、腕を斬り裂かれる。


左右の連撃を剣で弾く、奴の体勢が崩れたところで突きを三連撃。

体勢を立て直させない、振り下ろし横に払い小刻みに剣を振る。

だが当たらない技術もへったくれも無い野生のような動き、さらに鋭い突きを繰り出す。

イズィーは無防備に体を後ろに逸らし倒れていく。

そこに横からバルアが両手を交差し体当たり気味に突っ込む、奴の体勢は崩れたままだ。

バルアが両手を振り払う、奴は崩れた体を無理やり回転させバルアの反対方向えと回りながら回避そのままの勢いで立ち上がる。


何だこいつは、動きはめちゃくちゃだ体の軸もぶれまくっている。

なのに速い、一撃は軽いが鋭く変則な動きをするので読みずらい。

頬を掠り腕に傷が走る、致命傷はないがけっして少なくない傷から血が流れていく。

どうやらイズィーは狙いを俺に絞ったらしい、このままでは不味い、血が足りなくなる。

俺は渾身の突きをお見舞いし奴が後ろ体を逸らしたのを見てから後ろに跳び退る。


荒くなった息を整える、イズィーは俺が何かしようとしているのを楽しそうに見ながら動こうとしない。完全に遊んでいる、俺達と奴の力の差は大きい。

俺とバルアの攻撃はまったく当たらず、こちらだけが傷を負い消耗していく。

このまま死をまつだけならばやるしかない!


松永神明流・終の構え幻!


無拍子、無拍子とは技のでを分からせないことにある。

技が見えない、それは全ての予備動作を削り攻撃のテンポを限りなくゼロに近ずけること。

しかしこれは技の出が速すぎて見えないだけであり。

イズィーのような異常な反射速度もってすればかわすことも無理ではない。

では技の出が分からないとわ?それは何気ない動作こうげきともいえない動き。

たとえ目に見えていても技という、攻撃という認識ができない。

きずいたときには当たっている、終わりしか認識できない。

長い間築き上げた修練と何万回と繰り返した型の動き、実践で成功する確立はおそらく3割ほど・・・だが今はこれしかない!


すっと一歩前に出る、誰もが動けない、トスと軽い音がイズィーの肩を貫く。

何が起こったのかわからないそんな顔をして自分の右肩を見る。

ズブズブと剣が突き刺さっていく。


「があああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


イズィーが叫び後ろに逃げる、くそっ刀とちがい剣は突くには余りむかなかったか。

形も違い重さも刀よりずいぶんと違う手元がずれた、だが奴はまだ混乱している逃がさん。


「きええええええぇぇぇぇぇぇぇ!!」


気合を迸らせ上段から一気に振り落とす、イズィーの胸を斬り裂くが浅い!

絶好のチャンスを逃した、今の俺では無拍子に入るのに少し時間がかかる。

今度は奴もその隙を逃さないだろう。


「あはぁ~あははぁ~すごいよ君、なんだい今のは?見えない攻撃かい?まさかタレント使いとは思わなかったよ~、だったら僕も使うかな~」


とぽん、そんな音が聞こえてきそうなそんな消え方だった、影に沈んだ!?

首筋に悪寒が走る、理屈じゃない本能によって前に飛び転がる、首筋を斬撃が掠る。


「あはぁ~僕のシャドウウォークを初めて見て交わせたのは君で2人目だよ~いいよ君、ゾクゾクしてくるよ~」


シャドウウォーク?どういうことだ、いつ後ろに回った!


「さぁもっともっと楽しもうじゃな「【フレイムランス】ズガァァァァァン!!!


イズィーが喋ってる途中にいきなり炎の槍のようなものが高速で飛んできた、激しい音と光、熱波が俺を襲う。

光と音と熱風が収まった後イズィーがいた場所には直径3mほどのクレーターが出来ていた。


「ハァハァハァハァ」


アーサーが肩で息をしている、おそらくさっきのがアーサーの魔法だったのだろう。

普通のときであったら、イズィーもあれがどれだけ速くても避けていたかもしれない。

しかし完全に俺に集中していた上、頭からアーサーのことを見ていなかった。

おそらくいろんな意味で最高のタイミングで魔法がきたのは確かだ。


「倒したの?」


ミアが不安そうな声で確認してくる、おそらく逃げられた。


「流石に塵も残らないということは無いだろう、咄嗟に避けシャドウォークとやらで逃げたんだろう。」


周囲を警戒しつつしばらく様子を見るが、すぐに襲って来ないところ見るとアーサーの魔法で少なからずダメージを受けたのかもしれない。

俺は剣を鞘仕舞いつつ傷の治療をしてもらい、グレー・マッシュを埋葬することにした。








「いいから先に行け、このままじゃ間に合わなくなるぞ、俺はもう少し休んでから行く」


あれから1時間ほどたちそろそろ日が傾きかけたころ。

俺は傷を理由にもうしばらくここに留まるといい、先に先行して罠などの解除をしつつ道の確保を3人に頼んだ。

3人ともこちらを心配しつつ素直に移動を開始してくれた。

俺はここで待つことに決めた、奴は危険すぎる。

このままいつ襲ってくるか分からない状態では、試験どころではなくなってしまう。

決着をつけようかイズィー。




日が完全に落ち夜の闇が世界を覆う、俺は人一人が坐るのに丁度いい岩の上で胡坐をかいている。

首筋にちりっとした感覚。


「でてこいよイズィー、居るんだろう?」


闇の中からピエロのようなメイクをした顔が浮かぶ。

左目付近を火傷が覆っている、やはり【フレイムランス】を避け切れなかったようだ。


「あはぁ~よくわかったね~、それにしても君一人かい~?」


「なんだ?俺だけだと不満か?」


「まさか~、でも僕がさきに王子様を狙うとは思わなかったのかい~。」


確かにそれも考えた、だがお前は俺のとこに来る。

狂った快楽殺人者だが同時にこいつは戦闘狂だ。


「いいやお前は俺の所に来ると思ったよ」


俺もお前と同じ戦闘狂なんだろう、こんなやばい奴だというのに俺は今からの戦闘に興奮を覚える。

だが俺とイズィーは違う、それを教えてやるさ。


「君の名前を聞いてもいいかな~、僕の名前はイズィー・ミリダリィ」


「松永神明流免許皆伝、ジン・マツナガ!」


「ジン君か~いい名前だね~うん、ジン君の名前はづっと僕が覚えていてあげるよ~」


剣を中段に構え神経を集中させる、自分を軸に警戒網の網を広げる。

シャドウ・ウォーク、おそらく影から影えと移動する能力。

暗殺者のとってこれほど重宝するタレントもないだろう。

だが能力が分かり来ることがわかっているのなら対処方はある!


イズィーが闇に沈む、来る!

まるで八つの腕があるようなほどの連撃、三撃を弾き、二撃を避ける。

残る三撃はかわし切れないが浅い、奴が姿を現しまた闇えと沈む。

さらに七連撃を傷を負いながらも凌ぐ。


「あはぁ~ジンく~んこのままだとすぐに終わっちゃうよ~」


そんな事は言われなくても分かっているさ。

影にもぐっていられるのはおそらく3秒、3秒もぐれば一度は外に出なければいけない。

ずっと影に潜っていられるなら奴は無敵だ、そんな絶対に勝つことが出来ないことを心配してもきりが無い、ならば作戦どうり奴をおびき寄せる!

俺は素早く左の森の中に駆け込む、ここからは鬼ごっこだ!





イズィーを一度撃退した後、俺達はまずこれからどうするかを話し合った。


「おそらく奴は傷を治療したらまた襲ってくるはずだ」


「そうだね、悔しいけどあいつ相手に私じゃ手が出せない」


「・・・俺も・・・一度も当たらなかった・・・」


「・・・・・・・・・・・・・」


「おい、アーサーなに呆けてやがる、しっかりしろ次襲われたら俺達は全滅するぞ」


アーサーのやつ、まるで人形のように精気の無い虚ろな目をしていやがる。


「・・・・・もういい」


「何がもういいんだ」


「私が死ねば、あいつも皆を襲ってこない、だから私はここで死「ふざけんなぁぁ!!」」


「何がお前が死ねば俺たちが助かるようなこと言ってやがる、あいつがそんな玉か?いいや違うね、イズィーのやつなら俺達3人を皆殺しにした上でお前の前にほうり捨てるだろうよ、王子様のせいで死んじゃったって。」


「・・・・っだったら・・・だったらどうしろっていうんだよ・・・」


「戦うんだよ、知恵を絞って、罠を張って、皆で力を合わせて。」


「でも皆死んじゃった、クロックもアレーシアもグレーですら、死んだじゃないかぁぁぁ!」


「それでも生きてるなら戦うしか無いんだよ!お前を守って死んじまった3人のことはよくしらねー、もしかしたら命令だから仕方なく戦い死んだのかもしれねー」


アーサーの体がビクッと震える。

こいつももしかしたらそうなのかもと考えそして怖くなり、死に逃げようとしてるんだな。

だけどそんなの俺が許さねー、たった1日だ、だけどそれでも分かることがある。

生意気で男のくせになよっていて、そのくせプライドは高く、怖がりだ。

だけど、俺達を話をしてる時ほんとうに楽しそうにしてた。

グレーの死体を見たとき本気で悲しんでいた。

こいつに手を貸してやりたい、そう思わせるぐらいには、俺はこいつのことが気に入っている。


「お前はこの試験を合格しなきゃいけない理由があるんだろう?王族のプライドかなぐり捨てる位の、だったら俺が手伝ってやる、俺がお前を守ってやる、だから逃げるな、生きるために戦え、ここにいる3人はアーサー、お前だから一緒に戦うんだ!」


「あ~あ、いいとこ全部ジンにもっていかれたな~、ねぇアーサー私達もう仲間だよね?一緒にご飯を食べて、色々お話して、だから死ぬだなんていわないで?一緒にいきましょう。」


ミアがいつもどうりニコニコと笑いながらアーサーの手を握る。


「・・・俺もがんばる・・・だから・・・負けるな・・・」


バルアが顔をあかくしながら親指を立てる。


「うぁぅ、うあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」


少しだけ胸を貸してやる、今は泣けるだけ泣け。







アーサーが泣き止むまで待ち俺達はグレーを【フレイムランス】であいたクレーターに横たえ埋める。

こんな所に埋めるのはしのびないがしょうがない。

つぎに俺の治療を終わらせイズィーを倒すための作戦を考える。


「まずどうにかしないといけないのはイズィーの異常な回避能力だ、ただでさえ当たらないのに影の中にもぐられたらどうしようもない、少なくないダメージを食らってるんだ、次は奴の領分である夜に来るだろうな。」


「んー罠を張るとか?動けなくなるような」


「・・・引っ掛からないと思う・・・・」


「だな、アーサーお前なんかいい魔法もってないか?」


「えっあっえっと・・・僕の魔法も攻撃力はあるほうだけど、命中速度はたいしたことはないんだ。」


ん?なんで赤くなるんだ?耳までまっかだぞ、しかしそれだと手のうちようが内な・・・いや、たしか。


「アーサー、お前たしか【ライト】の魔法使えるっていったよな?」


「え?うん使えるけど、光をだすだけだよ?」


「それって明かりを調節することは出来るか?」


「うん、【ライト】は魔力を多くつかうほど範囲が広がり明かりもつよくなるよ」


「たとえば太陽よりもずっと強い光を出すことが出来るか?」


アーサーはしばらく下に俯き考えながら口を開く


「僕の残ってる魔力全部をそそぎこめば太陽の光の3倍ぐらいは明るくなると思う」


それは使える、影を使う敵を倒す王道ができるじゃねーか。


「皆聞いてくれ」


まずは回りにできるだけ木がない場所を探す。

これはアーサーの持っている【マッパー】を使いすぐに見つけた。

範囲20mほど木が生えてない場所が、ここから30分ほど行ったとこにあるらしい。

魔法は便利なもんだな、次にそこに大量の罠をミアが仕掛ける。

材料はこの森にごろごろ転がっていたな、ギルドマークつきのやつが。

そこに奴をおびき出し、アーサーのライトの魔法で影と奴の目を潰す。

最後に罠とバルアと俺の三連携でイズィーを倒す。

即席の作戦にしてはいいほうだと思う、問題はどうやってそこに奴をおびき寄せるか。


「おそらくイズィーは俺かアーサーを狙ってくる」


「うんそうだね~、あいつに有効な攻撃ができるのは、ジンかアーサーしかいないしね」


「だがイズィーの性格からして俺を狙うと思うんだ」


「・・・俺もそう思う・・・」


「俺がイズィーを罠までおびき寄せる!」


作戦はきまった、あとは日がくれるまでに全ての用意を終わらせるだけだ。


「ねぇジン、きおつけて、絶対僕達ののところまで無事にたどり着いてね」


なぜか顔を真っ赤にしてもじもじと体をくねらしている。

俺にそのヶはねー・・・はずなんだが、たまにもう行っちまってもいいんじゃないか?と思ってしまう、だめだここで流されたら人生が終了して新しい人生が始まってしまう。


「まかせとけ、お前もどじるんじゃねーぞ、頼りにしてるぜ?」


「うっうん、まかせてて!」


満面の笑顔で請け負うアーサー、マジデヤバイカモシレナイ。

そして日が落ち奴のイズィーの気配を感じ取る。


「出てこいよイズィー、居るんだろう?」


そして作戦がはじまった。








イズィーの攻撃を捌きながら森を疾走する。

どうやら影にもぐると俺に追いつけなくなるみたいだ。

だがそれでも奴のほうが素早い、身体能力はイズィーのほうが断然優れている。

俺は体中に奴の斬撃を受けつつ、森の中を疾走する。

出口が見えた、もう少し。

攻撃の気配を感じ取り刀で弾きあるいはかわし、致命傷だけは避けながら走りぬける。

最後の木をぬけた、そのまま広場の真ん中まで走り抜ける、ここで決着をつける!


「あはぁ~鬼ごっこは終わりか~い?」


「ああそうだ、ここで決着をつけようじゃねーか」


俺はイズィーの方に向き直り剣を上段に構える。


松永神明流一の型豪!


一振りだ、最大のチャンスを一振りにかける。


「かああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


俺の気合にイズィーの集中力が増す。


「【ライト】」


アーサーの声が響いた瞬間、背を向けていても目が痛くなるような光が広がっていく、まともに光を見たイズィーは目を潰される。

ミアが仕掛けた罠が次々とイズィーに飛んでいく。

背に1本矢を受けただけでそのほかの全てをかわす。

バルアがイズィーの後ろから襲い掛かる、だがそれすらも気配を感じてかわす。

目が光で潰されていてもここまで避けるか!しかし体勢が完全に崩れる。


「きええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」


完全に捕らえた!

必殺の一撃を振り下ろす、そのときイズィーのかげから黒い靄が伸び奴の体をひっぱる!

ザシュッ

俺の一撃は奴の首を逸れ右腕を斬り飛ばす。

イズィーは体勢を立て直し後ろに大きく跳躍する、最大のチャンスを掴み損ねた。


「あはぁ~、すごいね~まさか腕を一本とられるとは思わなかったよ、これは僕の負けだね~、ふふふふふジンく~んきおつけなよ?王子様を狙ってるのは僕以外にもいるからね~、死んだらだめだよ?じゃ~ね~」


イズィーは影に潜りその気配も消えていく、倒せなかった。

しかし俺達は勝った、アーサーがミアがバルアが駆け寄ってくる。

最後にきにかかることを言われたが、今は少し休みたい。

俺は草の上に倒れながら心地よい疲労に襲われ眠りについた。








本能のまま思いついたことを書いてます・w・

ご感想おまちしております>w<ノ

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