60日
修行開始1日~10日
「次っ足に緑20%腕に赤30%」
俺たち5人は今言われた分量ルーハヤーマをそれぞれの色に振り分ける鍛錬をしている最中だ。
「ほれーロラン出来とらんぞ!それは足に30%腕に50%じゃ、皆やり直し!」
「ぬあーきっついでー、せめてワイだけにならんかいな」
「あほたれ、一人が失敗すれば連帯責任じゃ、いやならミスるでないわい。ほれいくぞ、頭に青10%胴体に土60%!」
頭、腕、胴体、足の4箇所バラバラに色の違うプラーナを発生させる。この訓練によって素早くルーハマーヤを流しその色にあったプラーナを発生させることが出来るようになる。
「よしっ5分休憩のあともう5セットじゃ」
「にゃーきついにゃー」
ルーハマーヤを流しプラーナを発生させるのは、かなりの体力を消耗してしまう。
扱いに慣れれば消耗も比例して減っていく、1日目よりも10日目の今日のほうが大分楽になった。
「始めるぞい、足に赤30%頭に土30%」
確かにきついが俺は今めちゃくちゃ楽しい!
修行開始11日目~20日目
「体全体に赤100%、その状態で自分のSTR値の2倍の岩を持ち上げて静止、始めっ!」
「よっしゃー男みせたるでええええ」
「負けねーよ!」
俺とロランが岩を持ち上げる、STR値の2倍と言う事で岩の大きさはハンデにならない、あとは気力と根性!
「元気だにゃー、わけてほしいにゃ」
「うん・・・これしんどい」
「ほれーアシェリーちゃんにミミカちゃん、ふらふらするんじゃないぞい、スズハちゃんをみならうんじゃ」
じつは一番大きい岩を持っているのがスズハだったりする、これで時間まで負けられない男の意地だ。
俺とロランは顔を見合わせ頷きあう。
結果俺が40分、ロランが38分、スズハが37分と何とか面目を保ったと思いたい。
「まだまだじゃ、この状態で3時間耐えれるようになるまで続けるからの!」
「「えー」」
アシェリーとミミカはこの修行は苦手だからなどちらも20分でダウンした。
修行開始21日~30日
「よいか、手も足も使わずにプラーナだけで水面に浮くんじゃぞ。イメージとしては水に膜を張るような感覚じゃ、では、始め!」
俺たちは自分と同じ体重の石を附けられて川に突き飛ばされた!
「「爺っ覚えてろおおおお!!」」
「ほれ3人は其処からゆっくりと川に入るんじゃぞ?」
「ジン、大丈夫かな?」
「師匠ならきっとやり遂げますよ」
「というか、2人があまりにも旨くならないからとうとう荒療治になったにゃー」
俺とロランはプラーナを外にコントロールするのが下手だった。
修行開始31日~60日目
「腕赤30%、足緑20%頭紫14%」
5人とも瞬時にプラーナを発生させる。
「次っ頭緑12%、胴赤54%、足青21%」
今は1秒で全てをコントロールできる。
「次っSTR値の3倍の岩をもって静止!」
瞬時に赤のプラーナに100%のルーハマーヤを流し込み岩を持ち上げる。
今ではアシェリーやミミカも3倍の岩で3時間の静止をこなす、3時間プラーナを発生させ続けても体力が尽きない。
「次は川で体重の3倍の石を持って水浮き!」
俺とロランが一番苦戦した水浮き、ルーハマーヤをプラーナに流し込み更に水の上に膜を張るイメージで体を浮かせる。この修行でどんな場所でもプラーナを発生できる事が出来るようになった。
「最後じゃ全てのルーハマーヤを消し瞑想」
瞑想によって体に巡ったルーハヤーマを魂に戻していく、そうする事で魂の容量が少しずつ増えていくのがわかる、微々たる量だが60日毎日していたら流石に多少の変化ならわかる。
60日間の修行で俺たち5人は確実に強くなっているのがわかる、はっきり言えば前と比べれば別人だ。
61日目
朝、6:30
「5人ともこちらに来なさい」
「どうしたんだ?爺」
「まったく・・・小僧、おぬしの口の悪さはとうとう直せんかったの」
ん?どういう意味だ・・・
「修行を始めてはや60日、今日は修行の締めくくりをするぞい」
5人に緊張がはしる。
半径20mほどの円を描いていく・・・これは、初めて会ったときの?
「この円の中からワシは外にでん、捕まえてみせい!」
20m・・・初めてのときは10mだった・・・それでも捕まらないと思われていた。
確かにあのときは【ライト】の奇策で何とかしただけ、だけど今は違う!
「やるぞっ!」「うんっ」「まかせとき」「行きますっ」「やってやるにゃー」
俺、ロラン、スズハが足に外緑80プラーナ%頭に内緑プラーナ20%でアフラス大神官を捕まえに動く!
俺とスズハが左右から挟み、ロランが上から襲い掛かる。
アシェリーが頭に青30%他に紫70%のプラーナを発生させる
そしてミミカが頭に紫30%腕と胴に黄色40%足に緑30%で隙を窺う。
「ひょほほっ、60日前とは雲泥の差じゃの、じゃがまだまだじゃ」
恐らく頭に内緑プラーナ50%他に外緑プラーナ50%で動き出す。
流石にLv140オーバー本気の動きは恐ろしいほど早い、だが此方だって5人だ負けてられない。
10分経つがまだつかまえれない、だが爺も余裕がなくなってきている。
「ひょほほっ、まだまだ捕まらんぞい!」
「しぶとい爺やで」「まったくだな、またぎっくり腰になるぞ爺」
「五月蝿いわい」
「【スパイダーネット】」
アシェリーの妨害系魔法が俺もろとも爺を襲う!
「ぬあっ、無茶をしおるじゃが無駄じゃったの」
「そうとも限らんで!」「ヤッ」
ロランとスズハが左右から襲い掛かる、すんでのところで後ろに下がるがミミカの蔦が頭上から爺を押さえに掛かる、斜め前にロランとスズハ、斜め後ろにアシェリーとミミカ、頭上を蔦で蓋をして囲む。
そして地面に転がっていた俺がネットを外し下から掴みかかる、俺もロランもスズハもかわされる。
ミミカの蔦をもかわしきりそして、アシェリーのトラップボムに吹き飛ばされた。
ズドン!という音と共に吹っ飛ぶ爺「なんと~~~~」
時間にして13分ぐらいか?俺たちは5人がかりだが爺に一泡吹かせることに成功した!
「よっしゃっやったでー」
「おうよっ」
パンッと景気のいい音を鳴らしてハイタッチ、アシェリーが嬉しそうに近寄ってくるので頭をなでた。
「やったにゃー、セクハラ爺に一泡吹かせたにゃー」
「ほんとうに、なんど真剣で襲い掛かりそうになったかわかりませんね」
にっこりと笑って言う、少し怖いぞ。
「うーむやられたのう、お主ら5人これで一先ずの修行は終わりじゃの。まだまだ基礎しか出来ておらんが、あとは実践で鍛えつつ己のタレントと旨く融合させるんじゃぞ?」
俺たちは揃って頭を下げる。
「「「「「有難うございました(にゃ)」」」」」
小僧どもが都市に帰っていく、少し寂しくなるのう、ひさびさにワシも都市にいくかの・・・
しかし1年以上掛かる基礎をたった2ヶ月で拾得するとはの、これが新しい時代というものか。
わしもそろそろ本気で引退を考えるか。
「ジン、帰ったらまずどうするんや?」
「勿論、迷宮に潜ってリベンジだ!」
俺の言葉に4人とも頷く・・・待っていろ聖獣、借りは返させてもらうぞ!
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