濁流と爆発
-----ーアシェリー
アスラフ大神官のぎっくり腰を、リッツさんの神聖魔法で癒して、何とか動けるようになったみたい。
「可愛い子の前でかっこいい所をみせようとしたのでしょう?」
「むむぅ、男たるもの枯れてはいかんのじゃよ」
「いい加減枯れてください」
そういって此方に歩いてくる、ジンの後ろに隠れなきゃ!
「うっあーたんに逃げられます」
「自業自得です」
ジンに指摘されて落ち込むリッツさん、ウサ耳がへにょっと垂れる。
リッツさんのことは嫌いじゃないけど、ぐりぐりと撫で回されるのはやめてほしい。
「それでは私は神殿に戻ります、皆さんがんばってください」
そういって都市に向け歩き出す。
「リッツはん任せといてください!男ロラン見事やりとげてみせまっせ!」
ロランのマメさに皆苦笑します、でも何だか憎めないなロランって
「にゃー、ほんとロランはブレない女好きにゃー」
「本当に、その情熱をもっと別のことに使ってもらいたいです」
ミミカとスズハさんが少しあきれた感じで言いう、私もそうだなっと思った。
「さてー済まんかった、続きをはじめるかの」
ん・・・私は少し気合を入れなおしてアフラス様のお話を聞く態勢を作る、頑張らなくっちゃ。
「では今から御主達には瞑想に入ってもらう事にする」
「瞑想ですか?」
「うむ、御主達はLv50になって満たされた魂を持ち、更にはワシの変色を目の前で見た、ならばもうすでに自分達の体に巡るプラーナが感じられるはずじゃ。ただ単に色を見ようとするのではなく、火や大地、風や大空をイメージするのじゃ、とにかくまずはやってみることかの」
アフラス様の始めっと言う合図と共に5人が思い思いの方法で瞑想を始める、私もよく魔法の指導で瞑想をさせられた。もしかするとこの時のため覚えさせられてのかもしれない。
イメージ・・・私の中にある色を、水・・・激しく流される・・・抵抗しようとしても出来ない濁流・・・イメージは出来る、私は女神という濁流に一度飲み込まれたのだから。
うっすらと私の体から紫の揺らめきを感じる・・・これがINTのカラー
「そこまで!」
声に集中が途切れる・・・もう少しで何かを掴めそうだったのに!
そう思った瞬間、体から一気に力が抜ける!
「あ・・・れ・・・?」
「ふむ、いきなり魂の気脈が広がって体がショック状態になったんじゃよ」
「気・・・脈・・・?」
「魂からルーハマーヤが体を巡る為の道じゃな、名称がないと不便じゃから魂の気脈となずけとる」
体が旨く動かない・・・
「アシェリーちゃんはルーハマーヤの扱いにかなりの才能を持っとるの、じゃがそれに体がついていっておらん。今後は自分の体力と旨く相談して慣らしていくのが課題じゃな」
でも、それじゃあ皆に置いていかれちゃう、私はジンの横にいたい!
「焦らず今は体を休めるんじゃ、大丈夫アシェリーちゃんは天武の才がある、ワシが保障するぞい」
その言葉を最後に聞いて、私は意識を失った。
------アフラス
何とまあ初めて30分足らずで自身の色を浮き上がらせよった。
この子は物凄い魔術師になるかもしれんの・・・
さて他の物は流石に一日二日ではむりかの~。
とにかくまずはこの子を小屋に寝かしつけてからじゃな。
------ジン
イメージ・・・色・・・俺が求めている物はなんだ・・・
力強さ?強靭さ?それもある、速さ?それとも賢さ?
俺は・・・誰にも負けたくない・・・
俺は・・・何も失いたくはない・・・
俺は・・・この世界で何処までも昇りつめたい!
俺の体の奥から欲しいという欲求があふれでて爆発する!!
そうだ!これが俺の奥底から溢れてくるイメージ、体の奥から!力が!爆発する!!
「がああああああああああああああ!!」
「いかん!」
白銀から力が流れ込んでくるのがわかる。
力があふれ出す!!
------アフラス
「がああああああああああああああ!!」
なにっ、先ほどまで何の兆候もなかったはず。
「いかん!」
このままでは力が暴発して肉体が破裂してしまう!
力を押さえ込む。
カラーは紫、イメージは聖水 INTを大幅に上げる。
【太陽の申し子】タレント発動
『この者に光の安らぎを』
【太陽の安らぎ】
ぬぅぅぅぅっ・・・なんという潜在能力じゃ高々Lv50とは思えん。
「ええいっ落ち着け小僧!力に飲み込まれるんじゃない!」
「師匠!」「「ジン!!」」
いかん、鼻や耳から血が流れ出てきおった精神安定の魔法では抑えられんか。
仕方あるまい、無理にやめさせるのは危険じゃが力ずくで止める!
「ぬんっ!」
小僧の暴発しているプラーナに無理やり介入する、カラーは赤、これは・・・なんという爆発力。体の奥から激しい力が抑え切れないとばかりに上がってきておる。
「カアアアアアアアッ!!」
ワシの鎮火のプラーナを流し込む・・・少しでも加減を間違うと小僧の肉体はもたん!
暫くして小僧のプラーナが落ち着いていく、どうやら・・・旨く抑えきれたか・・・
急いで脈を図る・・・がどうやら問題は無いみたいじゃな。
しかしアシェリーちゃんといいこの小僧といい、確かに将来が楽しみじゃ。
あまり気が乗らなかったが少し本気でしごいてみるかの、ほっほっほっほっ
さーて、そうと決まれば他の奴らも今日中に気脈を通さんといかんの。
久方ぶりに気分が高揚してくる。
どれ・・・少し無理やりこじ開けるか。
その晩、3人の悲鳴が途絶える事はなかった。
やっと修行が始まりそうです>w<
ご感想や評価をお待ちしております>w・ノ




