表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/36

脱出

前話を少し変えてアーサーが生贄になるとジンに伝わるようにしました。

王都に戻ってきてから2日経った。今日は王城へと2人に会いに行く予定だ。


「リッツ!」


「レンシュルツ、王城の様子はどうでした?」


昨日王城の様子をそれとなく見に行ってもらっていたレンシュルツが帰ってくる。


「おかしな事になっている。アーサー王子が反逆者になっていて、明後日には反逆に加担したとしてジンが処刑されるらしい」


「はい!?」


「なんじゃぁ?あやつら反逆なんぞしておったのか?」


「そんなわけ無いでしょう!」


「リッツ、やはり王城には何か良くない物がいるのかもしれません」


「チェチェ様、なぜかアトウゥラム様のお力が日に日に薄くなっている、もしかしたらそれと関係あるのかもしれません」


「明後日に処刑されるのでは時間がもうありません、抗議文などでは間に合いませんね」


「では・・・」


「ええ、太陽神殿僧兵団を連れて行きなさい。やむ終えぬ場合は力ずくでもかまいません」


「分かりました、直ぐに手配いたします」


いそがなければ、ジン様やアーサーたんを死なせはしません。


「すみませーん、私ミア・ユースクッドと申しますがこちらにリッツ様はおられるでしょうか」


ミアさん、それにバルアさんも、いい所に来てくださいました・あのお2人も巻き込みましょう。


「ミアさん、バルアさん大変なことになっているんです・・・」





      ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆






あれからさらに1日たった、俺はまだ縛られたままで地面に寝転がっている。

食事は固いパンに塩のスープ、それを犬のように顔だけで食べる。

何が起こってもいいように体力だけは残さなければ。

だが焦れる、今日はアーサーを生贄にすると言っていた。

くそっ俺には何も出来ないのか!

そのとき通路の影からなにかうごめく物の気配を感じる。


「あはぁ~ジンく~んお久しぶりだね~」


なっこの声は!


「イズィー!!」


「あはぁ~声を聞くだけで分かってくれるなんて、僕は愛を感じるよ~」


「てめぇのその笑い方は感に障るんだよ、何しにきやがった!」


冗談じゃねーぞ、こんな状態でこいつに襲われたらどうにもならねー。

だがイズィーの奴はそんな俺の考えをあざ笑いながら裏切ってくれる。


「んふふ~そんなに警戒しなくてもいいよ~今日は君をここから出しにきたんだよ~」


そういいながら牢屋の鍵を開ける。

縛られている縄を短剣で斬りしかも俺の刀まで持ってきていた。

これは、確かにありがたいが同時に気味が悪い、どういうつもりだ。


「どういうつもりだ?」


「あはぁ~簡単なことだよ~?ジン君は僕が殺すんだから~2人きりで殺って殺られて。ぁぁ考えただけで逝きそうだ」


「っこの変態が、だけど今はお前の相手をしている暇は無いんだよ、どけっ!」


「あはぁ~いいよ~」


あっさりと俺の前からどくイズィー、本気でこいつの考えが分からない。


「まだジン君とは殺りあわないよ~、僕の腕もまだ本調子じゃないし。ジン君もこれからもっともっと強くなるだろうしね~、ジン君とだけは仕事とか関係なしに殺しあいたいからね~」


ゾゾゾと寒気がする、こいつは俺を太らせてから食べるつもりらしい。

厄介な奴に目をつけられたもんだ。


「はんっ、ならそのうちキチンと決着をつけてやるよ、今回だけは感謝してやらー」


「あはぁ~がんばってね~、王城から外にでるなら上を上がってから最初の道を右に行くと中庭にでるよ~、さらに一番奥の通路をすすみ今度は左を曲がるとその先に門がみえてくるはずさ~。じゃ~ね~」


まさかイズィーの奴に助けられるなんてな、まあいい誰に助けられようと俺のやることは一つだ。

待っていろアーサー今助けに行くぞ!


牢屋をでて上に上がると血臭がした、牢番が首から血を流し死んでいる。

俺はなんともいえない気分になりながら廊下に出、俺はイズィーから教えてもらった道筋を走り出す。


「ん?何だ貴様はっ止まれ!」


前から見回りの兵士2人がこちらに止まれと警告する。あほう、止まれといって止まるかよっ。


松永神明流歩法 蛇!


特殊な足運びで俺は左右に蛇行しながら進む。

その軌跡はまるで蛇が体を左右にくねり進むように見える。

シュゥゥゥゥゥゥゥゥと廊下をこする音をさせる。

特殊な歩法とLvのプラス補正により上がった瞬発力が、俺のスピードを異常なまでに高める。

兵士たちはその速さに対応できない、峰打ちで2人を黙らす。

パパンっと二連撃首筋に打撃をうけて崩れ落ちる。


中庭にでた。なっイズィーあの野朗!

中庭は貴族の茶会らしき物が開かれていて、その護衛に兵士がわんさかと居やがった。

知っててこの道を教えたな!



いきなりの侵入者に貴族たちは慌てふためき、こんなところに不審者が来ると思っていなかった兵士の対応も遅れる。油断しすぎだっ!

俺は止まる気はないのでそのまま突っ込む。


「じゃまだあああああっ」


上がった筋力と俊敏、長年培った剣術、さらには絶対に折れないと確信できる相棒白銀、俺の一振りで一人の兵士が飛ぶ、まさに吹き飛んでいく。


「らああああああああああああ」


そのまま一番奥の通路にはいり、兵士を吹き飛ばしながら通路を左に曲がると門が見えてきた。

なにか騒がしいあれは、リッツさん?




      ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆





「えええっ、じゃあジンとアーサーが反逆の罪で捕まって、明後日にはジンが処刑されちゃうの?」


「ええ、そうなんです。ですから私達太陽神殿としましては、ジン様を開放するように要求するつもりです。もしもの場合は実力行使になるかもしれません」


「おっ王国相手に実力行使するんですか!」


「・・・勝てない・・・」


「べつに勝つ必要はなく、王国を相手に太陽神殿が抗議を行い衝突した。それを市民の皆様に知ってもらえばこちらのほうが有利になり、そうすれば交渉もしやすくなりますの」


たしかに国とは人々が生きていく上で必要な物です。

ですが人はみな神の子、あまねく祝福を我ら生きゆくものにお与えくださる神を奉ずる神殿。

とくに太陽神殿の行動は国としても無視できない。

下手をすれば国が滅ぶ可能性さえあるのですから。


「そっか、実際にオストライト王国も女神の祝福をうけ、太陽神様のお力で大地の力を維持されてるもんね」


「はい、太陽神様はすばらしいお方です。ミアさんもこれを機に入信されるのをおすすめしますよ?」


「あはは・・あは・・あは、そっそれはまたの機会にしますね~、それよりもジン達の事です」


「むぅ~そうですか?仕方ありません。ミアさんもバルアさんも今日はゆっくりお休みください、明日には太陽神殿僧兵団と一緒にきてくださいね?」


「りょうーかいっ」「・・・わかった・・・」


出来ることは全てしました、全ては明日ですね。

しかし、アトゥラム様のお力が少しずつ弱まっている。

何か良くないことが起こらなければいいのですが。






翌日の早朝、リッツ率いる太陽神殿僧兵団+ミア、バルア、レンシュルツ、ギリムスは王国の門前に隊列を作っていた。

太陽神殿僧兵団はすべてウサ耳族で構成されていて、男子は神官衣に木の昆、頭には太陽の絵が描かれたキャップを被っている。

女子は錫上を持ち、踊りと歌による神聖魔法行使のために踊り子のような薄着をして、首には太陽の絵が描かれたストールを巻いている。総勢200名の部隊だ。


「ですから、なた方が反逆者と偽って捕らえたジン・マツナガ様は、太陽神様の御使いなのですよ?その方を処刑するなどと、あなたがたオストライト王国は太陽神アトゥラム様に弓をひくおつもりですか!」


「そっそういわれても、こちらも国王命令なのだ、反逆者ではない証拠を出してもらわなければ解放などできない」


そういう兵士の顔は真っ青になりこわばっていて、今にも倒れそうだ。


『あの兵士さん顔真っ青だよーかわいそー。だねーリッツ様おこるとこわいもんねー』

『私お城って近くで見たの初めてー。へへんおれなんてここまでくるの3度目だぜ?』

『これが終わったらミスレルのお菓子屋いかない?あっいくいく、わたしもー   』

『んー蝶チョだー、お腹すいたなー、お前食べてきてないのか?ほれニンジンやる 』


「なんていうかまとまりが無いわねー」


「ウサ耳族は自由奔放な性格だからな、これでも整列して動いて無いだけよく訓練されているほうだ」


ミアの何気ない一言にレンシュルツが応えてくれる。


「こうみえてこやつら、それなりの実力はもってるぞい」


「・・・何か・・・向こうがさわがしい・・・」


バルア言うように門の向こうが騒がしくなってきた。


『うおおおおおおおおおおおおおおおおおお』


「あれってもしかしてジン?」


兵士と押し問答をしていたら門の向こうからジン様の声が聞こえてきた。

これは、リッツは瞬時に決断をくだす。


「全隊!突撃いいいいいいいいいいいいいい!」


突撃を指示しつつ自分も錫杖を振りかぶり、目の前の兵士に突っ込んでいく。


『『やああああああぁぁぁぁぁぁ』』


両手を上に突き太陽神殿僧兵団も突撃を開始する。


「ちょっ待て、止まれ、とまぶげらっ」


リッツの振りぬいた錫杖を顔面に打ち付けられ吹っ飛ぶ兵士。


【リッツ・ホワンポワゥ】

【21】age

【58】Lv

【62】str

【24】vit

【13】dex

【87】agi

【42】int

【太陽神の愛娘】タレント


『『さすがリッツ様、ウサ耳族1の怪力は伊達じゃない』』すげーと尊敬の眼差しで見るウサ耳族達。


ワーワーと一斉になだれ込む僧兵団、それに対応しようとする王城守備兵、ウサ耳族の特性である素早い動きに翻弄され王城守備兵が1人また1人と倒れていく。

城門は太陽神殿に制圧されようとしていた。





「リッツさんそれに皆も、助けに来てくれたのか?」


「ええそうよ、それにしてもジン、牢屋に入れられてたのじゃなかったの?」


「イズィーの奴に助けられた・・・」


「「えっ?」」


ミアとバルアが驚く、無理も無い何故ここに、どうしてジンを助けたのか、はっきり言えばジンを殺す理由はあっても助ける理由が無い。


「それはまたあとでいうよ、それよりアーサーが大変なんだ」


「どういうこと?」


「へりオットっていう奴が黒幕だ、あいつが皆を操っているみたいだ」


「ちょっと、そんなこと言われてもわかんないわよ」


「だあああ説明してる暇はねー。早くしないとアーサーのやつ生贄にされるらしい」

「「「え?」」」


「それはどういうことですか?ジンさ・・君」


「リッツさん、そいつが言うには生贄の儀式がどうとか・・・」


「・・・オストライト王国に生贄の儀式といえば一つしかありません。女神セフォネアに王女の身を捧げ現世に受肉する降臨の儀式です」


「なんだ?それは」


「それはオストライト王国建国にまで遡ります。当時荒れ果てた大地に恵みをもたらす約束の変わりに、王家の女性が16歳になると生贄として体を差し出すという契約を交わしたといわれます」


「それにアーサーを差し出すだって?あいつは男だろ?」


「いえアーサーたんは女の子です。女性を男性と認識してしまう特殊な魔法がかかったコルセットを身に着けていました」


「そんな魔法ってあるんだーリッツさんよくわかったわね」


「だてにもふもふすりすりしてません!」


ふんぞり返るとこじゃねーよ!


「じゃあアーサーは女で、その儀式の生贄にされるってことか?」


「おそらくは・・・」


「リッツ、こちらの制圧はすんだ。王城の守備兵が少なすぎる、おそらく別の場所に移動しているはずだ」


レンシュルツが城門付近の制圧を終わらせる。


「生贄を捧げる場所は郊外の森にあるセフォネアの塔になります、急げばまだ間に合います」


「ミア、バルア手を貸してくれ、アーサーを助け出す」


「もちろんよ」「・・・助ける・・・」


「太陽神殿僧兵団整列!これより郊外の森にあるセフォネアの塔を攻略します。生贄など太陽神様の教えに反することを見逃すことなど出来ません、これは太陽神殿の総力をもって阻止します!全隊前進!」



待っていろよアーサー絶対に助けてやるからな!


















もう少しで第一部が終わりますー当初の考えより2倍ほどの量になってしまいました、これからもがんばります、ご感想評価お待ちしております>w<ノ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ