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貴方  作者: 華泥棒
2/2

第2話

「加奈?」


右からの声にビクッと体がはねた。


「・・・・・・・修一」


修一がいた


男友達と一緒にお酒を飲んだらしく顔が赤い。


フラフラしてる。


「あ〜アンタコイツの女?悪いけど頼む。飲みすぎてるらしくて〜」


友達の1人が私に言いながら修一を預けてくる。


「え・・・私・・・」


「じゃっ!」


そう言って男友達はとっとと逃げてしまった。


「ちょ・・・修一!しっかりしてよ!!」


久しぶり 貴方の顔 声 体 ぬくもり


「ん・・・加奈・・・?本当に加奈?」


「はぁ?」


「加奈・・・」


修一が私に抱きつく。


「ちょ・・・痛いから!」


「夢?・・・でもいいや」


何を危ない発言してんだか!この男は!!


「・・・加奈 愛してる」


小さな声で修一が言う。


って だめ!これでぐらっときちゃだめ!!自分から別れるとかいったくせにさ!


「もう!いい加減にしなさいよね!!」


そういいながらも貴方を支えながらあの家へ急ぐ。




ドサッ


「ん・・・」


「ホラ 水!!」


水道水を渡すと修一は水を受け取らず私に抱きつく。


バシャッ


「あ・・・ちょっと!落としちゃ・・・んっ」


怒鳴ろうとして口をふさがれる。


「んんん・・・・・・・ハァッ」


「・・・加奈」


「もー なんなの?離し・・・」


「加奈 他の野郎といた」


「え?」


「キス してた」


「ん・・・っ」


また口をふさがれる。


「ん・・・・んん・・・・ッ」


「・・・許さな・・・い・・・」


そう言って修一は私の手を握る。


「や・・・離してよ・・・」


「・・・加奈・・・愛してる・・・も・・・どこにも行くなよ・・・」


「はぁ?何をいまさら・・・」


「加奈・・・加奈・・・」


何度も 呪文のように私の名前を呼んで 私を抱きしめる貴方。


「修一・・・」


なんだか ドキドキしてしまって。


また重なろうとしてくる唇。


・・・・・・・・・・・・が


「・・・おぇ」


「・・・へ?」


「うえぇぇぇぇえぇ・・・」


「ちょ・・・やだ!待って!!ちょっとこらえてよ!トイレでしてよ!!!」


慌てて修一をトイレへと連れて行った。


あぁ なんでこうなるの?




なんなの?ねぇ 私って・・・男運がないわけ?


なんだか悲しくなってきた・・・




結局 久しぶりに聞いた甘い言葉  優しいキス


それは全部酔ったいきおいでされたものだった。


次の日 二日酔いで機嫌の悪い修一に昨日のことを聞くと


「え?何それ 覚えてねぇよ。お前が他の野郎とキスしてたのは覚えてるけど」


とか言う。


何それはこっちの台詞よバカ!!


「あっそ それじゃ」


そう言って私はまた家を出ようとする。


後ろから腕をつかまれた。


「・・・何」


わざと冷たく できるだけ鋭く 睨みつける。


それでも 身長差のせいで見下ろされるけれど。


「待てよ・・・」


頭がガンガンするらしい。弱弱しい声 ふらふらした足 頭をかかえる手


そんな状態で私に近づく。


「おま・・・ぇ・・・また他の男ンところ行くわけじゃねぇだろうな」


何さそれ


「別れたんだから 私の勝手でしょ?」


そうよ 別れたのよ。


なのに私は何をしてるの?


何をされるわけでもなく 許したわけでも よりを戻したいと思っているわけでもなく


この人を家に送って おまけに泊まって看病?して・・・


バッカみたい 何してるんだろ・・・


ため息をついてドアを開ける。


「だか・・・ら 待てって!」


「・・・なんなのさ!!」


「・・・頭痛ぇ」


なんだそれ!!


「なんなわけ?」


「他の男ンところになんか行くな・・・って・・・」


「だからなんで?」


「俺はお前と別れることを承知した覚えはない」


・・・なんで?


なんで こういう時だけはキッパリいえるわけ?


理解できん・・・


「し・・・承知も何も!私はアンタとより戻す気なん・・・」


キスでふさがれる。


「ん・・・ッ」


「お前にそういう気がなくても 俺は別れる気な・・・い・・・」


やっぱり頭が痛むらしくため息を漏らす。


「あのね アンタといると、すっごーく疲れるの!自分が何のために何してるのかわかんなくなるの!わかって?」


にっこりと作り笑顔を作りまくって私は修一に言う。


「ぉ・・・い 待てよ・・・」


今度こそと修一を無視して私は家を出た。


「・・・ふざけんなバカ」


そう言って私は家を離れた。







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