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ウラバン!~SF好色一代男~  作者: 万卜人
伝説のガクラン
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変身

 袴を脱ぎ、ガクランのズボンに足を入れる。上着はそのままに、袖を通した。


 無意識に上着の釦を嵌めようと手が動いたが、ぴたりと止まった。何だか、このガクランで、釦をきちんと留めるのは似合わない――という判断が働いたのだ。



 暫く、じっとしている。



 轟きのように、ガクランの意思が世之介の脳裏に染み渡ってくる感覚に耐えた。

 ガクランは世之介の潜在意識、体力、反応速度などあらゆる側面を調査している様子だった。そろそろとガクランの見えない触手が世之介の全てを探り回り、やがて何らかの結論に達したようであった。



「!」



 いきなりの衝撃が世之介の全身を貫いた。まるで電流のように、世之介は自分が変化していることを悟っていた。

 今、自分は別の何かに造りかえられている!

 恐怖はあったが、それは同時に甘美な感覚でもあった。世之介は叫んでいた。



「あああああああああ──!」



 筋肉が、骨格が、血管が変化していた。世之介の神経細胞が、あらたな配置に繋ぎ直されている。

 世之介の血液が、細胞一つ一つが、新たな相に変わっていく。世之介の叫びは、赤ん坊の産声のようであった。



「世之介さん! どうしたの!」

 茜が叫んでいる。

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