表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ウラバン!~SF好色一代男~  作者: 万卜人
お前の尻を見せろ!
7/236

世之介の尻

 がっしりと両肩を怖ろしいほどの力で押さえつけられ、世之介は身動きできなくなってしまった。気がつくと、背後からイッパチが世之介を羽交い絞めにしている。イッパチは、奇妙な無表情で、世之介に話し掛けた。


「若旦那! 堪忍しておくんなせえ。あっしには、大旦那様に助けて頂いた恩儀が御座います。大旦那様の命令は、絶対なんで」


 イッパチが何で従いてくるのかと不思議だったが、これで得心した! 世之介を押さえつけ、拘束するためだったのだ。見かけによらず、杏萄絽偉童は人間を凌駕する馬鹿力の持ち主である。


 すっと立ち上がった省吾は、世之介に一礼して背後に回った。省吾さえ裏切った! いや、初めから父親に命じられていたのだろう。


「世之介坊っちゃん。大旦那様のご命令です。失礼で御座いますが、下穿きを取らして頂きます」

「おい! よしとくれ! そんな無体な……!」


 抗議の声を上げたが、無駄であった。背後から省吾は無言で世之介の袴を引き抜き、尻を捲り上げる。世之介の越中褌を剥がし、裸の尻を剥き出しにした。


 ゆっくりと父親は立ち上がると、廊下に回り、上から厳しい顔つきで世之介の尻を睨みつけた。


 世之介は泣き声を上げる。

「お父っつあん! 何で、こんな真似をなさるんで? まさか、お父っつあんにそんな趣味があったとは……?」


 じっと睨みつけていた父親は、ふっと視線を逸らすと再び元の席へ戻っていく。はあーっ、と溜息を漏らし、首をゆっくりと、左右に振った。

「もういい」と父親が手を振ると、さっと押さえつけていたイッパチの手が緩んだ。そそくさと世之介は身支度を整え、息を荒げた。


「お父っつあん! 説明して貰いましょう。なんで、こんな無体な真似を?」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ