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ウラバン!~SF好色一代男~  作者: 万卜人
タイマン勝負!
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農地

 けたたましい騒音を立て、世之介たちを乗せた二輪車の群れは、巨大な擂鉢の穴から一斉に飛び出した。

 飛び出したところは、どこまでも広がる畑である。

【滄海】の客室は、農地に墜落したのだ。

 世之介は人家に墜落してなくて、幸いだったと改めて思った。


 畑の真ん中を、二輪車は突っ切っていく。

 風に揺れる穂先の間に、ずんぐりとした形の傀儡人ロボットが、黙々と農作業を続けていた。


 傀儡人たちは、騒音を立てて二輪車が通過しても、ちらりとも視線を動かさない。ひたすら、目の前の作業に従事している。

 型式から推測して、三世紀は前の型である。

 最低限の自己判断と行動指針プログラムしか組み込まれておらず、好奇心のような余分なものは一切、備えられていないのだろう。


 数台の農作業傀儡人たちは、地面に穿たれた隕石孔に集まってくると、土を運び、元通りに修復するための作業を、早くも始めていた。


 二輪車は畑を突っ切ると、舗装された道路へ駆け上がった。舗装路面に車輪が乗ると、さすがにそれまで酷かった上下の震動はぴたりと止まり、快調に二輪車の速度は上がっていく。


 世之介が振り返ると、隕石孔の上空に、仄かに埃が棚引いているのが確認できる。まだ巻き上がった埃が風に吹き払われていなかったのだ。衝突の物凄さが、これ一つではっきりと見てとれる。


 光右衛門、格乃進、助三郎の三人は、各々二輪車の後席に泰然と席を取り、落ち着いた物腰で跨っている。しかし、イッパチは顔を俯かせ、死に物狂いで、操縦する女性の腰にしがみついていた。

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