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亜光速

 ぎょっとなって、世之介は格乃進の四角い顔を見詰めた。


「もう? だって半光年も先だって、言ったじゃないか? 数を数える間もなかったくらいだよ」


 格乃進は、にやっと笑った。

「亜光速で移動したのです。客室は、光速の九十九分率(パーセント)という速度で移動したので、時間の遅れというやつで、我々にとっては、あっという間の出来事なのです。実際には、六ヶ月が外の世界では経っているのです」


 格乃進の隣で、助三郎が操作卓の表示を覗き込んで感嘆の声を上げた。


「成る程! 客室に備えられている非常用動力の、ほとんどが消費されている。宇宙軍にいたころは、通常空間を亜光速で移動するなど、考えられなかったな。いや、良い経験をした!」


 世之介は助三郎の呑気さに呆れた。ぎりぎりの選択だというのに、良い経験だとは、能天気な台詞である。


 格乃進は、窓外に一際ぐんと大きく見える黄色い星を指差した。


「あれが、番長星の主星だ。もう番長星は目と鼻の先といっていい」

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