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「成る程」

 光右衛門は髭をしごき、世之介を見た。

「困りましたな。地球に戻っても、半年も経っていては、その間あなたが行方不明となっていることになるのでしょう? ご両親の心配を思えば、ここでじっとしていて、救助を待つ、という選択もありうるのでは? そうですな、格さん」

「はい」と格乃進は頷いた。


 助三郎、光右衛門、イッパチの視線が世之介に集中する。


「あ、あの……どうしてわたしを、そんなに見るのです?」

 世之介は、たじたじとなって口を開いた。


 光右衛門は、じっと世之介の目を覗き込むようにして、説明した。


「わしは、これ、この通りの隠居の身。半年くらい行方不明になっても、漫遊の旅の途中ということで、騒ぐ人もおりません。供の助さん、格さんも同じです。そこにおられる、あなたのお供のイッパチも杏萄絽偉童ですから、そうでしょう?

 しかるに、あなたは違う。

 聞けば、高等学問所を卒業したばかりと仰るではありませんか。しかも、但馬屋の跡取りという大事な身体です。ですから、これからの選択はあなたに懸かっている、という訳です。お判りかな?」


 世之介の額に、じっとりと汗が噴き出した。


「つまり、あたしに選べと仰るので?」

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