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ウラバン!~SF好色一代男~  作者: 万卜人
世之介の帰還
233/236

商売

 じわじわと理解が父親の顔に差し上った。世之介を見詰め、話し掛ける。


「世之介、お前、但馬屋に帰るんだ! お前は立派な跡継ぎとなった……」

 世之介は、即座に返答する。

「厭だ! 俺は、家には帰らない!」


 父親は仰天した。


「何を戯言を……。お前、本気かえ? 家に帰らず、何をするつもりなんだ?」


 世之介の視線が、茜の視線と絡み合う。


「俺も番長星に留まりたい! そして番長星の人間が一人立ちできる手伝いをするんだ。お父っつあん。ついては頼みがある」


 父親は、ごくりと唾を飲み込んだ。


「頼み?」


 世之介は笑った。

「そうさ。お上は番長星に援助をするそうだ。しかしお上だけでは心もとない。但馬屋の財力なら、充分な援助が可能だ。援助だけじゃない。これは新しい商売のタネになるんじゃないのか?」


 とっくりと考え、父親は頷いた。表情が、商売人のものになっていた。


「そうだね……。お上のお声掛かりとなれば、出入りの商人だって一口噛むのは当たり前だ。それに但馬屋の一番乗りが叶えば……」

 にっこりと笑顔になった。ぽん、と自分の胸を叩き請合う。

「判った! 但馬屋、番長星への立ち直り事業に一番乗りをするぞ!」

「目出度い、目出度い! これで万事、万々歳と相成りました! ついてはお手を拝借……」


 イッパチが、しゃしゃり出る。全員、笑いながら一本締めの用意をした。


「よーい!」


 イッパチの合図で、しゃんと一本締め。

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