表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ウラバン!~SF好色一代男~  作者: 万卜人
世之介の帰還
231/236

土下座

「世之介!」

「お父っつあん! どうして?」

「御老公様の通信で、お前がここにいることを知らせて貰ったのだ。大慌てで、御用船に飛び乗って、この──番長星──まで来ることができた! 心配したぞ!」


 一息で捲し立て、父親は太った身体を折り曲げ、苦しそうにぜいぜいと荒い息を吐き出した。

 ちらりと世之介の背後に立っている杖を手に持った老人を見て、顔色を変えた。


「これは、御老公様!」


 ぺたりと膝をつき、土下座する。光右衛門は膝を下ろし、優しく肩に手をやった。


「但馬屋さん。お立ちなさい。わしはこの場では、ただの越後屋の隠居。しのびの旅でございますからな、そのような大袈裟な真似は迷惑ですぞ!」

「へえ……?」


 ゆっくりと父親は顔を挙げ、立ち上がる。光右衛門は思い出した、という顔付きで話し掛けた。


「そういえば、息子さんに十八の春を迎える前に初体験を済ませなければ廃嫡、勘当を申し渡すと申し渡したそうな」


 光右衛門の指摘に、父親は顔を真っ赤にさせ、恥じ入った。

「そ、それは……」

「なんでも、息子さんは十七になっても尻の蒙古斑が消えず、初体験を済ませないと消えないと聞きましたが、本当ですか?」


 父親は巨体を大いに縮めて見せた。

「は、それが但馬屋代々の体質でございまして……」

「見たいですな。その青痣を」


 光右衛門の言葉に、世之介は仰天した。振り返ると、光右衛門は大真面目であるが、背後の助三郎、格乃進は笑いを堪えるのに必死だ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ