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 操作卓を覗き込む格乃進の顔が、不意に難しいものに変化した。


「まずいな……思ったより、状況は悪い。超空間から飛び出したとき、航路が思ったより大きく逸れたようだ」

「今いるところ、判りますかな?」


 光右衛門の問い掛けに、格乃進は頷いた。


「はい、地球から五十光年ほど離れた星系にいるようです」

 光右衛門は「ほう」と感心した声を上げ、質問を続けた。

「それで、地球へ戻れるのですか? 格さんは、客室はそれ自体で宇宙船の機能をすると仰いましたが」


 格乃進は、ゆっくりと首を振った。


「いいえ、ご隠居様。宇宙船の機能を果たすと言いましても、ごく短距離のもので、非常用の動力があるだけです。一度でも航行すれば動力は切れますから、機会は一度しかありません」


「ただ一度だけ……」と世之介は格乃進の言葉を繰り返した。


 光右衛門は腕組みをして首を捻った。

「それは、困りましたな。それでは、この客室で行けるところまで移動して、適当な殖民星に着陸して、地球に連絡を取る。それが一番の手立て、ということですな?」

「はい、わたくしも左様に思います」


 格乃進と助三郎は、光右衛門の言葉に同意した。世之介は、こんな緊急事態に遭遇しても、なお光右衛門が冷静沈着に的確な判断を下すのに驚いていた。

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