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ウラバン!~SF好色一代男~  作者: 万卜人
銀河の副将軍
219/236

 驚きに世之介は仰け反った。ふらっ、と自分の立体映像が揺らぐのを自覚する。


「ど、どうして、そんな結論になるんだ? 俺は金輪際、そんな馬鹿な考えを持ったことはないぞ!」


 光右衛門は静かに首を振る。

「微小機械と接続しているのは、世之介さんしかおりません。微小機械に影響を及ぼすことが可能なのは世之介さん、一人だけ……。結論は、ハッキリしております!」


 ぐっと腕を挙げ、指さす。

「〝伝説のガクラン〟によって、あなたは今までにないほどの、外向的な性格に生まれ変わりました。何事も積極的で、自信満々。どうです、良い気分だったのではありませんか?」


 世之介は不承不承、頷く。

「そ、そりゃ、まあ……」

「あれを御覧なさい」


 光右衛門は戦っている二人の賽博格を指さす。助三郎と格乃進は、阿修羅のごとく、群がる暴徒を叩きのめし、千切っては投げ、千切っては投げという形容がぴったりだ。

 群がる男女の顔を、世之介は眺める。皆、戦いに喜びを見出し、どんなに賽博格に叩きのめされようが、弾き飛ばされようが、飽くことなく向かっていく。


「助さん、格さんの二人に向かっていく人間の顔。あれは、世之介さんが戦っているときの顔、そのものです!」


 衝撃に、世之介は地の底に沈むような気分を味わっていた。あれが、俺の顔?

 二人の賽博格に遮二無二、我勝ちに突撃していく人間は、一人残らず狂気、といっていい表情を浮かべている。

 両目を思い切りひん剥き、唇は笑いの形に歪み、戦いへの期待で、頬はてらてらと輝いていた。


 信じられなかった……。

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