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答え
「世之介さん、この混乱を収めるのは、あなたしかいませんぞ!」
世之介は「えっ」と光右衛門の顔を見詰めた。光右衛門の顔には、確信が溢れている。
「どういうことでしょう」
世之介の口調は改まっていた。いくら〝伝説のガクラン〟によって性格が変わっても、江戸でたっぷりと将軍家の威光を味わっている世之介だけに、口調は改まらざるを得ない。
「省吾さんが制御室で微小機械の生産停止を命じたのに、爆嘯は止まりませんでしたな」
「はい」と光右衛門の言葉に、世之介は素直に頷いた。
「それは、風祭が……」
省吾が割り込むと、光右衛門は大いに頷く。
「そうです。風祭淳平なる者の強さへの欲望が、微小機械の停止命令を受け付けなかったのです。しかし、あの風祭は元の身体に戻り、戦いへの欲求は消えているはず。それなのに、微小機械の暴走は止まりません。どういうわけでしょうな?」
光右衛門の目には、謎掛けのような光が湛えられていた。
はて、何を言いたい……。
世之介が睨み返すと、光右衛門は真っ白な歯を見せ、笑った。
「答は一つしかありません! 世之介さん、あなたのせいなのです!」