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ウラバン!~SF好色一代男~  作者: 万卜人
銀河の副将軍
214/236

威光

「この御方をどなたと心得る? さきの中納言、銀河の副将軍、水戸光邦みつくに公にあらせられるぞっ!」


 助三郎がずい、と前へ踏み込み叫ぶ。


「ええいっ! 頭が高いっ! 控えおろう──っ!」


 静寂が、その場を支配していた。


 全員、目を虚ろにし、じーっと光右衛門、助三郎、格乃進の三人を見詰めている。

 一人のガクランを着た男が呟いた。


「あいつら、何を言っているんだ?」


 格乃進が投射した三つ葉葵の紋所は、空中にハッキリとした形で浮かんでいる。投射された映像を見上げ、その場にいた全員は、首を捻っていた。


「あのお爺ちゃんが、何なの?」


 茜がぼんやりと呟く。世之介は、まじまじと茜の顔を見つめた。茜の顔には、何の驚きも浮かんでいない。



 世之介は悟った。



 番長星の人間は、将軍家の威光というのを知らない! これが他の、幕府の支配を受ける殖民星なら、即座に三つ葉葵の紋所が意味する所を悟り、大いに恐れ入るのであろうが、番長星の人間にとっては、全く意味がないのだ。


 イッパチと、木村省吾はすでに格乃進の叫んだ言葉を理解し、とっくに土下座をしてガタガタ震えているというのに、校庭にいる全員は、何の感動もなく、ぼんやりと三人を見ている。単に、賽博格の出した驚くべき大音声に、度肝を抜かれただけだった。

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