表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/236

宇宙空間

 そうだ、客室は超空間を漂流しているんだった!


 世之介は窓にしがみついた。しかし【滄海】の姿は、どこにも見えない。客室が切り離され、あっという間に遠ざかってしまったのだ。


 目の前の奇妙な霧が、急速に晴れていく。


【滄海】の空間歪曲場から離れたので、通常空間に転移したのだ。窓外を、見慣れた宇宙空間の眺めが回復してくる。真っ黒な空間に、星々が無数に点在している眺めである。


「ここは、どこなんだろう……」


 世之介の言葉に、格乃進は客室の操作卓を覗き込んでいる。格乃進の指先が、操作卓の表面で素早く動いた。それを見て、世之介はびっくりした。


「あんた! イッパチを責めたその口で、自分でやってるじゃないか! そんな真似をして、また何が起きるか、判らないよ!」


「心配ない」

 格乃進は顔を上げた。

「客船の客室は、それ自体が宇宙船として機能する。今、船室の操縦装置を起動させた」

「へ?」


 世之介はポカンと口を開け、ただただ格乃進の指先を眺めていた。さっきのイッパチの問い詰め方といい、今の自信ありげな様子といい、この賽博格は何者だろう?


「助さんと格さんは、わしの供になる前、宇宙軍の戦闘機乗組員だったので御座いますよ。除隊になった二人を、わしが声を掛け、旅のお供になって貰ったという訳でして」


 光右衛門の説明に、世之介は納得した。宇宙軍にいたのなら、説明がつく。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ