表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ウラバン!~SF好色一代男~  作者: 万卜人
想い出は繰り返し……
207/236

決着

 世之介は微小機械の仮想世界から、再び現実世界へと戻り、その場で身構えている助三郎と格乃進に叫んだ。


「今だ! 風祭を覆っている微小機械を引き剥がせ!」

「おおっ!」


 助三郎と格乃進は「待ってました!」とばかりに威勢良く返答をすると、身を地面すれすれに倒すように、全速力で巨大化した風祭に突進する。無論、加速状態のままである。


 音速を突破した二人の身体により、空気は個体に近いほど圧縮され、猛烈な衝撃波を前面に発生させる。

 風祭の身体のすれすれを通り過ぎるとき、圧縮された衝撃波は、まるで鋭利な刃物のように空気を切り裂いた!


 二人の賽博格が通過した場所は、一時的な真空状態になっている。猛烈な風速が、風祭の全身を覆っている微小機械を容赦なく引き剥がす。鎌鼬の原理である。


 ずばっ、ずばっと硬く密着している微小機械が、賽博格の攻撃によって切り裂かれた。


 賽博格は風祭の周囲を、ぐるぐると円を描いて回っている。世之介に対してとった戦法と同じだ。

 微小機械は、二人が作り出した気流によって、ばらばらに切断され四方八方に飛び散っていく。

 切断された微小機械は、べちゃっと真っ黒な絵の具のように周囲に飛び散って染みを作っていく。


 世之介は戦いの結果を見守っている。


 さっと手を挙げ、制止した。


「それまで!」


 世之介の制止に、再度攻撃を加えようとしていた二人の賽博格は、急停止のため、両足の踵を地面に突き立てた。

 怖ろしいほどの加速が加わっているため、二人の踵は、ずぶずぶと地面にめり込み、がしがしと舗装された場所を深く抉っていく。


 助三郎が叫んだ。


「なぜだ! もう少しで倒せるのに!」


 世之介は風祭を指差した。


「もう、決着はついている」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ