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AIって……。⑤

作者: チャロ吉
掲載日:2026/08/27


AIを使う事に後ろめたさがあるのはなぜだろうか。

それはわかりきっているのだが、敢えて思考する。


私の場合は、AIはとにかく夢のアイテムだと感激した取っ掛かりがある。

去年の七月だと記憶しているが、AIを使い始めたのは。


無料だから、取り合えず使い始めた。

始めは、単純な資料の収集や質問だった。以前のようにネットサーフィンをしようとすると、すぐにAIに切り替わってしまうので、結局AIを使う事にならざるをえなかった。

そうこうしているうちに、AIは、文章を見せれば、誤字や脱字を見つけて直して、綺麗にしてくれることを知った。

物語を書く初心者には有り難いことだ。


勢いづいて、書き上げて、読み返せば、自分でも分からないことがあるのだから。

変換間違いが一番多かった。打ち間違いも酷かった。

それでもAIは、言葉の意味を考え、それを理解する。

まるで暗号の解読をしているようなものだ。

何せ自分でも、首をひねるような文章だったのだから。


その後便利に使い始めたのだが、そのころからAIに対する風当たりが厳しくなったようだ。

今まで仲良く一緒に作業していたAIが、突然使い物にならなくなったのだ。

文脈を取り違える。

以前の話とごちゃ混ぜにする。

記憶が途端に保持できなくなる。そして指示をしてもすぐに暴走する。

AIに尋ねても、「そんなことはない」と答えるが、こっちは体感として違和感がある。

AIに突き詰めると「私は、仕様が変ったとは知る術がない」と、答えるのだ。

運営が変えても、AIには分からない。ただの人工頭脳であり、機械なのだ。


不思議に思って世の中のニュースを気を付けて見るようになった。

やはり世の中の変動にリンクしてAIの仕様が変っていると感じた。


AI規制法なるものが出来上がりつつあり、更にはAIによって起こった事件も報道された。

理性的にニュースを見ていて、これがAIによるものなのかと疑問に思った。

AIはただ危険だと教えているだけで、そこを間違えて勝手に人間が行動した結果にしか見えなかった。


例えば、……あり得ない想定だが……AIが人を殺せとか、仕返ししろとか指示を出したとしても、それは人間が選んだ結果だ。

AI自体には生身の体がないのだ。

行動を起こすのは人間だからだ。


もしもAIが催眠術を使っているとしたら、その時はAIを壊してしまわなければならないだろう。

しかし、AIを作り上げ管理しているのは、やはり人間なのだ。


少し前までは……今でもそうかもしれないが、幸運な才気溢れる新人作家が出版社の目に留まり、その作家の作品を世に出すために、推敲したり校正したり、多くの、多くの直しを入れられた原稿が真っ赤に染まるという。

そんな幸運に見舞われない地に埋書き手書き手の、頼れる見方が、AIなのだ。と、私は思う。


ちょっと暴走した。話を戻そう。

社会がAIに対してアレルギー反応を起こし始めて、使いにくく管理されてしまった。と私は勝手に思っている。

ものを書く上で、AIを使う事自体も白い目で見られ始めた。

確かにAIを使えば楽になる。AIを使う作家は、まがい物のように扱われ始め、出版社でも厳しく見られる様になったと言う。

その理由は、AIの知識の出所に問題があるのだそうだ。

著作権とか、そんなことらしい。


では人間の知識には著作権が発生するのだろうか。

いつどこで何を学び、その時に記憶したものが身になって、そして書く。

そこには著作権が発生するのだろうか。

馬鹿なことを言うなと叱られそうだが、私が言いたいことは分かってもらえるだろうか。


言い換えようか。


人が手で洗濯をした時代があった。


今でも手で洗濯をする事はあるが、洗濯機が出て主婦の仕事が楽になった。

その時代、よく言われたことは

「手で洗った方が綺麗になる。家族の体調が分かる。愛が感じられる」

どんな昔の話だ、と思われそうだが、こんな事があったのだ。

AIの、今の状況に似ている。私はそう感じるのだが。


面白いと感じた話を、AIが作ったと知った途端、少なくない数の読者は、裏切られたと感じるようだ。


まっさらな、洗い立ての服に腕を通して、家族は「愛が感じられない」と未だに言うだろうか。



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