表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/9

不機嫌な時は飯を食おう

「落ち着いたか?」


小一時間くらい泣いて泣いて泣きまくった。


「で、こっからどうするかだ」


天野が椅子に腰を下ろす。


「何か夢はあるか?」

夢、夢ねぇ。ガキの頃は博士になりテェってカッケェ夢があったが、今は理科の成績終わってるしなぁ。ふと頭にいい夢が浮かぶ。


「映画監督になりたい! ぽっと出の夢だが結構向いてると思うぞ。この俺の人生を映画にしたらおもろいんじゃないか?」


「ついさっき親失ったし、妖怪憑きになったこと知ってもうネタにできるのか。すげぇなお前」


天野が関心と呆れを両方含んだ顔をする。


「まぁその夢諦めろ。多分まともな人生送れないぞ」


じゃあ無駄に夢語っただけやん。恥ずかしいったらありゃしない。


「これもをみろ」


天野がスマホを投げてきた。画面にはあるサイトが映し出している。


「特怪?何これ?」


「特殊妖怪捜査隊。政府公認の妖怪憑きだけで構成された特殊部隊。ここは主に妖怪憑きの捜査行なってる部署だ。で、ここの奴らに捕まった妖怪憑きはみんな死だ。deathだ」


「....じゃあ敵じゃね?」


「今はな。だがここに入ったら.........。まぁ、わかるよな」


そういうことね。ここに入って合法的に暮らそうぜってことか。


「でもどうやって?書類送ったらはいokって入れてくれるわけじゃないだろ?」


「ここは防衛大学や警察学校で成績いい奴に声をかけて、そいつらに妖怪を取り憑けて雇ってる。だから俺らみたいな天然の妖怪憑きをまず雇うことはない」


「じゃあダメじゃん」


今までの話なんなんだよ。


「だから一作打つ」


天野が自分の太ももをパチンと叩く。落語見てるみたいだ。


「俺らは妖怪憑きをやっつけまくり、その死体を特怪に渡して入れてもらうって作戦だ」


「いや、国の機関だぞ。そんなんで入れるのか?」


「だから渡す怪人は特怪が存在を知らない妖怪憑きだ」


天野はスマホをプロジェクターに繋ぐ。ホワイトボード画像が写し出される。写し出されたのは日本地図と40数人の顔写真。てことはこいつらが妖怪憑きってことだな。


「こいつらは妖怪憑いの『能力』を使って軽犯罪してるゴミどもだ。ちっこい詐欺とか、万引きとか....。まぁ頑張って真っ当に生きてる奴も一割くらいにいるけどな」


なんで万引きしてること赤の他人天野が知ってるんだよ。そいつが自慢してたのか?


「こいつらを政府に届けるってことか?」


「そう!まずは東京からやってくつもりだ」


「おい待て、なんでいい奴も捕まえるんだ? 可哀想だろ。なぁ〜んも悪いことしてないんだぜ。おかしいやろ」


「いや、法律に妖怪憑きは犯罪者って書いてあるだろ。確かに今後一切悪さしないかもだけどよぉ、犯罪者には変わらない」


「でも....」


天野が俺の意見を遮る。


「悪人と犯罪者は違うのはわかってる。お前は良い"犯罪者"は見逃したいんだろ? その考えはこの世界じゃ通用しない。その考えのまま動くと狩られるのはお前だぞ」


天野の目が俺を睨む。天野の意見には納得できない。多分何を言われても納得できないだろう。でも、反対できない。だって俺は力がないのだから。


「うし、今から行くぞ」


「は?まだ気持ちの整理が....」


「朝飯食いながら色々伝える。そこで整理しとけ」


「金持ってきてないぞ」


「俺が奢る」


うほぉい、最高だ。


「よし行くぞ! 何ちんたらしてるんだ!」


ネガティブな気持ちが吹っ飛んだ。飯は人の感情をリセットしてくれる。


「待てミカ」


天野気が変わる前に奢らせなければ。ん、ミカ?


「なんで俺の名前知ってるの?」


確か天野には言ってないはずだ。


「これだ」


俺の財布を取り出す。あぁ、学生証を見たのか。


「火事から救った代で1000円抜いといた」


財布を投げて渡された。


「ゴミ野郎が」


奢りの意味がなくったじゃないか。

面白ければ、ブックマーク、評価お願いしやす。

(。・ω・。)ノ凸”ポチッ

次話は12時に投稿します

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ