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【漫画3巻発売中】蔑まれた令嬢は、第二の人生で憧れの錬金術師の道を選ぶ ~夢を叶えた見習い錬金術師の第一歩~【Web版】  作者: あろえ
第二部

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第68話:国王様と話し合い1

 魔装具と魔法陣のことで頭を悩ませた二日後。


 馬車が王都に到着すると、旅の疲れが残った体にムチを打った私たちは、すぐに国王様の元へ報告に向かった。


 本来なら、謁見を申請してすぐにお会いできるような方ではない。でも、今回の依頼は国王様の勅命であったため、すんなりと許可が下りている。


 少しくらいは休みたいんだけどなーと思いつつ、謁見の間まで足を運ぶと――。


「今日はそこじゃないぞ。こっちだ」

「えっ?」

「えっ?」


 なぜかクレイン様は謁見の間を通りすぎ、違う方向を指で差していた。


 何だか嫌な予感がして、リオンくんとコソコソ話し合う。


「普通は謁見の間で報告しますよね」

「た、たた、たぶん」

「あれ? 緊張してます?」

「こ、国王様にお会いする機会なんて滅多にありませんからね」

「まあ、普通はそうですよね」


 貴族である私でさえ、国王様と直接お話させていただいたのは、前回のパーティーが初めてのこと。クレイン様の隣に立ち、相槌を打って誤魔化していた記憶しかない。


 調査依頼を出された時も、私とリオンくんは棒立ちで見守っていただけだ。


 しかし、今回は魔法陣を発見した者として、発言する機会も出てくるはず。国王様に失礼のないように、気を引き締めないと。


「早く来い。置いていくぞ」

「あーっ。待ってください」

「ま、まま、ま、待ってください」


 動揺を隠せない私とリオンくんは、先に進むクレイン様の元に走り出す。


 こんな場所に置いていくのは、本当に勘弁していただきたい。平民のリオンくんがいるから表に出せないけど、私だって緊張しているんだから。


 頭の中が焦りで埋め尽くされながらも、しばらく歩いていると、騎士が警備する一つの部屋にたどり着いた。


 何の迷いもなくノックするクレイン様を前にして、私の心臓は爆発しそうなほど胸が高鳴ってしまう。


 うわっ! 国王様の私室じゃんっ! 初めての報告で私室を訪ねるなんて、マジヤバイって!


 心の中で貴族令嬢らしからぬ言葉を使って叫んでいる間に、堂々とした立ち居振る舞いでクレイン様が入室した。


 急展開に取り乱しつつ、ぎこちない動きで私とリオンくんがついていく。


 すると、部屋の真ん中に高そうな机と椅子が置かれていて、すでにリラックスした国王様が座っていた。


 その姿を見た私は、当然のように焦りが限界を突破する。


 え、えーっと……こ、こういう時のマナーってどうだっけ。普通に一礼した後、下座に座ってよかったような気がする。


 よし……。あっ! ちょっと待って! 宮廷錬金術師の助手なら、立っていた方がいいのかな。でも、何も言われないし、普通に座るべき?


 あああああっ! どうしようーーー! 予めクレイン様に確認しておくべきだったー!


 私よりもリオンくんの方が慌ててるし、しっかりしないと……!


 などと慌てていると、完全に表情と態度に出ていたみたいで、国王様に笑われてしまう。


「楽にして構わぬぞ。私室ゆえに、周りの目や礼儀作法を気にする必要はあるまい」

「お、お気遣いいただきありがとうございます……」


 まさか国王様に出会って五秒で恥をかいてしまうとは。さすがにもう少しいろいろと勉強し直した方がいいかもしれない。


 あははは……と愛想笑いで誤魔化した私は、リオンくんと一緒に席に着いた。


 しかし、それがマズかったのか、国王様の表情がこわばる。


「だが、もう少し堂々と振る舞うべきであろう。そのままでは、父君に怒られるぞ」

「うっ……。い、痛いところを突くのは、お控えいただけたらと」

「何を言うか。今後の活躍次第では、近い将来の話になるやもしれん」


 変なフラグを立てないでくださいよー……と思っていると、コンコンッと扉がノックされた。


 国王様が返事をすると、部屋の中に宮廷錬金術師のゼグルス様が入ってくる。


「お呼びと聞きましたが」

「ゼグルスにも話を聞いてもらいたい。参加せよ」

「……わかりました」


 わざわざクレイン様と離れた席にゼグルス様が腰を下ろすと、国王様の表情が仕事モードに切り替わる。


 その瞬間、私室とは思えないほど場が引き締まった。


「で、調査の方はどうであった」


 素直に報告するべきか迷ったであろうクレイン様は、ゼグルス様の方をチラッと確認する。


 しかし、国王様が同席させた以上、退席するように促すこともできない。僅かに言葉を詰まらせつつも、国王様に向き合った。


「詳しい説明はできかねますが、瘴気を放つ魔法陣が魔物を生み出していた模様です。ホープリル子爵が言うには、過去の遺物である、と」

「やはりそうであったか……。悪い予感ほど当たるものだ」


 すべては予想通りだったみたいで、国王様は深いため息を吐いた。


「過去の遺物……。()()錬金術か」


 まったく予想もしていない言葉を耳にして、私はクレイン様と顔を合わせる。


 神聖錬金術ではなく、古代錬金術? いったいどういうことなんだろうか……。

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