2.落下したのは戦場でした
2話目です!
「ちょっ!?死ぬ死ぬ死ぬ死ぬぅーーーー!」
そんな叫びを上げつつ、俺はどんどん地面に向かって落ちてゆく。
傍目で見ている分には、叫びというのも生ぬるく、絶叫より酷い何かになっていた気もするが。
ともかく、現在進行形で死に直面していることだけは間違い無いだろう。頭というより、本能でそれは理解できた。
が、理解していた所でそれに対応できるわけでもなかった。
だんだんと地面に近づいてきたので、遠目では見えなかったものが何かが分かった。
それはっ!
土煙?
いやいや、なんでだよ。
土煙ってことは人がいっぱいいるってことか。
でも、土煙が上がるほど人がいるってことは……
「ですよねーーーーっ。戦場ですよねーーーー!」
その情報を受け入れると、俺の頭の処理限界を軽く凌駕するほどの混乱に襲われた。
そもそも、ここどこなんだろう?
俺、なんで突然空飛んでんの?
そんな疑問が頭の中でループする。
どうして、どうして、どうして、どうしてどうしてーーーーーーーー?
気付けば、目の前には地面が現れた。
覚悟を決め、咄嗟に落ちた時の衝撃に備え、一点だけに集中させないように体勢を整えた。
そして、
ドガガガガッーーーーーーーー!!
そんな大きな音と共に地面に落下した訳だが、
「あれ〜?痛くないだ、と……」
地面がクレーターのように抉れていたが、自分の体には一切痛みがなかった。
「なんか素晴らしい力でも授かっちゃった系なの、か、な?」
最後の方にカタコトになったのは言わずともわかるだろう。
なにせ俺は今、戦場の中に空から降ってきた超不審者なのだから、注目を、全く集めたくなかった注目を集めてしまったのも仕方ないことなのではないだろうか。
そうして、とりあえず近くにいた兵士らしき人に声をかけた。
見た目は全身鎧で顔も見えなかったが、中の人が優しいことに期待していた。
「どもーっ!元気ですかーっ!」
そんなテンションで言ったのが不味かったのか、無言で剣を振り下ろしてきた。
もちろん、しっかり躱したが、
「ですよねーーーー。やっぱり不幸なんですよね……」
俺のテンションは地に落ちた。
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