18.ジャンピング土下座
出来る限りのサポートとは一体どの位のものなんだろうか。なかなか想像がつかないが、お金を出してくれたりするのかな。家をくれたりしたら嬉しいんだけど。
「まず、僕らがするサポートの話だけど、その前に一つだけ確認しようと思うんだ。君はこの世界の住人ではないよね?」
ほぼ確信していると言っているように聞こえるが、どういうことだろうか。
「確かに僕がいた世界だとは思えないですけど……」
「そうだよね。絶対に君はこの世界の人間じゃないと思ったよ。だって、僕の娘にあんなことをするんだからね……!」
なんか今の言葉にかなりの憎しみが込められている気がするんだけど。
もしかして、あのことを言われたのか!?イーリアに軟膏薬を食べさせようとしたことを。
それはまずい。かなりまずい。だって、今の話全部パーになるかもしれないってことでしょーーーー!!
ここは早急に下手にでなければ……俺の生死に関わる!!
ここはあれで行くしかない……!!
そう!日本人に許された秘技、『ジャンピング土下座』を使うしかないっ……!
よし!久々に見せようか、俺のジャンピング土下座をっーーーー!
「すいませんでしたーーーーっ!!」
そんな俺のことを見てか、ロランは笑っていた。
「いや、別に怒っているわけじゃないんだよ。ちょっと反応を試してみたかっただけなんだ。でも、そこまで大きな反応を貰えるとは思わなかったよ。どこの民族の謝り方なのかな?」
「地球の日本です」
「チキュウのニホン?聞いたことがないね。ま、それも君がこの世界の住民でないことの証明になるのかな?でも、そのジャンピング土下座っていうのは面白いね。この集落でも採用してみようかなぁ」
「それだけはやめてくださいっ!!」
俺がやめてと言ったことをなんでだろうと考えていたのか、ローリエは首を傾げていた。
「そんなことは後で考えるとして、サポートの話だよね。君はきっとお金が貰えるとか、住むところが手に入るとか思ってるんだろうね」
なんだこいつエスパーなのか?
「これで外れていたらとても恥ずかしいけど、君のその顔を見ると、あながち間違いでもなかったみたいでよかったよ。じゃあ、内容を発表するよ。」
すると、どこからともなくドラムロールのような音が聞こえてきた。それにしても、どこから鳴ってるんだよ、この音は?
ドゥルルルルルルーーーー、デン!!
「君の旅にイーリアをついて行かせまーす!」
はい?
頭が真っ白になるとはこのことを言うのだろう。予想外のところからの投球で俺の頭は回らなくなってしまっていた。