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巨姫〜長腕の姫君  作者: 科学部
1/1

異世界転生チーレム無双

拙い文章ですがよろしくお願いします。

「......、........ 」


神経を研ぎ澄まし、周囲に大人の気配がないかを確認する。聞こえてくるのは間隔の短い足音のみ。

俺はトイレの用具入れを選択し、そこに身を潜める。


「アヒャヒャハハ、グエー」


「ブヒャヒャハハ、キェェェェイ!?」


四年生の翔平君と光成君だ、彼等は用を済ますと帰っていった。ちなみに用具入れを選んだ理由は小学生は個室に鍵が閉まっていると嬉々として騒ぎ、見つかる恐れがあるからだ。その後は授業が始まると、体育で生徒不在のクラスをピッキングし、潜入した。


この俺、(まご) 正義(じゃすてぃす)は小学生の使用済み鉛筆が大好物だ。そして生きがいでもある。

だから3ヶ月に1度は小学校で鉛筆を補給している。


クラスに入って俺は一通り匂いを堪能した後鉛筆を探してペロペロした。

たかし君は鉛筆を鼻にねじ込む癖があるらしい。そのため、鉛筆には鼻からでた排泄物が付着しており、これが鉛筆の風味をうんと引き上げている。

まずは舌の上で鉛筆を転がし表面の手垢を味わっていく、その後は唾液に絡めて口いっぱいに鉛筆の味を広めて成分を分析していく。


「たかし君は睡眠不足かな?やっぱり宿題はやっていないね」


たかし君の宿題をランドセルから取り出し、宿題を半分だけ進めて先生の字で解説を添えた。たかし君は可愛い子ぉ、俺は好きだなぁ。


いけない。つい我を忘れて鉛筆を教室で舐めてしまった。

気がつけば、元気な小学生が体育から戻ってきていた。


まずいぞ。まずい...、まずい?。


まだ30本しかぺろぺろしていないではないか。

足りない。これでは足りないぞ。

まあいい。自分のやりたいようにやる。それでいい。


えっと…これはなだらかな眼鏡の曲線がソソる拓子ちゃんの。

ああ美味しい。いいね。

そして…こっちがえくぼがセクシーなかわいいかわいい弘樹くんの。

やばいな。最高だ。


俺は小学生が迫ってきていることなど気にも留めなかった。

バレたらマズイのではないか、普段であればそう考えたが、今日は不思議と興奮して鉛筆以外考えられなかった。


俺は紳士だ。鉛筆を舐めて、何が悪い。

ああ、完璧だ。俺はなんと常識人なのだろうか...。


「ふぎゃっこぉぉーーーーー!」


唐突に少女の叫び声が聞こえた。


ハッ。俺は…一体何を……。


意識を切り替えて手元を見れば体液で溶けかけている鉛筆の群れ。

何故、俺は鉛筆を舐めていた?普段なら教室では回収するだけなのに。


俺は理性を忘れていた。危ない危ない。

愛しい浩太ちゃんの声が俺を引き戻してくれたのだ。

ありがとう。また明日、ここに鉛筆を取りに来るよ。

俺はそう心の中で告げて、教室の窓を開け放ち、四年生の階から手を羽ばたかせて飛び降り、音も立てずに着地した。

誰にも気づかれない。気づかれるはずが無い、俺は紳士なのだから。

俺は心の中で叫びながら、道路を挟んで隣接している山へと踏み入った。

家に戻るのは10日ぶりである、体は脂でギトギトし、魚を腐らせたような体臭は自分の存在を山の動物に知らしめる。

6時間は経っただろうか、空には星が瞬き、風は森の匂いを運び、月明かりは木々の影を創り出す。

家路を急ぎながら道中で翔平君の驚いた顔を想像し、頰を緩ませる。


小学校と家を行き来する生活は10年以上続いている。

今日はとても危なかった。今までこんな失態は1度たりとも無かった。何よりあの時に気持ちを抑えきれなかった事がとても恥ずかしく、そして不思議だった。


自分の家に到着した。

ここでは理性のタガを外しても大丈夫だ。

俺は部屋中を埋め尽くすかのように、それでいて整然と並べてある鉛筆に再会し、鉛筆を舐めながら踊った。

半月にも及ぶ潜入は肉体と精神に負担をかける。俺はいつもどおりに踊っていたその場に倒れ、眠りに落ちていった。


-----------------------



ズルッとした違和感を感じ、目覚めると視界は朧げで、黒い何かが蠢いていた。俺は驚きと困惑で頭が働かなかった。

すると、俺を黒い何かが掴み上げ、そして首に触れた。


ぽきりと、首を折られた。


そこで俺は一旦冷静になり、視力が落ちている事に気付いた。早急に視力を回復させて周囲を見回すと黒い何かはただの人であり、そして俺の体は生まれたての人間の赤ちゃんになっていた。


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