表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヒロインの姉は死にたくない  作者: あかねん
2/4

1

乙女ゲーのタイトルはテキトーデス。



私アメリア・エルモンドが前世の記憶を取り戻したのは4歳の誕生日であった。


誕生日にひとつしたの妹リリアーヌと遊んでいたときに、あぁこの世界は前世でプレイしていた「貴方に捧げる純愛」ではないかと理解した。



「貴方に捧げる純愛」は16歳なり学園の高等部に入学する純粋な伯爵令嬢であるヒロインが、7人の攻略キャラクターと恋愛をし成長していくゲームである。


携帯ゲームであった為ガッツリボリュームがあるわけではないが、気軽さから人気があった。人気があった為高等部の前の中等部等のスピンオフまで配信された。


7人は王道なイケメン王子さま、優しい幼馴染みの伯爵令息、本当は寂しがりやのクラスの人気者の公爵令息、甘いものが好きなマッチョな王子付の騎士団長、気だるげな先生と、此処までは普通である。あとの2人は、王子ルートをクリアすると表れるヒロインを殺しに来る暗殺者。そして全てのトゥルーENDをクリアすると攻略できる、少し年上の小さい頃から使えていた執事である。


間違いないと私は確信できる。なぜなら夢中になって押しである王子さまを攻略しまくっていたからである。


しかし、私がヒロインに転生していたら狂喜乱舞していたが、私はヒロインではなく、ヒロインはリリアーヌである。すなわちヒロインの姉である。


ただの姉であったのならば問題ないのだが、ゲームでの私はいわゆる妹の恋路を邪魔する役割だった。


誕生日に思い出さなくていい神様からのプレゼントである。


私が可愛くてしかたがないと認める妹が、アメリアよりも根が純粋で守ってあげたくなる容姿であり男性の庇護欲をくすぐる為、アメリアは気にくわかなかったのである。


アメリアは妹の恋路を邪魔するクソヤロウである。


プレーヤーとしては楽しかったが、アメリアだけには転生したくなかった。


大抵トゥルーENDになった場合彼女は自分の置かした罪によって島流しか、処刑か、修道院送りになるらしい。


らしいと言うのはトゥルーENDは課金アイテムが必要だった為全てを拝む前に、私自身がトラックに轢かれて亡くなったからである。


さらに言い訳をすると学生にはガッツリ課金出来なかった&王子さまイベで走っていたからである。


なのでまとめサイトでしか大体を把握してない。


ならその他のENDを選べば安心ではないかと思うが、トゥルーENDの他にはBADENDしかない。


あとは毎月開催される各イベントでヒロインとの愛を楽しむゲームである。


全てのBADENDはヒロインの攻略相手を全力で殺しに行くと言う、スプラッタ満載の頭大丈夫?展開な為全力で回避したい。


ちなみにアメリアが敵わない、殺れないと感じた攻略キャラクターの場合は全力でヒロインを殺しに来る。


なぜそこまで?と全力で突っ込みたくなる位、ご丁寧に血に染まってるアメリアのスチルまで用意されていた。



なぜ全てのBADENDを知っているかと言うと課金が足りなく、親愛度&課金アバター不足で全てを拝んだからである。


最初はまだ優しい姉が殺人鬼になったときは全力で震えた。やべぇこいつ。こわい。


王子さまルート以外は大体しか知らないが、せっかく生まれたのだから私は平和に妹の幸せを願いたい。なによりまた死にたくないし、誰も殺したくない。


幸いストーリーがはじまるまではかなりの時間がある。


身近で乙女ゲーを体験できるのだ。妹の幸せを願いつつ、ついでに私も幸せになってやろうじゃない?ね?


そして願わくば妹よ王子さまとくっついて、私にリアルスチルを拝ませてくれ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ