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このくらい(1000~3000字以内)の内容しかまだ書けませんが出来るだけ頑張って毎日に近い頻度で投稿しようと思ってるので許してくださいお願いします!!

 僕に過去の記憶があると気づいたのは6歳の頃だった。


 悪魔――サタナキア様と契約し、面白くない人生に終止符を打ち、生まれ変わったんだ。

 そう考えて改めて見てみると村人Aのような生き方だがなんだかんだ文句は無かった。



 僕の母親も、妹も、隣の家の奥さんや娘もビックリするくらいキレイなのだ。

 化粧なんて殆ど出来ないはずのこの村なはずなのに容姿のレベルが高いのもある。



 良くお話に来るお婆さんですら昔は綺麗だったのだろうと簡単に分かるほどには整っていたのだ、僕自身の顔も当たり前と言えば当たり前だが変わっていた。

 井戸の水を汲んだ桶で自分の顔を映してみれば、この美形だらけの世界の住人だと分かるほどには整っていたのだ。



 サタナキア様から貰った魅了の力、最初は効いているのか不安になったが最近は疑っていなかった。

 それはもう、溺愛されているからだ。




「お兄ちゃんっ!」

 朝起きればこれまた可愛らしい妹のリーフが緑色の宝石のような瞳を僕に向けて飛びついてくるのだ。


 小さいその体を目いっぱいに押し付け、自分の臭いでも付けようと、マーキングでもしているのかと思ってしまうくらいには甘えてくる。

 朝起きてしまえば夜寝るまで殆ど僕の傍から離れようとしない、しまいにはトイレ……外に付いている厠にまで一緒に来るのだ。



 それは妹のリーフに限ったことではない。

 元の世界で言えば大学生くらいの若々しさを保った母さんが俺を抱き上げるとそれこそ数分間の間キスの雨を降らせて来る。


 20代後半らしいが詳しいことは聞いていない、所謂未亡人とでも言うのか。

 流行り病で村の中の男達はみんな死んでしまったらしい、怖い話だ。




 食事を終え、外に出ると横から強い衝撃が来た。


 幼馴染のドロシーが飛びついてきたのだ。僕と年齢は殆ど変わらないのに妹のリーフと行動は全く同じなのだ。

 この年の女の子の行動って言うのはみんなこんなものなのだろうか。



 活発に動いていると言うことで考えてもないが大人になってもこのタックルを続けられると少し辛い。

 僕はドロシーの頭を撫でながら前を向いた。



 隣の家に住んでいる、母さんと全く同い年のルナンと呼ばれている女性が僕を見下ろしていた。


「えっと……おはようございます!」


「ええ、おはよう」

 ニコリと笑いながら挨拶を返してくるルナンさんに頭を撫でられていると後ろからリーフが背中に突っ込んできた。



「フィル君は本当に人気者ね」


 笑って僕を見ている母さんとルナンさんだが僕としては結構マズい、昔はともかく今は昔の記憶が戻って女性との関わり合いが少ない日々を送っていた反動か美少女と言っても良いリーフとドロシーに抱き着かれると少し興奮する。



「おはよう、フィル君……」

 紫色の髪を揺らし、俺の胸元に頬擦りをしているドロシーも挨拶をしてくれたが僕としてはどう二人を引き離そうか迷っている。


 すると母さんとルナンさんの二人が僕に抱き着いている二人を引き離してくれた。


「リーフ、いけないわよ。フィルが困っているわ」


「うー……もっとー……」

 目に涙を浮かべたリーフを見て苦笑いを浮かべながら起き上がる、僕は間違いなく幸せな生活を送っていた。






 だけれども、僕は心の中では思っていた。

 悪魔との、サタナキア様との約束、契約は守らないと……と。



 契約した理由だって、つまらない人生に終止符を討つためのものだった筈。

 今一度、胸に強く刻まないと……この人生を無駄にはしないと、僕、いや、俺と言う存在をこの世界に強く強く残そうと。




「ねぇ母さん」


「どうしたの?」

 母さんがご飯の支度を終え、振り返る。


 僕の顔を見て笑顔を浮かべた母さんに抱き着く。



「んっ……ふぃ、フィル……どうしたの?」


 驚いたのか、それとも嬉しいのか、一瞬言葉に詰まった母さんは僕のことを抱きしめ返してくる。


「母さん、僕……街に行きたいの」


「街……アレスクの街?」


「うん、駄目?」


「っ……」

 完全に詰まってしまった。

 母さんも問題なく、魅了の力が効いているようだ。僕は更に強い力で母さんを抱きしめると息までもが詰まったように、母さんは何も言わなくなってしまった。



「心配してるの? 僕が街に行ったら母さんのことをおざなりにしちゃうんじゃないかって」


「……」


「大丈夫だよ、母さんに一杯構ってあげるから、ね?」

 その言葉を聞くと母さんは硬直していた体を緩め、ぺたっと地面に座り込んでしまった。

 ジッと僕の顔を見ると、恥ずかしがった子供のように僕から視線をずらし、紅潮した頬を隠すようにしながら言った。



「……本当?」


「え?」


「今まで以上に構ってくれるって、本当?」


 蜘蛛の巣に引っかかった虫のような反応だ、心の底では母さんだなんて思ってもいないのに、それを隠しながら笑みを浮かべた。


「母さん、僕が嘘を吐いたこと……ある?」


「ない……わ。フィルの言ってることは全部正しい――」


「そ、だから……お願いね」


 逆らわないのが、拒否しないのが分かっているお願い、一人の女性を支配し良いように操るのはとても楽しいのだ。

 母さんはコクリと頷くと僕の手を握ってきた。



「一緒に夜、寝ましょう?」


「うん、全然いいよ!」


「あ……えっと、えっと――」

 子供のようにはしゃぐ母さん、本当に大学生くらいの人にしか見えないのが凄い。

 色々とお願いを聞き入れている所をリーフに見つかってしまい、その後に一悶着あったがそれは別のお話し。

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