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破壊神と妹勇者  作者: 朝寝東風
第一章
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野営準備 前編

 俺は随伴する公国騎士達と一緒に各部隊を尋ねる。騎士4人と兵士6人の小部隊だ。これ以上割く余裕が無いほどクローディアは追い詰められている。


 ポルルとサリスは血を撒く作業の準備を理由に置いてきた。蛮族とエルフは目立つ。クローディアが責任をもって守ると言ったので大丈夫だろう。


 ニコルは何かをしている。好きにさせておく。今晩辺りに情報部か盗賊ギルドから接触があるだろう。無ければベリアにレッサードラゴンの頭付きのラブレターを送ってやる。


 騎士と兵士の大半は死んでおり、指揮出来る者がいない。輜重兵は何をするまでも無く屯している。騎士が生きていて、俺が指示を出した最後尾は多少はマシだろう。


 最初は補給物資1の部隊だ。


「全員、良く聞け! クローディア様より将軍代行を命じられたライだ。ここの責任者は誰だ!」


 補給物資を守る輜重兵に声を掛ける。


「一応、俺が最年長です。はい」


 線が細いおっさんが出て来た。これで荷物を持てるのか?


 それに年功序列?


 俺が随伴騎士を見ると、首を横に振っていた。


「公国から任命された指揮官は?」


「死んだのではないかと……」


 ちっ!


 奇襲で混乱は仕方が無い。勝ち鬨が上がっても何もしていないのは問題だ。公国軍の構造問題だから、俺が口出す事では無い。


「良し。おまえが暫定指揮官だ! これから言う事をやれ!」


 死体を並べろ。今の状態でアイテムボックスに入れては随伴騎士が名簿を作れない。


 馬が死んでいれば楽にさせ、馬車が壊れていれば馬を外せ。馬と馬車で動く組み合わせを一つでも多く作れ。壊れた馬車は俺がアイテムボックスに入れる。


 動く馬車を先に野営予定地にいる本陣に進ませろ。そこからは現場の指揮に従え。


 作業が終われば、死体監視に10人残し、残りは野営地に向かえ。


「な、なんとか分かりました」


「閣下、私が残って監督します」


 随伴騎士の一人が申し出てくれた。


 騎士なら指揮をしろ、と言いたかったがやめた。


 壊滅した部隊の指揮は難しい。


 失敗すれば汚点だ。


 責任問題になり辛い監督をやるだけありがたいと思わなくては。


「分かった。俺も最後尾まで行ったら帰ってくる」


 次の部隊に向かおうと思った矢先、呻き声が聞こえた。


「怪我人か?」


「はい、相当数おります」


「回復薬は?」


 まさかストックが無いのか?


「輜重兵ですから」


 騎士がさも当然の様に言う。


 コストの関係で回復薬は出せないのか。


 そんな事を考えるのは後方で数字遊びしているやつだけにしろ!


 この世界の軍は将軍や部隊長の個人的カリスマで持っている。輜重兵も一緒だ。しっかり面倒を見れば足手纏いなりに役立つ。


 襲撃時の輜重兵の混乱も、騎士のカリスマ不足が原因の一つか。


 俺はアイテムボックスから回復薬を200本取り出す。市販の回復薬を買い漁っておいて良かった。全員が2本使ってもまだ余る。


「これを使え! 山賊以外は一人でも多く生かせ」


 野営準備に一人でも多くの手がいる。怪我人の看病に手を取られる余裕は無い。


「おお! ありがとうございます」


 年長の輜重兵が感動している。


 次は騎士の部隊2だ。


「一人も生きていないか」


 文字通り全滅だ。山賊の死体も少ない。


 ゲラルドが全力で暴れまわったのだ。ここは純粋に不運だったと諦めるしか無い。


「ここは後回しだ! 次の補給部隊に向かう」


 死体が馬車の邪魔になるが、それを動かせる人員がいない。先程の輜重兵は山賊の通り道にいたため、人員を多く失っている。この仕事には回せない。


 次の輸送物資2の部隊の被害は少なそうだ。


 名乗りを上げて指揮官と話す。幸い、ここの指揮官は生きていた。何もしていなかったので無能の極みだが、追求はしない。公国の騎士で無能なのを輜重兵にまわしているのか?


 山賊の大半がクローディアに向かったのと、後ろに居た部隊3が前進したため、ここの被害は軽微だった。念のために回復薬を100本渡した。輜重兵にも使うように念を押した。


「なら前方にある部隊の死体を並べろ。後でアイテムボックスで回収する」


 簡単な命令を出し、次に向かった。


 全軍の丁度真ん中にいた部隊3は部隊1に合流した事もあり、ほとんど無人だった。随伴騎士に素早く目録を作らせてアイテムボックスに放り込んだ。時間が惜しいので杜撰だ。馬を集め、数人残っていた従僕には同伴を命じた。


 輸送物資3の部隊は後ろが少々被害を受けた以外は無事だった。


 こちらは指揮官が補給物資を纏め上げ、部隊4の整理を開始していた。


 こっちは思ったより有能だ。


 聞けば被害を出した山賊の撃退もその指揮官が率先して行ったらしい。


 彼に残りの命令を伝え、しばし話をする。少し有能すぎるのが気になる。輜重兵の指揮官より相応しい仕事があるはず。


「ライ様、私が調査団の団長を務めるマイクです」


 なるほど。補給物資を運ぶ兵士に紛れていたか。有能な訳だ。


 調査団の件はイライジャを含め、少人数しか知らない。信用出来る。


 ただの指揮官なら大金を出しても引き抜きたかったのだが、それは無理な相談か。


「多少手順が前後しているが、よろしく頼む」


「はっ!」


 これからどういう風に行動するのか、俺にも分からない。


 明日辺り時間を見て協議するしかない。


 騎士の部隊4を見て回る。部隊2同様壊滅していた。ここはマイクに任せてあるので次に進む。

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